VOL15 続)基本ソフト開発の方程式 発行2000/06/21

このところ業界独り言日記の如くになってしまっている。基本OSのお話でYさんからご意見を頂戴した。基本ソフトとして購入したOSについての話だった。ICEレスでデバッグできる。メモリ管理が出来ていてプロテクション検出が出来てUNIXのように安心してデバッグが出来るというOSなのだったが・・・。基本OSを提供している側と日本のユーザーでの湯水のようにリソースを使うようなAPPLを短期間に高精度かつサイズを抑えて提供していくという図式に照らすと開発規模や提供しているツール性能などが合わないのだという。おなじOSが新たなCPUシリーズ問題を起こしてカーネルのバグだという。確かにツールやOSメーカーでの開発規模検証はユーザーのそれとは比べるまでもないのかも知れない。のんびり構えて、慌てず確実に直させていくためのフォローアップが必要なのだとおもう。

日本の差異と米国の環境での差異で明確なのは、WINDOWS98などを使わない点である。開発ツールを稼動させるためのOSとしてWINDOWS95/98といったものは使えない。開発ツール開発側ではOSの都合など考えた設計をしていないためである。結果リソース不足に悩んだり固まってしまったと悲鳴をあげるこえを耳にする。といってWINDOWS98をWINDDOWS2000に入れ替えるでもなくシュリンクラップで配布販売されるOSの品質を信じて疑わない。ゲームソフトでのそれは、楽しんでもらうために種種の工夫を織り込んでOSのバグや制限に対応したかたちで使えるようにしていくのが彼らの仕事である。組み込みツールの人たちの意識はそこにはない。彼らが検証利用している環境との差異についてよく話を聞いていくことが必要なのではないかと思う。私の知りうる仲間で開発マシンに98/95を入れているひとは昔からいない。開発ツールをこうした環境に構築してしまった日本のあるメーカーの悲劇をしっているが、このツールで育った世代の人たちはツールの動作にビクツキながら使うということを入社直後に学ばされてしまった。良いこととは思えなかった。

今アプリケーションサイズの膨大さは組み込みの例をとってもリンクの時間に10分近くを要する状況になっている。800MHzのPentiumIIIでWIN2000での話だ。信頼に足るOSの上でよい性能のコードやデバッグフィーチャを駆使してデバッグしていくという姿は、一般的なものだ。人によってはICEもつかわずに一気に実機でオシロを覗きつつの試験をしている。単体も行なわずに、あるいは机上チェックも行なわずに入れることはありえないといっているようにも思える。彼らのスタンスは謙虚である。動かないのは自分が悪い・・・・。何を間違えたのか良く考え直してみよう。匠の領域である。

とそんな話の通じないお客を目指して横浜線を北上している。彼らはツール大好きな人たちである。ツールにない計測の概念などについては考えも及ばないようだ。こまったものだ。

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