業界独り言 VOL378 ゴールデンウィークから夏休み

タイトル登録したまま、いまや夏だ・・・。ゴールデンウィークをつぶして二週間ほど米国でお客様と缶詰だ。将来に禍根を残さぬための打ち合わせなのだが、過去の禍根が渦巻いている中でなかなか、その感性の慣性から抜け出せないような印象がある。リセットしたい、リフレッシュしたい、でもお金もかけられない・・・。今までの独自の世界から国際化の中での方向性と足並みをそろえようというトップ方針を体現していくことは大変なものであるのは間違いない。

ガラケーで世界を驚かせた、先進のスマフォ国家がなんだか標準化の流れの中でアーキテクチャを整理し始めるとなんだか覚束ない状況になっている。1Gのプロセッサを使ってサクサクなガラケーも出来るだろうし、楽しい新しい経験を提供する端末の提供も可能である。かつてクロック50MhzのRISCマシンのワークステーションに感動したりしたことも、1MIPSのVAXを占有した感激も最近ではどうも1Gのチップを使ってもなかなか味わえなくなってしまった。

1Mhz足らずの動作クロックだった8ビットマイコンで構成されていた自動車電話では、アナログの呼制御や、メモリーダイヤル程度のことしかできなかったし、自分たちで定義したハンドオフ制御を自社電子交換機の上で実現したりしたのは四半世紀前のことだった。いつの時代でも働く仲間は巻き舌のインド人技術者だったのはなぜだろうか。8kB足らずのメモリ空間にビットレベルでの情報を押しこんでようやっと実現したオリジナルの電話機は、システム仕様がいつまでも固まらず変更の嵐から逃げ出したソフト担当者の尻拭いだったりしたのも事実だし、その意味でも最先端の技術だったのだろう。

いま、メモリはある意味で潤沢であり「すみません、あと4MBほど空きませんでしょうか」とお客様からheap領域の圧縮要請が来たりするのはご愛敬だ。開発言語やシステム設計でのチューニングなど考慮のゆとりもないほどに肥大化してきた歴史は、CPUのクロックアップとメモリのコストダウンの双方が生み出した負の遺産なのかも知れない。メモリーリークを恐れるコーディングスタイルからの脱却でSmalltalkのStarの世界よろしくJavaに移行したのも、どこかでみた光景だ。

1Gの先に見えてくる世界は、マルチコアの世界であり、アプリ開発や既存のシステムの崩壊につながるのではと戦々恐々としている人たちもいるのだが、そうした技術先端に居続けたいと願う人達のビジネスがうまく回っているとは限らない。国内端末メーカーの淘汰は進み、10社ほどもあった携帯電話やPHSの開発メーカーも今では片手に余るほどになってしまった。委縮したというよりも墜落しようとしているという表現が正しいかもしれない。シーケンシャルなコーディングしか出来ない人たちの終焉がそこまで来ているともいえるのだろう。

二つのコアが動作するチップセットでは、従来のアイトロンとしたモデルで、がっちがっちなシーケンスロジックで物事を考えてきた人たちの遺構を世界遺産にでも指定して、新しい世界を構築するのには願ってもないチャンスだし、実際問題捨ててしまうべきだろう。これからクワッドなコアが登場したりしてくる時代なのである。そんな中で複数インスタンスが本当にリアルタイムで動作しても破たんしないようなロジックでのソフト設計が求められるのである。伸び盛りのロジックに足かせをするべきではないのである。

自らが決めてきたガラケーの枠組みを見直して、素直にプラットホームの標準に則った世界でお客様に新たな感動を提供することに注力をしてほしいのである。二週間のゴールデンウィークの第二ロットは梅雨の中で始まり四週間と言われたのだが、実際のところ準備不足となりお客様自身が再スケジュールをしてやはり二週間で終わることになった。計画倒れというべきか、アジャイルな対応をしているととらえるべきかはさまざまだ。ウォーターフォールモデルで開発スタイルの移行検討が出来るとも思えないし想定内の結果だったろう。

いままでのシステム設計の見直しを根本から図り、新たな枠組みの中でasisで構築しようという大英断は、

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