VOL105 がんばれWCDMA 発行2001/5/29

携帯電話の世界は、ワイドの開始で夢の花開く世界に突入するのだろうか。夢見から醒めてしまうのだろうか。大きなディスプレイに解像度もテレビ電話の可能な状態になるものが本当に欲しいのだろうか。二つの見方がそこにはあるようだ。そうした華やかな世界とは裏腹に実需を支えてきた800MHzのi-MODEは遂に溢れてしまいそうだ。

実需を支えてきたi-MODE端末ユーザーがワイドに流れてくれないと何が起こってしまうのだろうか。ユーザーを収容するために1.5Gのシティホンの周波数との共用モデルが要求されてしまいそうだ。しかし、ユーザーからみると同じ機能で値段が高くつくという状況になってしまう。i-MODEのコンテンツを楽しむユーザーが居ればだ。

周波数の割り当てに対応してのバンドの空き具合でいえば、JホンやTUKAといった物の機能がユーザーの要望にマッチしていれば収容能力もあり、ワイドな展開に流れない可能性もある。そうなると64和音がよいのか、アニメがよいのかという展開の選択をしているのだろうか。過剰とも思える機能競走は受けいれられるのだろうか。

ワイドが目指しているスペックも豪華なものだ。インフラ整備やソフト開発が遅れているとはいえ、カラー動画で通信したいという世界を目指してきた携帯が使われるのはどのようなシチュエーションなのだろうか、確かに電車の中で化粧を平気でするような時代の感性を持つ子供を教育育成してきたのだからそれも計画の範囲なのかも。

PDAのスペックを凌駕する端末を安価に提供して安く回線代を下げていきながら、果たしてどのようにして社会に貢献するビジネスモデルになりうるのだろうか。最近ではワイドな技術者との面接を行ったりもするのだが、端末開発としてはモデム購入した上でのアプリチップのソフトウェア開発に終始しているのが実情らしい。

液晶メーカーと話をしつつ、夢を語らいキャリアの提起するチャンスにサーフィンしてきた人物がいる。このメンバーは今ではQUAD社にいるのだが、実はi−MODEの開発は彼が為しえたようなところが大だ。ストーリーを持ちアグレッシブに周囲を巻き込み順序だてて開発してきた歴史を液晶メーカーとのミーティングで理解した。

ワイドに向けてさぞ、左団扇かと思って液晶メーカーに聞いてみると意外な答えがでてきた。次の一手が見えないようだ。ビジネスモデルがうまく回った愛のサービスのウェーブを引き起こしたのはcdmaの快走だったのかも知れないし、引き起こされた流れに乗り切った技術者は、新しいビジネスモデルを自分から起こそうとしてる。

携帯電話の小さなスクリーンに色をつけて漢字を出してメールやチャットをしている姿が荒廃する公衆電話の状況を加速しているのでもある。今では、白黒の画面を見ている姿が珍しくなってきた。東横線でもメール端末を広げている姿は大分減ってしまった。JやIに移行したのだろう。無論IMAPメールやチャットしている人もいる。

先日のビジネスショーにおいても虚ろな響きにしか聞こえてこないのはバブルが底流にあるからだろう。バブルでないとして、カラー動画携帯が出回って松井のホームランシーンを電車で見ているような通勤風景だったとして、いまよりも身勝手な若者達との間の喧嘩を助長することにはなるまいか。

怪しげな画像スクープが飛び回り一億総梨元さん状態な姿なるのだろうか。ナップスターの画像版がインタネットのクリッピングが流布される。まあもともとプライベートの感覚を持たない現在の若者にしてみたら気にならないことだろうし、そうした事が派生的に殺人事件などになったとしても気にしないような状況だ。

ものを大切に使おうという教育をしたいはずなのに買い替えを奨励してゴミを生み出している自分達の仕事に納得できなくなる時代に入るのかもしれない。そして買い替えが為されないと自分達の給与も払えなくなってしまう。自分達が生活の中で使うという行為の対価として支払い額で考えてみると未来は破綻してはいまいか。

ワイドが始まると過程して成り立っているのが世の中の大半を占めているのも実情だQUAD社もそうだろう。ライセンス料と開発投資というビジネスモデルを提示したのがこの会社だし、それを支えているのはメーカーの方であり、ひいてはユーザーの方である。ユーザーが受け入れられるエントロピーとのバランスが大切なのだ。

バランスの中で破綻に瀕している業界を新たなビジネスモデルでリニューアルしようと虎視眈々と狙っている会社もいる。そうした会社の手伝いもしている。自分の分野だけは大丈夫とたかをくくっているととんでもない展開になりそうな状況の萌芽を感じている。いずれにしてもCDMAの中心を回っているなかで生き証人になりそうだ。

もう警鐘を昔の仲間に鳴らすことも意味がない状況にも突入しそうだ。かつて大画面液晶を活用して縦横画面切り替えをフィーチャーした愛のサービス以前の端末開発の流れの中で予想してきた世界に今は昔の仲間の成果が形からは見えるのだが本流としての取り組みという観点で世界が大きく変わってしまったという現実を米国で知った。

やっぱり決断の早い会社・技術者を揃えて的確に配置して少数精鋭で戦略的にこなしている会社の実力はここにきて大きく花開こうとしている。そうでない状況を是認しつつ埋没してしまっている技術者としての感性も私は否定はしないが、残念だとも思う。たった一人の行動が愛のサービスを立ち上げたという事実に私は共感する。

さあ台数からも特定の会社がワイド陣営から大きな期待を寄せられているのは間違いない。さあ、この会社の成果がワイドの将来を左右してしまう時期でもある。その影に隠れて業務用無線は別の会社の仕事として大きな動きに飲まれそうな勢いだ。米国の無線機メーカーとの戦争は全く別の勝者を迎えるだろう。だからがんばれワイド。

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