NC加工をしてみる(5) oriminで角穴を

タイトルと離れているのは承知の上だが、作った基板の部品実装強度に問題が出てきたようだ。課題はテンションのかかるDCJACKとUSBコネクターでどちらも給電用に用いたものなのだがスルーホールでなくて、フィットした角穴でもない大きな径を合わせただけのランドへのはんだ付けがピンポイントになるのは自明の理でさすがに強度不足だわ。

対応策として現在のツールチェーンでの折り合いを図ることにした。

CAD自体は、試作目的ではPCBEを用いているのだが外形に限っては角穴が出来そうなので、大きな角ランドに角穴をあけるという方向性でパラメータを振ってみてツールとして穴加工に合意する点を探した。

この基板では、切り欠きやインシュロックを通すための角穴は付けていた。そこで分かったことは、Oriminでは外形線として角穴は許容するものの斜め線や多角形は許容しないらしい。縁に出来るだけ近くに寄せた角穴を最後に切り落とすという作戦にした。

角穴ということの定義は描画時点で穴になっていないといけないらしく少なくも0.2mm以上の間隙が出来るようにしないと切削線が重なっている状況では許してくれない。また、そうした際に外形加工の刃物径とも関連してきていて今回の調査では刃物として外形0.5mmのオリジナルマインド社謹製の土佐昌典FTを利用して所謂一本使いで粗く仕上げる作戦なのだが、加工パラメータにはあえて嘘を入れて0.1mmの刃物ということにした。こうすることでこのツールパスを許容してくれたのだ。Oriminでは加工判定後ツールパスを描画してくれるので、こうした設定がうまく使えるのかどうか予め確認できる。

NC加工をしてみる(4)

今回のお題は、市販の防水樹脂筐体に収めるある程度数を作ることを想定したモノづくりのお手伝いだ。里の加工で出来ることはしれているのだが、そこはベンチャー会社の人たちにしてみたら他に頼むことよりも出来るだけ作れるものなら最初にどこまで作れるのかは知りたいということらしい。

基板手配は、当初の課題だったが、サイズの問題などからEAGLEからKiCADに移行して新しい機能などを覚えて試作品としてOriminを用いたUSBCNCで削り出して試作評価というフェーズが簡単に崩れてしまった。良くも悪くも今までの使い方がCADというよりもアートワークを手で引いているようなPCBEだったりしていたことから制限を外して挑戦しようということでもあったのだが、試作用もう少し融通の利く環境構築も必要のようだ。

基板がとりあえず、KiCADのアートワーク状況を手コピーしてPCBEのスクリーンにプロットしていくのだがPCBEの柔軟な運用としてプロットポイントを自在に原点調整やピッチ変更が出来るのが幸いしてほどなく出来るのだが、あいにくと強度が必要なUSBコネクタやDCジャックの類の角穴などは折角モデルを使ったのが仇となっていたので丸で近似するしかなかった、作図は簡単だがはんだ付けの苦労はありそうだ。

これやArduinoの基板をスペーサーで保持するのだが、その設置用の穴開けが課題になりそうだということは先週のトライアルで分かった。穴あけ位置を指示する樹脂製のテンプレートを作成してそれ越しに穴あけをすることにした。これを作るのは今回は3Dプリンターで少し垂直のガイド性もつくようにした。

結局Arduino以外も含めて全体のテンプレートが丁度3Dプリンターで作れそうなので穴のサイズごとに色指示のシールを貼って効率が上がるようにしてみた。
Arduino UNOには使えないコーナーピンが一か所あり、設計上は3mmのビスを使うことになっているのだが実際にあたってしまいネジ締めが出来なかったりもしているので、ここは2.6mmのネジを一か所だけ使うようにした。そんなこともあったれして実はバタバタとしたNCデータの流用だった。転写する段階で読み間違えたりしてサイズ位置が合わなかったこともあったので、もう少しレビューを落ち着いてしたほうが良さそうだった。問題のUNOのマウントには樹脂製のスペーサーを使わないと背面のパターンも当たってショートしそうな感じもしたので手持ちのジュラコンのパーツを見つけ出してくみ上げてみた。

明日、全体試験をしてもらって来週はいよいよ顧客先で稼働評価試験となるらしい。

NC加工をしてみる(3)

あまりこだわったことがない、基板加工にも今回は、取り付け位置の制限などから外形加工をする必要があったのだが、使ったP板CADはKiCADにしたところ、基板加工機CIP100に付属してきたOriminでは対応できないことが分かり、急遽今まで使っていたPCBEで加工データの位置を取り込んで穴加工とその配線を通すという形になった。昔でいうところのアートワークを引いている感じだ。

作りたい基板サイズは45×105ほどなのでCIP100(Max 160×100)としては二枚取りが出来そうなあんばいなので外枠の一部は今回基板の縁に添わせる形で刃物の摩耗も防ぐことにした。取り付ける部品を押える目的のインシュロックを通す必要もあって角穴データは溝切の一環で外形データと通すことが出来たのだが、基板自体は四角にしかすることが出来ず一部を切り込んだ形にはできないことが判明した。対策は簡単に切り落とせそうな角穴をその位置近くに置くという代替案だ。KiCADで通らなかったデータにはDCジャックのランドパターンもあったようだが、これは少し大きめのパッドで逃げることにした。

本番の基板とパターンと部品配置だけを似せた状態でのデバッグということになる。試作動作完了となれば、基板発注という展開になる。