VOL104 それは突然やってきた 発行2001/5/22

携帯電話の回収騒動が再発した。さあ大変だ・・・。株が下がり、暇になるのか。昨今の携帯業界でのメーカー同士の再編までも勃発していて実際の開発件数の是正が始まっているのだろうか。単にオーバーフローしている分が出来ないので受けられなくなったのだと見るべきだろうか。携帯の過熱した状況で撤退するという文字が新聞に、掲載される時代なのである。

技術者の手が集まらない、しかし開発は山盛りである。そして完成度が高まらない中で出荷せざるを得ない。端末の回収などを進めていくと短期的な資金の問題や長期的な仕組みの改善など多くの問題が浮き彫りにされてくる。メーカーの技術者の心中は心穏やかでないだろう。幸いFOMAは延期されたが・・・。

回収騒動として日経が特集を組んで問題提起は為されている。開発プロセスの改善に向けてビジネスをしっかり立ち上げている会社や、それを用いて自社の改善に取組みはじめている会社などもここ数年増えはじめているようだ。しかし聖域を設けて、実際の儲け頭である携帯開発事業には適用してこなかった経緯もある。

最近の携帯機器のように流行り廃りで出荷したらもう終わり、開発環境も多年のソース管理しなくて良いとまではいかないまでもシステム系でのソース管理の様に十年以上も行っていく姿とは異なる開発の流れにあるのは確かだ。そんな流れの中で目まぐるしく増えていく機能の盛込みに終われているのは事実なのだろう。

こうした中で数年前の機種の回収を決断したキャリアとメーカーとがある。これはちょっと違う状況のようだ。携帯電話の標準化団体を作り、規格を整備して開発を進めてきたのだが上方互換性として考慮されたシステムと実際に過去にインプリメントされた製品との間に問題を引き起こしたのが今回の品川の会社の事例である。キャリアがインフラのシステム改版を進めていく上で発覚したのである。

これからは、新サービスへの移行がこうした不適格機器の故障に繋がるのだ。アプリケーション同士の互換性という話であれば、ライブラリの互換性などでいやというほど泣いているのが国際化の中で作りつづけているLINUXベンダーなどがある。文字コードの乱立などが主因ともいえるし他方でオープンソースで、吸収しつつの改版・開発という流れでライブラリの整備や差し替えも利用者に委ねられる状況だ。

携帯でのそれは、標準アプリケーションとしての「電話をかける」「電話を受ける」という機能が基地局と端末との組み合わせで運用しているものであり、最近では追加されてきたインターネットサービスなどは、その上でサーバーやゲートウェイといった機器との組み合わせで実現している。機能が増え、コンテンツが増え、規格の解釈が異なる機器やサービスが登場してきているのだ。そうして、今回は、インフラ側の改版なのである。しかし、携帯電話の改版は困難だ。

組込という世界の携帯に機能増強のみをコストバランスの範疇で製品化可能なレベルのコストに抑えて実現している現状の製品群では予備のソフトウェアをダウンロードする余地もない。モジュール化の進んだOS9のような形であれば一部のライブラリのみの差し替えなども可能であるが、日本人の好きな組込では正しいもので構築するというitronの志を良しとしているのである。

こうしたスタティックな組込の世界にもJAVAが持ち込まれてダイナミックロードといった機能を駆使した世界となってきた。iTRONの世界での苦手な範疇も、CTRONなどの交換機サービスで鍛えられたスペックにまで向上させる必要があるのだろうか。いくつかの流れの中で端末機能以外の部分はJAVAやBREWといった形で機能をダウンロードしようという方向にはある。

しかし、それを支えるプラットホームの信頼性やセキュリティに問題を起こしているのが最近の回収騒動でもある。英単語の基本用語レベルでのスペルミスを続けて起こしたのだが、実際にこうした機能を試験あるいはレビューが出来ていないのではないかとさえ思う。月の呼び方スペルを間違えてしまう実情を見ていると、中学レベルの英語なのに何故できないのかと思うのだ。

ビジネスモデルを支えているコンテンツの利用による利用費用などを収入源としてみていくスタイルの中で回収騒動などによるロス費用は図書券などの配布費用のみでも数億円という費用に達しているのだ。中々赤字から脱却しない中での、合従連衡策として北欧メーカーとのジョイントを決めた品川の会社も大変な渦中にいるようだ。

こう考えてくると無理にメーカーとしてハードおプラットホームの物作りをせずにアプリケーションの開発のみに注力して差別化していくという姿に向かう会社を「撤退」という二文字だけで説明するのは不似合いな気もしてくる。しかし、いままでのOEMという言葉では説明できない部分があるようだ。現在のPCでのマザーボードやBIOSについて人々が関心が無いままに外側の箱やデザインで購入している姿に向かっているかのようだ。

そうであれば、技術者として追求したい人たちの仕事が、ある意味で淘汰されて不遇な仕事が減ってくるという見方も出来るし、実力の無い人たちにとっては、安住の地を求めての就職の破綻でもある。自己表現を求めての実力を持つあるいは気概をもつ人たちのとっての求職であれば、展開する場面を変えていくことが一つの答えでもあろう。

これは、よい契機なのかも知れない。人事担当が新しく変わったことも手伝い、急遽、来月の技術者向け就職情報誌に案内と求人広告を打つ事になったのだが、この事前アンケートに記入する中で、新人事担当に説明で送った転職顛末が、何と間違って就職情報誌の編集者に回ってしまった。人事担当者は、アンケートの回答だと思ったらしかった。結果オーライだったかも知れないのだが・・・。

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