VOL51 魔法使いを探して 発行2000/10/24

QUAD社にジョイントして三度目のソフトウェアトレーニングセミナーを迎えた。新チップが出る都度、その対応ソフトウェアのリリースや更新などで催している。初芝通信も参加していただくようになり、私の転職の目的も少しずつ達成しつつある。

世の中には、色々な魔法使いとも思える能力を発揮するひとはいるもので、語学能力などは生まれもってのものかもしれないのだが先日チャイニーズアメリカンの入社志望の方の面接をしたが、見事な日本語の会話能力ならびに読解力で驚いた。まだ大学卒業後二年足らずの日本生活での習得である。

魔法のような一面を見せてもらうと、ほかの部分が多少見誤ってしまうところは否めない。考えてみれば大学卒業で直ぐに携帯メーカーに就職して二年足らずの若者の技術者としてのスキルや直ぐに転職するほどの技量なのか、心情は・・・とかんぐってもいたし方はない。

泥臭い日本の会社の組織に浸かって十年以上も技術者を続けている方には、うまく仕事をこなすタイプの人と技術者魂を発揮して開発に没頭するタイプのかたや、後輩の育成に余念のない人などがいるだろう。無論、日々の暮らしに疲れきって考えることもままならない方も居るかもしれない。

そうした、方々の中からキラッと輝く部分を見つけて私たちとしては前述の魔法使いのように思っている人は会社からみるとうまく評価されていない人であったりもする。しかしそうした人に限って仕事への思い入れなどもあってチャンスに踏み切れない人であったりもする。その人の人生において技術者として社会に貢献したいという思いを大切にしたいのであれば会社に殉じることは昨今の会社は求めていないはずだ。

温故知新ではないが、最近の着メロを聴いているとカラオケペンというコンセプト商品を提案したことを思い出す。一行表示の液晶表示ではあったが、キー制御などもついたいちおうのカラオケが出来るものであった。あれから十年とは言わないまでもかなりの年月が流れて今ではPCM音源までもシミュレーションする携帯電話の開発に従事したりもしている。不思議なめぐり合わせである。

今はひそかに楽しみにしているのは実はBTRONの携帯への移植である。中国への展開などを含めて考えていくと実はこれしかないのでは、いろいろな理由で思いを強くしている。スーパー301条に抵触するという理由でビルゲイツというアメリカの傘を利用した不幸な事件を、今逆にQUAD社の立場で見て活用していけるかもしれないというのは何とも痛快な話ではないか。

BTRONに合わせてJavaを動かしたりするのには、まずアイコンを湯のみから魔法のランプに切り替えなければならないのだろうか。今まで思うだけで実現できなかったことを出来る立場にいるのならば積極的に取り組んでみれば瓢箪から駒ということもありうるわけで、積極的な技術者生活をエンジョイしている昨今である。同士を求めているのだがラブコールはなかなか片思いで終わってしまうものである。

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