VOL29 遅い勤務は個人の勝手 発行2000/07/13

さぁ、自転車で通勤をしているし、時間制限は無くいつまでも仕事を続けられる環境になった。朝早くから家代わりに住んでいるようなセクレタリーのボニーもいるが、家族の一員の如く暖かく迎え入れられている。彼女は,帰りが比較的遅く、日没位までは仕事をしている。同僚には、日没をみつつ夕食を食べに車で出かけたりして日本食レストランで食事をしてまた会社に戻り、夜の一時くらいに帰るものもいる。朝は11時にはくるのだろうが、彼はサポート先の時間に出来るだけ合わせて生活をしているようだ。といっても問題は同様なものが同時期に起こるものなので、一つ片付けると立て続けに解決をみる。それだけ高い完成度が求められている世界だ。ソースを全て提供している部分もあり、ユーザーが独自に作りこんだり改造したことが裏目に出たりする事例もあって、自分達での検証をしていくことの精度も当然高まった要求となっている。解決しかねて支援を求めてサンディエゴまで訪れるお客様もいる。以前つきあったことのある大手の無線メーカーだが、アナログからデジタルへの変身には体制がついていっていないように思われる。チップの開発とソフトの開発と同時進行しつつハード・ソフトの作りこみをして製品化しているユーザーの支援という形で仕事を進めていると、以前半導体メーカーのSEに対して感じていたのとは違うような感覚になってくる。再現性の高いソフトとハードという両面を追求しつつDSPとロジックとソフトのバランスを見つつの製品展開を考えていくのだが、出来上がりの製品のアプリからみた機能要求についても隠しだまを用意しつつの開発を進めていくのはこうしたベンチャーとしての保険なのだろう。隠し命令というのはマイコンにはよくある話だったが、隠れハードもあるのだと最近は納得するようになった。
 
時差のあるお客様の支援でタイムゾーンを広げてのサポートを進めるがお客様の側の道具や端末を送り込んできて試験をしている状況ではタイムゾーンは裏目にでる。おなじ環境ができないのだ。PCの設定が違う?OSの仕様が違う?スクリプトが違う? 計測器の仕様は?などと色々なことが起きてくる。ミスに気がつく頃にはタイムゾーンでタイムアウトになる。タイムアウトが起こらないようにするには互いに精度の高い仕事をしようとするのだが、DLLが不足していましたので動かなかったなどという自体は、自分達でも中々認識していないことらしくそうした現象がこちらで発生した場合には見たことも無いエラーメッセージを説明しても向うでもちんぷんかんぷんになってしまうこともあった。本来はお客様が自分自身で解けない問題に対して自分達も乗り込んできてくれれば、もう少しよい歯車が回るのだがそうはいかないらしい。こうした状況では、その会社の仕組みがよくわかるような気がしてくる。生産技術への引継ぎなどでも問題を起こしがちなのだろうが、生産だけのアウトソーシングなどを進めていくうえでは精度の高い仕事がさらに望まれている。
 
そんな事件でお客様からの不足した道具をメールに添付してもらい送付をしてくるのを待っているのだが「着いたら連絡してください」という電話の一言が気にかかり帰れないでいる。インターネットの爆発は仕方のないことなのか。Emailの送信については着かないかもしれない。あるいはすぐつくかもしれないという事を頭において活動しなければならないとこちらにきて強く思うようになった。私たちの場合には、メールが米国につかない限りは国内からのメールが届かないのだ。日本の4時は夜中の12時である。さあ諦めて帰るか。確認のメールを相手の会社に送るとすぐに帰ってきた。ユーザー名をわざと間違えて送付したのだ。どうも先方のメールサーバーの問題のようだ。あきらめよう。LotusもCCメールならば良いのだが、NOTESは駄目なのだろうか。我が社は悪評高いEudoraだがサーバーはシンプルなので問題はない。こんな時間にと思い夜食を冷凍庫から取り出して、解凍したおりにも結構残っている人はいるようで、みな個人としてマイペースである。米国人が9to5で凝り固まっているとはいえないようだ。無論、そういう個人のペースの人もいることは事実だ。技術屋としては、あまり変わらないのではないだろうか。

この時間に自転車でかえる自分も、マイペースであることには違いがない。スイッチがないのはこういうときには嬉しい。部屋から出れば自動的にスイッチが切れるのだ。当り前かも知れないが。センサースイッチは、マイペースの気持ちも支援してくれる。

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