団塊世代のライブ

こんな書き方をしたら失礼かもしれないが、三十数年聴き続けてきた西島三重子さんのライブに初めて出かけてきた。今まですべてのLPを購入したりしてきたファンではあったのだがコンサートに足を向けたことはなかったのだ。のんだくれをはじめとする楽曲すべてを書いている歌謡曲調のシンガーソングライターの走りであろうと思う。失礼ながら私よりも四つほど年上でもあらせられる。近くで素顔を拝見するのは初めてで、印象はぽっちゃりとされたせいで、上沼恵美子さんのような風貌に近くなったようとも思う反面、歌いはじめると往年のLPジャケットでの印象に戻るのである。不思議なものである。聴衆はといえば、私をはじめとする50代以上のメンバー構成なのだろうと感じる。二部構成となっていて第一部は往年のフォーク歌謡を中心として、第二部は彼女の作品という構成で、皆さんドリンク・フードを楽しみながらラクジュアリーなライブとなっていた。

田舎暮らしを堪能されているという西島さんは、御殿場に住まわれていて、野鳥の餌付けを七年かけて成功したという、また写真にも傾倒されているようで、コンサートでは作品を用いたカレンダーをプレゼントとして楽曲のリクエストをいただいた観衆に配布して交流を図られていた。若い世代に囲まれて仕事をしているせいが自分自身の同年代の方たちが主体のライブに参加すると自分の年代を再認識もさせられるものである。ある意味でよい年を重ねたという印象の人もいれば、皆さんの人生の歴史が印象に刻まれているようだ。参加したのは急な展開での土曜の夜であり、翌日は朝から、電話会議の後、米国出張というあわただしいものだったのが、すごくゆったりとした充実した時間をすごさせてもらうことができた。

西島三重子さんといっても、名前を存じ上げない方もいるだろうが、「池上線」という歌ならばご存知のことだろう。映画のテーマソングなども書かれているし、とても素敵な方である。楽曲提供に腐心していた時期もあるし、最近ではラジオ番組でパーソナリティを務めたり、活発な活動をされている。シャンソン歌手などと報道されたりすることもあるようだが、それは平野レミさんと同列にするようなものかも知れない。多才な方なのである。こうしたミュージシャンの方たちの活動を支える収益源はなんといってもレコードの売り上げだろうし、こうしたミニライブなどはファンサービスの一環とCM活動であり採算からいえば投資の部類なのだと思う。まあ彼女のファンの多くが、悠々自適な生活をしている世代とも言えるので今までのレコードもCD化などをしていただければ是非買い求めていきたいものである。

初めて利用した南青山マンダラのライブハウスとしてのインフラは、快適でありこうした限られたメンバーで入りきるものにはごく適していると思われる。私自身は、101番という整理番号で、ほぼチケット最終だったようである。会場に着く前に、会社にクリスマスの菓子を届けようと思い立ったので少し遅れはしたものの、自分の整理番号が呼び出されるのはだいぶ先だったので十分に間に合った。ドリンクはジンジャーエールを選択して適当な座席を探したが一人ということでもありあいている席をゲットできた。誰かと一緒に来るのであればぴあの会員にでもなって早い時期にチケットを購入すべきだったろう。あらかじめ情報で聞いておいたフードのお勧めはナッツだったりサンドイッチだったりしたのだが、気になる曼陀羅弁当というのを選択した。エビフライが二つとホタテフライと鴨が乗っていたボリュームあるお弁当だった。

ちなみに次回のライブは春分の日の前日とのことである。

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