3D-Printer Fix Study Challenge (木更津高専生限定)

対象となるのは、組み込みの里で、導入してきた初代3DプリンターであるRepRapベースのRobo3D R1ですのでオープンソースで改造や活用が容易なものです。

第二の居場所として活躍予定でしたが、出戻ってまいりました。修理が必要な状況ですが、無償で必要な修理材料ならびに指導を提供します。修理期間中の里の利用料は無料でご利用いただけます。修理完了後のプリンターは無償提供いたします。

  • 募集期間 2018/12/29から2019/1/26
  • 募集対象 木更津高専の学生(個人でもチームでも)
  • 募集条件 参加者の方たちの修理活動についてはホームページで逐次公開させてもらいます。
  • 応募方法 電子メールで下記内容をお送りください。
    参加希望の方の名前、学科名、学年、メールアドレス、修理が終わったプリンタ―の活用方法について記載してください。
  • 選考結果は、1/28にメールでお知らせします。
  • 修理期間 2019/2/2から2019/3/24 (この期間は里の利用料はかかりません)
  • この期間を超える場合には、里の利用料を申し受けます。

Fusion360資料整いました

CNCエンドミル(QT100) や 3Dプリンターの造形データの作成に必要なツールとしてクラウドベースのFusion360の人気が高まっています。CUTシステムから出されている解説書のスーパーアドバンス編、CAM・切削加工編を図書に加えましたのでご活用ください。

3Dプリンターノズルクリーナ整備

組み込みの里では炭化するタイプのPLAをめったに使わないのと温度も低めにしているのでノズルが詰まることはなかったのだが、最近PVAフィラメントを使う際にABSと混在してDualヘッドマシンで使用しているとGcode生成において温度差を設定できない版だったことから問題となった。現在はMakerware3.xに上げることで解決をしたのだが、この際にヘッドを外して細いドリルで樹脂を取り去るのだが刃が細いこともあって扱いが難しかった、

 

Aliexpressでは、ノズルクリーナーとして写真のような、みたことのないタイプが出ていたので入手してみた。詰まった際にヘッドを温めておいて下からこのニードルを突き刺すのだろうか、炭化してしまった材料が中に残るのでそれはまずいのかもしれないが、万力で咥えておいてトーチで加熱して上からニードルを使うというのが正しいだろうか、ドリル刃よりは扱いが楽そうだ。次回困った時に活躍させたい。

ヘッドを加熱設定にしておいて、したからニードル(0.4)を使ってみました。

 

 

 

 

 

 

 

このニードルセットには、以下のサイズがついてきた

Robo3D Autolevel不良動作の理解

以前とても悩んだ、Robo3DのAutolevelingでの不具合動作があったのだが、原因が不明のまま解消していた。そして今回それが再発したのだった。

Robo3Dに搭載されているReprapの制御ファームウェアはMarlinなのだが、自動ゼロ点調整で9か所測定して補正をかけてということなのだが、計測する都度においてプレートまで下がらずに途中で打ち切ってしまい、前列から後列に向けてのプロットごとに徐々に高くなっていくような動作になってしまっていたのだった。

reprapでは構造上二つののZ軸モーターをパラレル運転して吐出口(x軸構造)のフレームを持ちあげるのだが、Robo3Dでは、このフレームを支えている部分(Z軸)に宙づりになっている検知センサーが双方ついていて、ノズルがテーブルに当たりそれ以下に下がらなくなった場合には、この宙づりセンサーが上からフレームに挟まれて検知するという構造になっている。

一般的なモデルでは、ノズルブロックにオートレベル測定時のみにセンサーを下げるメカを搭載していて検知するということになっているようだ。

さて、このRobo3Dの場合には、左右のZ軸のセンサーが同様に浮いているということが必要であって、そのことはマニュアルで両Z軸を回してノズルを左右に振った位置でそれぞれのZ軸が同程度にセンサーを最下部で押し付けるようにして、結果として同等に浮いている状態を作り出す必要があったのだった。これが中途半端になっていると上がる過程下がる過程であっても不用意にセンサーが検知することになりAutolevelingが失敗する原因となっていたのだった。

下の写真がセンサ(マイクロスイッチ)支えている部品が、X軸のフレーム部品から懸垂していて、さらに長めのナットの部分で上下に稼働するになっていて、ノズルとプレートが当たった場合にはフレームが止まり、センサーだけが下がることでセンスする。

次の動画を見てもらえれば、通常の動作はわかるかと思います。

DSC_0463 DSC_0464

スムーズに左右のセンサーが下りるようにするには、確実に懸垂されている状態にしないといけないわけですね。左右のバランスがずれていると懸垂が浅いほうが上下動の途中で検知してしまうことになります。

 

Robo3D 動作停止現象の対策

3Dプリンターが三台体制になり、Robo3Dについても軽量Extruderドライバに入れ替えて大型出力を高速に出せるようにと改修してきたのだが、突然停止するという現象が起きていた。

現象からみるとヒートベッドを110度といった高温に上げる際に、起きているように見えていてセンサー側の固定不良(落下)などについては前回マフラーなどに使う高温パテを使ってセンサーを背面に固定するように変更していたので、その問題ではないことが判明。

次に思いつくのはヒーターを駆動しているFETの故障だが、主にこのヒーター制御を行うFET(P55NF06)の放熱不足が原因で、これが劣化していて故障しかかっているのではないかと思われ、RAMPSカードのヒートベッド用のFETを外してトランジスタアナライザーにかけて特性確認をしたところカーブトレーサーの結果からはFETとしてゲート電圧で制御しきれていない状況が確認できた。

p55nf06l

bad

 

予想通りの特性

 

 

good予備品は、少し電流が多く制御できるL品だったが、これがゲートで制御されているという形ですね。

一応放熱器を手配しておき早期に取り付けるようにしたうえで、このFETを交換することで解決をみた。

[出力不良対策]新型Extruderに切り替えてからの顛末

imageRobo3Dプリンターの出力環境改善で導入した軽量パンケーキモーターを搭載するExtruderユニットを装着して安定化するという報告をしてから、発生していたことについて書き記します。

sense2 埋め込み型温度センサーにも変えてセンサーのストレス対策なども講じましたが、配線系統の断線をしらせるエラーが生じたことから、インタフェース基板からのセンサー配線系統を一式やり直すことにしました。

 

 

また、センサーとの接続部のコネクターには、安定化の目的から配線中継用のSMシリーズコネクタを採用し、三年前の購入以来のセンサー交換などで積み重ねられた延長や途中交換を経たセンサー配線を一気通貫でやりなおしました。

 

dsc_0638ですが、まだ残る問題がExtruderのフィード不良が起きていました。動作をみるとドライバーの駆動力不足でモーターが脱調していました。

安定にフィラメントが駆動されないことの確認は、出力の表面がざらついていることからもわかります。注意深く現象を監視しているとExtruderのドライブギアが空回りして振動しているのが確認できました。

 

 

 

dsc_0639ドライバーユニットの駆動電流不足だったようで、設定値を調整して安定に出力動作が進むようになりました。

先日からの大雨で床下部分の換気口から浸水が発生したので、そうした不測の事態をさける目的で遮水カバーを作成しています。

埋め込み温度センサーが届いた

imageこれが決定版といえる3Dプリンター用の温度センサーが届いた。

 

 

 

 

 

 

sense3従来品での一般的なセンサーは、ホットエンド(Volcano)の穴に差し込みビスで固定するというものでホットエンドとの間は接触で成り立っていました。ビス止めでは着実なテンションがかかっていたとは言えませんでしたね。

 

 

sense2従来のネジの中にセンサーが封止されていますので、接触は安定に維持されます。

 

 

 

 

imageimage実装状態はこんな様子です。

 

 

 

 

 

どんな効果があったのかと問われると、エクストルーダーの温度センサー異常の発生が無くなったように見えます。現在使用しているFirmwareはMarlineというファームウェアですが、無記名の”Err:”が発生することがありました。ソースから見ていくと印刷中にExtruderの温度測定が急低下した事実が起きた際に用いるメッセージだったようです。

Volcano自体は熱容量の高い高速出力が可能なホットエンドなので物理的に急激な温度低下が起きることはないので、センサーの接触不良が想定される項目となります。熱結合を安定させるために何か含浸させて止めるということも従来品でも行うことで回避できるかと思われます。

Robo3Dプリンターの更新はFirmwareの修正に及んだ

image何が起きていたのか、写真を見ていただくとわかる人は凄い。これは、組み込みの里でアレンジしているプリント基板用のバイス(卓上万力)の主要部品である左右でネジの異なるネジである。これにより中心に向かって万力の嘴が移動することになるのだが、上下をカットしているのは確かに設計通りなのだが、底面が設計以上にカットされているのだ

 

image

従来品の右側の黒いパーツ(嘴も結合しているのでちょっと位置が違いますが・・・)と比較すると上下の整形が異なっているのが見て取れます。

 

 

 

 

imageRobo3Dのフォーラムの仲間と意見交換をして、現象からみてZ-offsetの処理が正しくハンドリングされていないようだというのが現象面からの推察。

 

 

実は、Robo3Dが使っているFirmwareはMarlinというメジャーなreprapプロジェクトのオープンソースなプリンター制御Firmwareなのですが、AutoLevel処理については、とてもユニークなのです。オートレベリングとは、3Dプリンターのヘッドと出力されるヒートベッドを基点とするゼロ設定を自動的に行い、プリントギャップを正しく確保するものです。この調整はマニュアルでやるととてもクリティカルなもので、ヘッドとプレートの間を0.1mm程度になるように基準の紙や隙間ゲージなどを使って出し入れした際の引っかかり具合で判定して、プレートの水平も含めて何点かで調整するというものなんです。

そんなオートレベリングにはz-probeというセンサーを取り付けて自動調整の段階では、ヘッドよりも下になる位置にこのセンサーを下げてプローブがプレートに当たるまで下げていきます。当たりが検知されたときの位置をfirmwareでは記録しておき、メカ的なセンサープローブとヘッドの相対距離を引くことで、正しいZ軸のレベルを測ることが出来るわけです。この相対距離をz-offsetと呼んでいるのですが、通常の構成では、この値は正の値となりますが、Robo3Dではマイナスとなるのです。

なぜマイナスになるかというと、Robo3DのレベルセンサーはX軸のフレームを支えているZ軸上の移動台座との間にセンサーが付いていて、実際にX軸を下げ過ぎてさらにいくと、このセンサースイッチが開放されて衝突をしるという逆転の方法で検知しているからです。実際には、開放された後に、Z軸を上げていくことで短絡するまでのZ軸の移動距離がz-offsetとなります。そのため、扱う値は負の値となります。

こうした特性から、ソフトウェアの設定メニューなどにおいてマイナスになる要素が、この一点しかないといったことからRobo3D用のFirmwareは独自のパッチをして提供していたようです。液晶制御コンソールからはz-offsetの登録編集メニューがあるのですが、こちらではマイナス範囲に対応しないといった問題もあり、メインライン化されていないコードを使っての制御は難しく、通常と同様なセンサーメカを搭載して利用しているメンバーも多いようです。

ざくっとFirmwareのコードを見直して、マイナスの取り扱いが出来るように修正したところ、正しく期待通りに動くようになりました。

imageメニューからもZ offsetをマイナスに設定できます。image印刷結果も確認出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

Robo3Dプリンターの更新その後

imageさて安定動作にこぎつけたかに見えたRobo3Dだが、出力にともない今回手を付けていないヒートベッド側に問題があるとのレポートで印刷が中断する事案が発生した。まさに根本を揺るがす事態だ。ABS出力で必須なヒートベッドであり、すでにホウケイ酸ガラスという耐熱で膨張率の低い専用のヒートベッドに更新してあり、試作品の雰囲気のあったReprapでおなじみのヒートベッドをベニヤ板のステージに浮かせていた雰囲気ではないのだが・・・。問題点としては、センサーワイヤーの断線またはコネクター接触不良、センサー自体の故障ということになる。

 

しばらく動作をさせてみて時折再発するのでシールド側(RAMPS)のコネクター(QI)も確認してみるも問題はなさそうで、ヒートベッドからのワイヤリング(太目のリボンケーブル)とセンサーを疑い、切り分けの意味でリボンケーブルは根元で延長可能な分だけを残してカットしてセンサー系統の配線についてみると100kオームのサーミスターを接続するラインではあるが20-40Ω程度の値をしめしていて可撓性の確認をしていくと断線しかかりもあるように見受けられた。ヒートベッド更新してからは2年ほどなのだがセンサーも交換してみることにした。

imageヒートベッドの下には、ヒーターが張られていて、そこにセンサーが取り付けられていて、全体に粘着コルクシートで断熱されてアルミテープで押さえられているという形だった。先日シンクのすきまテープを張り替えていたので在庫のあったアルミテープを適用したが、ヒーター直下の状況では高温で糊が聞かなくなりはがれるという事態がさらに起きた。

 

image粘着度の高い基板加工機で利用する両面テープで隅を抑える形ではがれを抑制して、給電する配線系統には26芯のリボンケーブルを用いて、ヒーター系統には10芯ずつを二つ使い、センサー系統には3芯ずつを二つ使いそれぞれを根元ではんだ付けして熱収縮チューブで処理をした。

 

 

 

 

image銅製粘着シールもあるのだが、コスト的にここで使うべきではないと判断して一部のみである。

 

 

 

 

 

 

imageケーブルはヒートベッドのテーブルベッドの端にタイラップで止めて可動部分の下側での問題が起きないようにしている。残りはヒートカバーの中でとぐろを巻いている。

 

 

 

 

 

image結果としてサンプルを出してみたところ安定動作しているようだ。気になっていたフィラメントの供給系統も中華製ABSで十分スムーズに供給出来ているようで、エクストルーダーから煙突のように突き出たPTFEチューブがくせのついた内心部のフィラメントでも使い切るときにちょうどうまくハンドルできるようだ。