VOL74 トップの走り方 発行2001/1/30

トップを走る会社は幾つもあるのだが、トップであればあるだけに要求されることも多いし、自ら不満に思う点も多いものである。NHKの深夜番組であるトップランナーという番組などは新進気鋭の若者などが取り上げられて衒いも無い彼らのトップ振りには羨むことがおおい。実力を高めるための路上ライブをしたひともいれば、日本代表のレフティもいた。みな努力を欠かさぬ人たちばかりだ。

トップであるには、取り組むべき課題も多いのだ。トップを行くメーカーは追い落とされることを厭うし、後塵を拝するメーカーはそれを実現すべく奔走して競争となるのである。安住せずにアグレッシッブな取り組みをしていなければ、トップからは落ちるだろうし、トップに上がっていくことも可能であろう。保守的な見方をし始めると先は暗くなる。

誰もが組み込みなどに高級言語を使わないと思っているころに組み込みでC言語を実用化したメーカーがある。このメーカーでは自社でコンパイラの開発をした。自社技術の一環としての必要な取り組みということだった。組み込み現場の評価を持ちつつのコンパイラの性能は高く評価された。自社チップでもないマイコンのコンパイラを開発した背景には、自社ソフトウェア技術をトップメーカーとしてのノウハウ結集としたいということもあったからもしれない。

組み込みでRTOSは必要なものである。ソフトウェアの制御構造を考えつつRTOSを自分達の為に開発したりすることもトップメーカーとしては必要なことだ。こうした思いなしで買い入れのRTOSだけで開発をしているとシステム設計能力が低下してしまうだろう。昔検討しているときには夢想だと笑われたような複合OSの稼動技術などもJavaなどの実装で必要な技術でもあり理解しあえる話でもある。こうした技術者との会話などを通じてこうした技術の根幹に差異は無いことを改めて知りうるのでもある。

FULL-ICEなしではソフトウェア開発が出来ないという誤った定説に立ち向かった企業もある。FULL-ICEに対抗する技術の一つはROMエミュレーションであった。開発した米国メーカーすらもその利用には舌を巻いていた。巧の領域を脅かしていたのである。国内のICEメーカーは、そのインパクトを恐れて強い要望にもかかわらず開発にはこぎつけなかった。開発すると複数種のICEが売れなくなるからだとも聞いた。同時期にベンチャーと出会い共感したおりに彼らにもROM_ICEの効能をといた。彼らはROM_ICEを事業として立ち上げ今は、その技術を如何なく発揮してJTAG技術にも早くから啓蒙するようになっていた。昔、こうした技術を理解していた企業も今では振り回されている。

出る杭を野放図にするか、伸ばしていればよいのだうが・・・。大きなメーカーでは足を引っ張るものもいるから困ったものだ。優秀な芽を摘まずに会社としての進展に寄与させていけばと思うのだが人間の弱さが出てしまうのかもしれない。規格外の技術や人材が出てきたときの収容ができれば良いのだがこれは難しいのだろうか。

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