業界独り言 VOL323 五年越しの恋、二年越しのラブコール

片思いの恋は、なかなか成就にまでは至らないということなのだろう。まあ、恋する候補者に熱いメッセージを投げても、実際に一緒にできるようになるには互いのハードルがある。とまあ色恋沙汰ではなく技術者に対しての誘いかけの話であるのだが、実際の恋愛と似たような状況が発生するのである。具体的には、日本人技術者のメンタリティーや、それをベースに社員教育としてインプリントされた宗教政策などが功を奏しているようなのである。自分の自信のなさや、それをベースにすることの展開としての語学力あるいはコミュニケーション力の阻害といったものが多くに見られる。相思相愛といった状況であると、 そういうハードルが解消されるのはどちらも同じであるのだが・・・。

東洋医学研究所の研究員である、T君も前の会社での同僚k君と一緒に仕事をしてきた経験から、転職した後でも「k君みたいなエンジニアが活躍できる場所なのになぁと」残念がっていたのである。日本の会社の多くは、人事の優秀な人材選択力に任せて学生を採用していくことと、共に宗教的な縛りを入れてインプリントした状態で奉職させるというサイクルを実現している。そうした状況の中で人材の活用が的確に成されているのかという事には留意点が置かれていないのは、多くの人達の意識が縛りの中で暮らしているからでもある。無論、会社の精神制御を潜り抜けた上で仕事をしている達観した人もいるだろうし、若くして気づいて縛りから抜け出している人もいる。

欧米の会社ゆえに、若い新人の技術者から養成していくという考え方よりは、大学で学んできたということに対して要求されるレベルが実務としての能力を既に問われるような形になっている点が日本の事情とは合わないように思える。携帯バブルに入る前を思い返せば、会社での仕事が大学の研究室のような形で運営できるような余裕のある時代だったような気もするのだが、現在ではそうした状況ではなくなってしまったのかもしれない。私自身が過ごしてきた前職での風景で見かけたそうしたものが、ある意味で良き風土構築にまい進していた技術トップの所産であることを知ったのは後のことだった。トップが替わればなくなってしまうのは残念なことでもある。

研究員だったT君が、転職する中で、自分自身を模索す流れが落ち着いてきたころから、後輩であるK君にラブコールをしてきたのはベンチャーゆえの即戦力を求める方針からでもあったのだが、彼自身がなかなか踏み切れなかったのと同様なサイクルにK君が陥るのは容易に想像してきたことでもあり、この片思いが成就するのかどうかにはT君自身の思い描く未来や仕事への情熱が、K君などの意識の縛りを解凍できるのかどうかにかかってもいたのである。そんな恋が成就したのは、今年の春であり、五年越しの恋の成就ともいえる。よい仲間を迎えて、より強固な組織としてよい仕事をしていくというサイクルを回すのは、なにか宗教法人に似ているのかもしれない。

以前の会社での、そうした教育に嫌気を覚えながらも同様なサイクルをまわしているような気がするのは、結局当事者となっている状況では、自分自身をどれほど冷静に見ることが出来るのかどうかという点があるのかどうかということにかかっている。自己の意識としては、信じて疑わない状況の中で仕事にまい進していくということに違いはないのかも知れない。違いがあるとすれば、無私の状態ではなく、個人があった上でのエンジニアライフであるということだろう。今年は、すでに多くの採用の実績を残すことが出来たのは、継続は力なりのBlog活動や出会いを通じての情宣活動の成果だと考えている。今日も、二年越しのラブコールをしてきた女性エンジニアのSさんを迎えることになった。

ソフトハウスという枠組みで経験をつんできたSさんを社内のメンバーに紹介していくツアーをしていくと不思議なことに、彼女を知るメンバーのテスト担当君がいたりするのだ。通信メーカー・派遣・キャリア系と経験を積んできた中で出会ったことが仲間がQuad社で再開するということになったらしい。赤坂のビルで始めた頃を思い返せば隔世の感があるが、そうした黎明期をくぐってきたT君が、かつての同僚のK君といっしょに仕事をするようになった今年の状況を見ていると、より実践的・実質的なサポートを出来るようになっていく進化の過程を思い出させてくれる。まだ私にも、五年越しのラブコールをしている候補者の方もいる。時代の流れでようやくシニアなスキルセットのエンジニアが活躍できる場所が構築できるかも知れない。

覚醒したエンジニアであれば、年齢の枠はないのだと確信している。自分自身が始めたころを思い出せば、43だったのだし・・・。しかし、それも随分はるか昔のことのようにも思えるのである。当時のQuad社の中核だったビルディングも今年の末には御用済みで新しい新居のビルに拡張のために皆が移転したりするのも残念なようであり、こちらも拡張の流れを実感することだったりもする。いろいろなビルに行っても知己がいて声をかけてくれるし、最初の上司などは忙しい間をぬって真剣に情報交換の挨拶チャットをしてくれる。互いに真剣な気持ちで最新情報を交換するのであり、彼女と最初に交わしたサンディエゴでの最終面接を思い出しながら符号する部分などを思い出したりしつつの会話となる。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です