業界独り言 VOL129 無線ブロードバンドの迷い道

現在・過去・未来・・・、あの人に逢えたなら・・・。すっかり迷い路に入り込んだしまった感のある携帯電話業界である。過去に定義した未来はどこかへいってしまい、現代の収拾がつかなくなっている。ブロードバンドISDNという言葉も、すっかり意味をなさない時代になってしまっている。ISDNを解約してアナログ契約に走る姿など誰も予想させられていなかった。

武蔵野を訪ねたり、三浦半島の山の上をハイキングで詣でていた時代に書き綴られてきた未来日記は、そのとおりの活動をしても幸せにはなれないという電波少年のオチになったりしている。突然訪れた地震で剥離してしまったハイキングコースは安全柵も講じられていない千尋の谷であったりもしている。宮崎駿ならば飛翔という荒業で次の画面に飛び移るシーンかも知れない。

ゲルマニウムからシリコンへの時代に突入しようとしている。PNPからNPNに移行する時代なのだ。この場合、少しPに必要なのPの層は限りなく薄くすることと、適当な不純物の混入なのかも知れない。分厚いNPNではシベリアケーキになってしまう。新しい工法を学びつつ新しい次代に突入するという未来日記の新章は期待できるのかもしれない。時代考証もつかの間に、身のこなしも軽やかにADSLやら光やらと華麗に転身しようとしている部隊もある。

昨今のADSLブームは着実に広がりを見せていて、この事による新しい事態についての予測を十分に立てないままに進んでいる様々な慣性モーメントの大きい会社活動や経済活動には山梨リニアなどのハードインフラやら運営見通しも無い高速道路などと同じに不良債権を残したままに落ちのつかない未来日記を読み進めていくことになりそうだ。

自分達のしてきたことに自信を持たずに闇雲に新しいものに飛びつく姿は非難されるべきかもしれないし、逆に閉じこもっていて鎖国を続けることでも解決はおぼつかない。施策と期間のバランスを理解して効果を挙げつつ進めて行く真のリーダーが新しい時代をナビゲートしていくことこそ必要なのであろう。

携帯業界の現在を暮らしながら、未来への予測や期待や方向性を是正しつつ暮らしている。ワールドカップにどのように立ち向かうのかというのは現在であり、その後に何をしていくのかというのは未来である。過去は、四半世紀あまりのソフトウェア技術者としての暮しであり最新の歴史は携帯業界に二年ほど浸かっている。

二年前に夢を描いた無線のブロードバンドというもののビジネスモデルは離陸するだろうか。似たような無線のB-ISDNは失速したままテープカットをしてしまった。華やかな過去に支えられた現在では、予め予定しておいた未来日記の台本通りに進めているようだ。一部で同じような台本に参画しているためにテレビ端末を購入して未来日記の番組同様に試用している。品川過ぎると切れてしまうテレビは頑固なソフトの産物だろうか。

自宅にまで光ファイバーを引こうと思うのは私自身はデータを発信したい側であるからかもしれない。皆が皆、上り回線のデータ帯域幅を要求はしていないはずだ。それでも10Mを引けば十分であろうか。レンタルサーバーを解約してPHPで動作するデータベーススクリプトマシンで遊んだりするのは次のステージに向けた充電を兼ねた趣味と勉強だったりもする。近所の家に無線LANで配信したりも出来そうだ。

インターネットで光フレッツを申し込むと、翌日には自宅にかかってきた先方からの受け付けたという音声メモを誤って紙に残す前に消してしまった。うろ覚えの受付番号と受信履歴から判明したフリーダイヤルで会社から翌日掛けなおしたのだが、申し込みのプロトコルは、申し込んだ地域でフリーダイヤルに電話をしなければならないシステムとなっていた。九時から5時に都内で仕事をしている私にとっては意味不明のプロトコルである。

光ファイバーで困ったりするのは、安直に導入された光リピータによる混乱したCDMAの置局だったりもするのだが、便利と思い導入した光リピータの同期は不純だった。衛星を活用する時代に入りつつ、近距離衛星による無線通信事業は苦難を迎えている。テロを契機に旅客機用の回線事業で息を吹き返すのかもしれないが。同期不純で苦労させられたのは置局設計を請け負ったはずの某米国メーカーによるものだ。そんな責任はどこふく風だが、システム理解の浅い人の行動には要注意だ。

現代の課題は、こうした仕組みをもう一つ立ち上げることでもある。キャリアパスを考える仲間から仕事はハンドオーバーされてきた。私にとっても新たな挑戦テーマだ。未来に向けた新チップの機能などの青写真が出来てきた。夜中に向こうではコンセプトレビューが行われる。膨大な資料はどんな形でレビューされるのだろうか。日本発の機能もいくつか盛り込まれて足跡も残せたようだ。

バベルの塔ではないかと思わせるほどのてんこ盛りの機能を見ていると果たして、来年の状況で国内のメーカーでこの上にアプリケーションを積み上げられるメーカーとその所要期間については異論も出てきそうである。ソフトウェアの継承を叫ばれて、硬直化してしまったお客さまも出てきた。そうした御客様から出てきた要求や要望は、どうみても理解できないバベルの塔の破綻を思わせるような内容だったりもしている。この御客様の要望を本社に伝えることは、この御客様への技術評価を下げてしまうことにもなりかねないが、致し方ない。

二年先に実用化に向けた新機軸のビジネスモデルとして御客様のスキルアップを図ることも一つのカリキュラムとして考えなければならないようだ。次代を見据えつつテーマと思い描くビジネスモデルがスパイラルに進んでいくようだ。スマートな通信方式をスマートに使いこなして便利で安価なスマートなシステム構築を色々な分野に果たしていけるようにしたいという私の夢に近づいてきたようだ。

この時代のこの業界に必要なのは、渡辺真知子のこの歌詞なのかもしれない。

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