業界独り言 VOL2 99/12I 99/12/15発行

朝の暖房が有難くなってきた・・・冬・・・である。

コミュニケーションが会社の成否を左右する・・・そんな時代である。転職してきた、この会社にはオリジナルのEmailシステムがある。だからといってうまくシステムが回っているとは思えないが。会社の組織がフラットであるが故に、うまく活かせる場面が多いことは確かである。日常的に動作しつづけるEmailシステムが重要でありEmailが停止したら会社にきても仕事が出来ない・・・それは事実である。こうしたシステムではセキュリティとリモートアクセスの両輪が必要である。無論リモートアクセスには、フリーダイヤルも必要なことである。

初芝時代には考えても歩調も含めて出来なかった環境ではあるが、会社の規模から考えるとIT行政のための事業部の体制などの比率はかなり高いといえる。ここまでの比率をキープすることを是とすれば、会社の仕組みは変貌できるのだろう。昨今、人余りが取り沙汰されていてある電機メーカーでは10000人の余剰人員が出ている反面、人不足が解消できないというジレンマであるという。働く場所に関連して職場を選択しているからだ。希望の職種が希望の場所で手に入らなければ解決できないのだという。こうした人達の活用が図れるのもITを事業として、電算事務の延長でしか捉えていないことから考えていない故の結果なのだろうか。

そうした会社を横目に見ながら古巣である大阪地区の近傍の顧客支援に飛んだ。どこの会社でもお客様のお怒りはいつも決まって「すぐに飛んで来い」である。といってサンドバッグになる為だけに行っても何の解決にもならない。彼らは愚痴をいうのではなくて解決を求めているからだ。こうした実務を通じて自分自身の対面耐久力を養ったりするのはOJTの一環であろうが、未経験の人材を遭遇させるには厳しい環境である。こうした支援人材を増やしたいと思う反面、達観した優秀な人材に遭遇しないかぎりは望めないと諦観したりもする。

日本各地で開発している顧客サポートをしていくのは、楽しいとも言える。セミナーで顔つなぎした人と実際に出荷間際でトラブル修正に追われている場面で遭遇すると、またその人の懐の広さに出会えたりもするし、逆の場合もある。セミナーで事細かな執拗な質問を投げていたYさんとの出会いはそうした中で前者である。彼は、顧客先に関係会社から派遣されている位置付けでリーダーなのかトラブル集約担当なのか構成管理担当なのか所在曖昧なままに仕事に埋没していた。

昔の仕事でいえばレベル1である。冬モデルの出荷の風景にしてはあまりに完成度が低い風景である。「飛んでこい」というお怒りの電話の状況とそれまでの問い合わせのEmailなどの数があまりにも不一致な状況である。件のY氏の話を聞くと、「来てくれたんですか・・・」あとは堰を切ったように質問が飛び出してきた。何故こうなっていたのか・・・・。

問い合わせをEmailでするシステムを構築していたのだが、契約先である顧客のメールドメインを基に問い合わせを受付するようになっていたのである。ところがソフトウェアをまとめる役目のリーダーはプロパーではなく少し違うメールアドレスのドメインであった。こうしたことから、Y氏は長らくこのソフトの技術契約をした会社のサポートシステムは何の返事もくれないと思いこんでいたようだった。無論リーダーであるサブコンのY氏より上は突然課長職だったりするので彼らがだす質問には回答がきていたりするのも知っていた。システムの説明が不充分だったりしたのも悪循環を引き起こしていた。

同様な支援で開発していると聞く他社の技術力について思いを馳せたりしつつの仕事だったようだ。派遣先の上司にお願いして質問を出すというのは、「自分の不得手な点の質問をお願いする」ということでもありよりマイナス効果となっていたようだった。自力で解決しつつの模索をしつつ進めてきたが最後に破綻したというのが実情である。

日常的な対応をしていなかった顧客先で出荷が控えているからと無理に対応を求められても、より溝が広がったりする。他社の同様な製品の性能との差が鮮明になると判らないなり同様の結果を求めるというのが管理職の常だ。しかし自分達の実力以上のことを求めてもより深みにはまりうまくいかないのも常である。

問い合わせになれていないメンバーからは抽象的な質問や具体データに基づかない感覚的な質問を投げかけ、さらに言葉の壁がそこに大きな影を投げかける。ちなみに大阪弁の問題ではない。エモーショナルな感覚の人達の息せき切った曖昧な質問を時差のある言葉の違う設計した人達が回答をしても中々繋がらない。

コミュニケーションを良くする端末の開発には、ベースに良いコミュニケーション環境が必要である。こうした環境で生み出される端末のUIに良いものが出来てくる気がしない。ステップバイステップで解決していくしかない。エモーショナルな彼らに合わせて現場に出向き、深夜に回答をして信頼を得たりという地道な取り組みが必要である。

せめてもの幸いは、彼らの要望が2週間前でなかったことだ。サンクスギビングの期間とぶち当たると人種不信に陥るのは必至だ。お盆の季節に問い合わせを依頼するのと一緒なのだが文化圏が異なると問題になってしまうわけだ。中々相手の立場に立った考えが出来ないのは同一の文化圏でも大変なので、余計に大変なのである。

しかし、うまく利用している顧客からみると相互に無茶な残業をしたりでクリアするでなく必要な情報やノウハウを時間を超えてうまく利用しているのである。とかきつつもレスポンスの為に時折電話に手をやるのだが、ついに相手のYさんは帰宅してしまったようだ。こちらではこれから起きてくるアメリカのメンバーに情報を伝えて引き継いで明日の朝に期待するとしよう。

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