サンディエゴ通信 VOL12 ラホーヤの空と風に一番近い場所

発行2002/10/13

前回にひき続き、東医研が担当させていただきます。

小窓氏の独り言にも紹介されいた、ラホーヤ岬の一番高い場所についてのお話です。休日に家に閉じこもっているのが性に合わない私は、Palomar Mountainに行った日の夜、翌日の日曜にも、どこかへ行こうと考え始めていた。小窓氏や Micky を二日続けて引きずりまわすのは申し訳ないので、一人で出かけることにし床についた。さすがに、前日の疲れが出たのか、目が覚めると10時になろうかという時間で、ホテルの朝食も終っていた。まあ、米国出張でおなじみの連日の飽食に疲れた胃を休めるにも丁度いいと思い、朝食抜きで出かけることにした。そういえば、「リゾート地」としてのラホーヤを楽しんだ経験が無いことに気づき、近場の海岸沿いをドライブと決めた。

海岸沿いまでの道は簡単で、造作なく着けたのだが、日曜日の10時過ぎという事もあり、車を止める場所を見つけることが出来なかった。路肩の駐車スペースはことごとく埋まっており、空いているところは “20min parking” だったり車椅子マークだったりする。そうこうして、うろうろしているうちに、ブティック等が建ち並ぶ中心街から離れてしまい、自分の居場所がわからなくなってしまった。もう、Uターンをしようにも、元に戻れる自信がない。こういう時は、高いところに限る。坂を登る方向に向かって、車を進めていった。だんだんと、登っていくうちに、道の両側が豪邸だらけになっていき、TV等で見る、ビバリーヒルズさながらの風景である。ただ、両側の豪邸のお陰で、自分の居場所を確認するという本来の目的が達成できない。もっと、上がっていくしかない。話は、ちょっとそれるのだが、東医研は前職の際、長距離通勤の暇をつぶす為に、SFをよく読んでいた(ハヤカワや、創元文庫はお友達だった)。その中でも、ラホーヤという地名が何度か出てくることがあり、必ず、成功した人や、リタイヤした人達が住む、風光明媚な場所で、カリフォルニアに住む人たちの憧れの地の一つとして紹介されていた。まさに、その通りの風景が、今走っている両側に展開されている。

さらに進むうち、林立する電波塔が前方に見え始め、頂上が近いことが分かってきた。「あそこへ行けば、周りが見渡せるに違いない」と進んで行ったのだが、電波塔の周りは金網が張り巡らされていて、軍の施設のようだ、突入するととんでもないことになりそうだ。電波塔のピークを過ぎると、もう一つのピークがちょっと先にあり、そこには大きな十字架が立っていた。周りには、観光客らしき人影が沢山見えたので、そこへ向かうことにした。十字架の周囲にも駐車場があったが、数も少ない上に、Handycaped 用のスペースの割合が多く、別の 200m 程離れた大きな駐車場に停めて、十字架のある場所を目指して上っていった。上るうち、だんだんと、すばらしい眺めが目の前に広がり始めた。最終的に十字架のあるピークを上り詰めると、周りを 360 度周囲が見渡せ、思わず息を呑んだ。自分や小窓氏の泊まっているホテルや、I5 を下りる際の目印にもなるモルモン教の巨大な白い教会も見えた。それどころか、反対側にはリゾートのミッションベイや、その向こうに広がる San Diego のダウンタウン。西には果てしなく拡がる太平洋。東は、Mira Mar 基地とその向こうに広がる山並みである。そして、見上げれば、文字通りの「カリフォルニアの青い空」、そして爽やかとしか表現しようのない風が吹き抜けていく。似たような風景は、数年前にハワイの、Diamond Head に上ったで経験したが、陸地方向の果てしなさは、ラホーヤの方が数段上である。

これだけの風景である。写真を撮らないわけには行かない。まずは、自分を入れてセルフタイマーで2枚ほど撮ったところで、デジカメの電池が切れてしまった。皆さんにもお見せしたいので、パノラマ写真を是非とも撮りたいと思い、街中に戻って電池を買って戻ってくることにした。ただ、文句無しで気持ち言い場所である、街中に戻る前に30分ほどボーっとさせてもらった。さて、私のデジカメは比較的古いタイプなので、単三4本で動く。何処でも買えるとは思うのだが、ちょっと遅めのブランチにしようと、小窓氏が宿泊しているホテル最寄のモールのフードコートに行き、そのついでにモール内にある Radioshack で電池を買うことにして、山を下りた。下りは別のルートを取ったところ、ホテルからは、簡単なルートで来られることが分かりほっとした。

UTC モールのフードコートでは、中華のファーストフードにし、注文を受け取って、空いている席を見つけて座り、食べ始めた。なんとはなく周囲を見回していると、遠くに見慣れた昆虫採集スタイルの小窓氏を発見した。席を移動し、ご一緒することにした。小窓氏は、既にブランチを済まされた様子で、おなじみのCasio FIVA を広げて、独り言の原稿を書いているところであった。聞くと、3時から、今日到着するケイ佐藤氏とホテルで打ち合わせをすることになっているという。時間はまだ、1時を過ぎたところであり、「絶景の場所が15分ぐらいでいけるところにある」という話をしたところ(話をしたというよりも、強くお勧めしたという方が良いかもしれない)、一緒に行ってくださるということになった。食事も終わって、ここのモールにある Radioshack に行くという話をすると、「つぶれたよ」の一言。さすが、半年に一回のペースでしか来ていない私とくらべ、使い切れないほどのマイレージの処理に困っているという小窓氏は最新の情報を良くご存知である。結局は、私の宿泊しているホテルの隣のモールにも Radioshack があり、そこで電池を購入することができて事なきを得た。

気を取り直して岬の頂上を目指して走り始めると、ケイ佐藤氏より小窓氏のグローバルパスポートに電話が入った。いま「ホテルにcheck in した」ところだそうだ。結局は、岬の頂上で、ケイ佐藤氏と合流するという話しになった。そして、先程確認したルートで、難なく現地に到着し、記念写真やパノラマ写真の撮影をすませた。そして、しばし、小窓氏と二人で、風景と風を楽しんだ。そこへまた、ケイ佐藤氏から電話があり、ルートをお教えして電話を切った。私としては、「大きな十字架」ということを、何度も強調したつもりなのだが、ケイ佐藤氏は「独り言Vol 185 」にもあるとおり、電波塔側へ行ってしまわれた。再度あった電話に、「そっちじゃなくって、十字架のある方です」と伝えて、やっと合流することが出来た。

「ここは、すばらしく気持ちがいいところだねぇ。何度も San Diego に来ているが、こんなところがあるとは知らなかったよ。」と感動された様子で、紹介した甲斐があったというものだ。ところが、ケイ佐藤氏は「さて、例の話だけど…」と、すぐさま仕事の話を始められた。前日の、Palomer Mountain よろしく、観光地で無粋な話が、再度繰り広げられた。その後は、独り言にあるとおり、海岸沿いのレストランで、お茶をしながら、話は続いた。車はどうしたかというと、ケイ佐藤氏の執拗な捜索により、つぶれたお店の従業員用の駐車場を発見し、そこに停めた。有料の駐車場は、6-7ドルが相場であり、日本の観光地と比較すれば、ずいぶん安いとは思うのだが、それさえも許容できないようで感服した。レストランで展開された(無粋な)話の内容は、独り言に譲る。

ラホーヤは、ビーチリゾートというよりは、断崖もあるようなリゾートであり、神奈川で言えば、江ノ島ビーチというよりも、逗子や葉山に近い感じである。ただし、正確に表現しようとすると、スケールを10倍ぐらいにしないといけないのと、洒落た店や高級ブランド店が多く、軽井沢のテイストを加える必要がある。後で、現地で購入した AAA (JAF のアメリカ版)編集のガイドブックによると、岬の頂上は、Solidad Mountain と言う場所で、サンディエゴ風光明媚ルートの一部であり、観光バスのルートになっていることが分かった。なお、小窓氏は単位系の変換を間違ったようで、正確な高さは 844 ft であり、メートル換算で、 300 m 程である(既に訂正されているようだが)。

とにかく、Solidad Mountain は、文句なしで気持ちの良い場所であり、本社出張時には、毎回行くことにしようと決めた。ところが、以前日本のオフィスマネージャで、今は San Diego に勤務しているミヨコさんの話によれば、もっと空に近い場所があるという。何度かサンディエゴ通信や独り言で出てくる、ラホーヤ北方のリゾート Del Mar では、Hot air baloon が体験できるという。うーん、体験しなきゃいけないことが、次から次へと出てくる、ここは楽しい場所である。

おっと、このような事ばかり書いていると、東医研は「出張じゃなくて、遊び目的で San Diego 行ってるのか?」と思われるのに違いない。だが、平日は20時ぐらいまでオフィスにおり、食事を済ませてホテルへ戻ってからも、朝を迎えた日本のお客様とやり取りするため、0時過ぎまで仕事をしていることを強調しておきたい。Solidad Mountain に行った日も、夕方5時からオフィスに行き、日本のお客様との連絡や中国との電話会議を行い、20時過ぎまで会社にいた。要は、メリハリが大切なのだと思う。小窓氏の言うところの “San Diego way!”である。

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