VOL86 新しいビジネスの音 発行2001/2/27米

最近、ピンポンが流行っている。Quad社の開発チームの挨拶代りだ。広い構内なのでロビーにおいても周囲の邪魔にはならないのだ。仕事の区切りに汗を流している。少し遅くになったのだがリリースファイルのチェックインが終わった。ちょっとビルドが動作している間に一汗かいている様子だ。ラリーが続いていると最後は歓声でおわる。

あたりは暗くなり気がつくと、午後8時半を回っている。外は真っ暗だ。二階のサポートチームのブロックはもうピンポン台の周りにはいないようだ。問い合わせのメールもピンポン状態でやりとりが続いているが、サービスエースでバグの指摘を決めてくるひともいれば、ネットにかかり届かない玉を拾ってばかりで情報が届かない人もいる。ようやく届いた時にはバージョンが古くなっていてほかの人の間でわかったいろいろな問題点が明確になっていた。

ソフトウェアのリリースは、機能が追加される段階でバージョンがあがり不具合がある度に修正でリビジョンがあがる。これは、通常の製品開発と同様であろう。ところが、新たなバージョンが出来るときには古いバージョンに対してのバグが集約された上で新たなバグ修正なども包含されてリリースされる。以降は新しい版でしかパッチリリースもなくなる。

こうした開発サイクルの繰り返しも少し様相を変えてきそうなのが新世紀というスタイルであろうか。Javaが通信端末に組み込まれたこと。あるいは開発ツールが携帯電話用に開発されたこと。どちらも大きな意味を持っていると感じている。グループでの作業に欠かせなくなりそうな手作りJavaの世界も始まるだろう。ビジネス用の端末が無くなってコンシューマ向けの端末を使い捨てにしつつソフトだけをあたかもExcelのように使っていくといったことも始まりそうだ。

開発環境を提供してきた組み込み端末の世界がハードとソフトの分離を可能にするというのが今までにまったくない流れでもある。Javaで手作りなWebとの連携がビジネスに対応していくという考え方・・・それも良いかもしれない。月産100万台の量産効果を利用してビジネス用のシステムを構築していくことがベンチャーでも可能な個別システムを構築しうるということが実践できそうな予感がある。

いままでメーカー毎に苦しんで実装してきた各種アプリの時代から開放されるのだろうか。開放されてしまうのであれば自分達の仕事の意味について問い直すべきだと感じている人はいるだろうか。端末メーカーには苦難の選択かも知れない。

システム志向のメーカーでは、量産端末を利用していろいろなシステムを簡単に構築できるのは嬉しいことだろう。車にブルーテュースのIFを設けておけば分散してオブジェクトである端末とNavi表示装置が相互動作で演奏をしてしまいそうな状況である。

すべての端末に位置センサーとブルーテュースが搭載されてカラー液晶もメールもWebも搭載されてしまう時代が来そうなのだ。素人でも楽しめるJavaもあれば玄人が使えるバイナリーもある。開発ツールは無償で公開されたりと凄い時代だ、さすがに21世紀は今までとは違ったビジネスを始められる凄い世紀かもしれない。

日々の喧騒の中に近くで起きているピンポンの音に気がつくほど自分達の意識を会社で留めているのだろうかという不安はあるが・・・・。ピンポンの軽快な音を心地よく聞こえていれば良いのだが、警戒してしまう必要は何も無いのだ。自分の素直な気持ちを携帯できていれば大丈夫なはずだ。

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