業界独り言 VOL369 互換性の実現とは

世 の中には、インテルアーキテクチャという大層メジャーなものがデファクトとして君臨している。組み込みでは、ARMやらPICやらといったものがそうした ものに対応しているということだろう。組み込みという視点で考えた場合には、RTOS黎明期ではTRONが、そうした任にあっただろうが、最近ではそんな レベルの組み込みをスクラッチからするというような事態はないようだ。組み込みといいながらも出来合いのボードを持ってきて即アプリを組み込み稼動させて いく・・・とまでは行かないまでも、そうした流れに近いようだ。

組み込みソフトの黎明期から付き合ってきた仲間などは、ソフトハウスとして自立して頑張っているのだが互換性というよりも既存の設計資産を稼動させ るために四苦八苦しているという実情があるということは昨年にもつづったような気がしている。ある意味で気の遠くなるような状況が、要求されて同じものを 作り続けるということの難しさを開発する側としては共有するのだが、依頼する側には一切そうした理解も妥協もないのである。長い商品寿命の製品に同じソフ トや同じプロセッサを適用し続けて行くということは、もはや何も生まず、モチベーションもあがらない仕事となり、ますます組み込み業界に若者が興味を持た なくなってしまう気がする。

では、ソースコードベースでLinuxを活用していけば解決していくのかというと、必ずしもカーネル開発せずに解決できる問題ばかりではないが、取 込んでしまったメーカーは頑なに自分のビルドベースを使い続けていき、世の中の進化と隔絶していくのではないかと心配もしている。APIを決めてプラット ホームを提供していくというスタンスは、Linuxには必ずしも無いが、Linuxの上にそうした環境を構築しようという動きはある。アンドロイドもそう だし、iPhoneだって同じである。敬意をもっていえばマイクロソフトもそうしたことに留意しているのだろう。

さて、先日iPhoneのOSが更新された、新しいUIとして日本語入力などが更新された。メール画面の横入力なども対応できるようになったのだ が、実際のところ新しいメソッドが使えなくなったアプリも幾つかあった。いわゆる作法の悪いアプリには互換性を担保しないというのがスタンスであり、オー プンな世界であるiPhoneのアプリ市場では、当然お客の不満も出てくるのでそうしたアプリが対応しないとなれば駆逐されてしまうのである。良貨は悪貨 を駆逐する・・・の図式になるわけだ。これがオープンマーケットの健全な姿でもある。

組み込みの世界では、必ずしもこうした図式にはならない、バグであったとしても前動いていたアプリが動かなくなることは許容しないといった論理がま かり通るのである。こんな理不尽な世界は、当然先がないと考えるべきだし実際のところそうした流れになってきている。互換性を追求するのは良いことだが、 理不尽なバグ互換性の担保は出来ないのである。こうしたことを要求しつつ、既存の手を入れられないアプリがあるのでバグに手がつけられないといった理不尽 さなどが出てくるとあきれ返ってプレーヤーが退場してしまうのも致し方ない。

プレーヤーが離れて行こうとしている市場で、なおのことバグコンパチブルといったことを声を荒げていう理解のない人たちに手を差し伸べるにはいった い何をすることが必要なのだろうか。OOPなスタイルの世界に踏み込めない、組み込みベースのシーケンス図でのコーディングしか出来ないような人たちと付 き合っていること事態が間違いだといえるのだろう。互換性をきっぱりと捨てて新しい世界に飛び込むことを選ばないと、結局のところなんらの進化も得られな いということに気がつかないのだろうか。

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