VOL49 忙中閑有 東奔西走 発行2000/10/13

青山の事務所での生活がスタートして二週間となった。新チップサポート開始の準備で、例年忙しくなる時期でもある。月末に予定しているソフトウェアのトレーニングを皮切りに、どっとQ&Aも増えてくる時期となるのである。三菱や日立といった汎用のマイコンの新シリーズなどの説明会というよりも、そのシーズンに必要な機能を網羅した旬のマイコンである。

携帯の機能競争の片棒をいっきに担いでいるともいえるかもしれない。CDMAの見識に基づいて設計されたチップが集約化されて、より大規模になり無線用CDMAモデムとしてはロックウェルの状態になってきたともいえる。ロックウェルと異なるのは伝送速度を改善していくというスタンスがキャリアを含めて考えなければ達成できない点がある。

世の中は、IMT2000に流れていくといった甘い予測に踊らされる人々やギリギリまでEDGEを見極めている人々などもいて夢とビジネスとをはっきりしている会社もあるようだ。夢に付き合わなければならない立場もあり、ある程度の答えや未来への予測も踏まえていくつもの策をうっていくのは会社としては必要なことであろう。

先日、ようやく仕事らしい仕事として古巣の会社を訪ねた。隣の事業部が現在ではカスタマーであり、居づらい雰囲気もあって納入業者という立場ではあったが古巣の事業部の静かな商談コーナーで珈琲を一杯飲んで帰った。もう少し時間が早ければ喫茶コーナーもあるのだが、中途半端なパブタイムと喫茶タイムの中間の時間帯であった。

こうしたインフラ整備という観点では、初芝通信には冠たるものがあるように思う。電機業界という枠で比較してみると・・・だが。田町のスーパータワーでの焼きたてパンも食べてみたい気もするが、あの会社での開発はうまくいったことがないように思われる。安全パイとしての布石である割には成功までこぎつけないで撤退することが多いようだ。

新規のチップを採用決定して半年あまりで製品化にこぎつけられるかどうかが各メーカーの競争となっている。やはり自力に勝るところが、同一のチップとソフトを提供しているにもかかわらず差をつけて利益を上げている。お化けのようなUIの開発規模はとどまるところを知らない。PDAなみあるいは、それ以上のことを要求されている。

毎回チップの説明の目的でトレーニングセミナーを開催するのだが、QUAD社の提供する機能をすべて毎回説明するわけではない。追加された機能についての使いこなしや差分や改善点などが中心となる。いままでの幾世代もの集大成がそのチップセットとソフトウェアにはあるからだ。

無料で開催しているセミナーの為に、カスタマーからは英語の研修のつもりで新人を送り込んでいるとおぼしきところもある。最近は、サンディエゴのメンバーも日本語を学んで流暢な発音をするまでになってきた人もいるので改善はされてきている。米国・日本・韓国と三箇所でのトレーニングが現在の姿だが、つづく世代のチップセットの機能をみると、こうしたセミナーを完了するのに世界一周する状況になってきそうだ。

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