三回忌、マルタの刺繍

父の三回忌があり、朝から駒込吉祥寺まで出かけた最近は、湘南新宿ラインが池袋まで直通なのできわめて便利である。休日の朝ということで平日にありがちなダイヤの乱れもなかった。大家族だった我が家も、親族として集う機会がヘって来た。積極的に訪問しないと途切れがちになってしまうのだろう。妹夫婦ふた組、昆虫取引で身を立てている兄、母、叔母そして我が家夫婦、法要を済ませ、卒塔婆を墓に立て父、祖母の墓に手向ける。大きな中華テーブルをお茶の水で囲み昼食にした。父の記念写真をDVDアルバムに起こしたという義弟の作品を流しつつの時間だった。今年の我が家の銀婚式に続き、妹夫婦も次々と来年から銀婚式が続くのである。姪たちの進路や学業の状況の話題、母、叔母姉妹の旅行の話などたわいもない話だが縁者の時間がゆったりと流れた。

お茶の水から腹ごなし、神保町、小川町と散策しつつ細君の散歩靴をニッピンで見つけた。しっかりとした作りでデザインも好みだということで即決まりとなった。通信販売でネット検索するよりも、こうしたものは散策で見つけるのが効率的である。また、そのうちにバーチャルで感触までも確認できるような時代になっていくのかも知れないのだが・・・。東京大地震で崩壊するという時代までは、少なくとも楽しみたいものである。大手町を抜けていくと、地下鉄工事と思しき道路工事をしている。ははんと思うのは、いわゆる泉岳寺から上野公園口まで結ぶ直線の地下ルートということらしい。成田新幹線計画の再開であるようだ。

東京駅を横断して、京橋経由で銀座に入り、シネスイッチ銀座で「マルタの刺繍」を鑑賞する。夢叶わず人生の落日の時期に花開かせようと努力する遅れてきた娘たちの話ともいえる。スイスの映画であり、カレンダーガールや、天使はこの森でバスを降りたなどを彷彿させるもので、お洒落なランジェリーショップを開店軌道に乗せるまでの挑戦が人生模様にはめられて事件と共に展開されていた。

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