3D プリンタで失くした樹脂部品を造ります

組込みの里にお子さんを連れてこられていた方からの相談があり、失くして不便にしているものがありプラスチック製の部品なので、3Dプリンタで作れないだろうかというお話があった(2021年)。その時にいただいた写真がこちらだ。オーブンのつまみらしい。温度調節のものらしく、シャフトが露出している。使うときはペンチでつまんで設定しているようで大変だとのこと。どこかにいってしまったらしい。時間設定のつまみはあるので、こちらと同じように作れないかという相談だった。写真右がつまみ。

 

 

 

 

 

 

 

つまみの現物をお預かりして、サイズを計測して3Dデータ設計して印刷しました。
色味は在庫していた黒い樹脂で作成して次のように出来ました。左側がオリジナルで右側が今回の作成したつまみです。印刷する向きにより表面の仕上がりは変わります。今回は上の写真のように出力したのでつまみのトップはざらつく感じになりましたが、シャフトを刺すところは綺麗に出来ています。気になる場合には紙ヤスリで仕上げることは出来ます。計測・設計・出力という流れになります。

使っている所のお写真をいただきました。
問題なく使えているということでした。

洗濯干しのパーツ複製[1]

洗濯ハンガーのピンチは、プラスティックなので紫外線の性でパーツが劣化する。
少しずつ減っていくのも悲しいので。複製する。

これは簡単な構造なのでさっくりと計測して二次元で作図して
押し出したり、回転したりして仕上げる

予備も含めて少し作っておくことにしました

色々と整理が必要で対策中

パーツボックスのトレイ不足を3D出力した話は前回だったが、さらに個別案件で購入したスポンサー付きの部品などを別管理にする必要も生じて対策が望まれている。そうした開発依頼作業での活用と在庫整理も兼ねて、コストパフォーマンスの良さそうなアイデアが出てきた。100円均一のセリアなどで購入できるトレイと厚手のA4ファイルケースの組み合わせだ。なかなか良いのだが・・・

続いて今回開発したのはA4Lサイズの薄手のファイルケースに内蔵させるカスタム仕様のパーツトレイでこちらは3Dで作成した。背の高さは20mmほどでファイルケースに合致している。

材料費の観点では、実際に四つの部品トレイで作ることになるが一つ100-150円程度だフィラメント代としては・・・だが。ファイルケースに綺麗にフィットするのでとても良いと自画自賛。

そして振り返って最初に試した厚手のものについても隙間を埋めるトレイを作成することでフィットすると理解したので、次回はそちらも作ることにしよう。今週は台風到来で、印刷中に停電するなどの状況もありましたので出力は半分のみです。

なくしがちな小物入れ引き出し

組み込みの里では、部品在庫収納に利用している小物入れ引き出しが沢山ついている安価なものを利用して壁に止付けている。成形精度に難があったりもするのだが、壁につけられるだけ配置してある。まだつける余地がありそうなので増設も考えたい。いただいた物もあったりしたのだが、引き出しが少なかったりしていたので、工房でネジなどの収納に使っていた。

3Dプリンターで部品をコピーしてみることにしました。

データはこちらにあります。

TA7291Pでリレー制御

IoT機器開発の依頼がありコンサル対応しています、ラッチングリレー制御をネットで行いたいということでArduinoとSakuraIOに繋がるrelayシールドと、その筐体実装のサポートをしました。プロジェクト自体は現役高専生がベンチャーの会社で任されて進めていて、組み込みの里ではそのフォローサポートならびに試作製造といったことをしています。

途中経過は、試作基板を削りで作成していましたが、最終的にシールド基板のみを開発することになりました。

量産基板には設定切り替えなどをJumperで出来るようなフットプリントを付けようとしているのですが、使っているKicadが色々と難癖をつけてきて妥協と解析対応をしつつ進めています。

若者がモノづくりの主体として関与するこうした取り組みを任されているベンチャーの方とのコラボはとても良い実体験になると思います。スマートに解決できることばかりではなく、お客様との打ち合わせなども体験しながら進めているプロジェクトの発信源は、やはり高専OBの熱い方でした。

仕様変更の調整なども踏まえて少し余計にかかりましたが、夏休み前にお話しを聞いていた時から長い高専生の夏休みの実務アルバイトは大きなインターンシップ以上のものになっていると思います。

試作基板には、仕様変更の対応でターゲット装置の遠隔監視などの観点で温度センサーが追加で実装されることになりました。ユニバーサルエリアを作らなかったので孫基板の実装となりました。

里では何年か前に話題になった例の温度センサーを使っています。(Hi)

NC加工をしてみる(6)

PCBEとOriminの組み合わせでも強度の取れる形でUSBコネクタやDCJACKをDCJACKを実装できるスリット型の角穴を作成することが出来た。

秋月電子の定番ジャックだ。

基板加工機での刃の切れ味からか、バリが気になった。金属ブラシを取り付けてこの後サンディングを行った。角穴の嵌合は問題なさそうだ。

そしてIoT機器試作セットは仕上がった。このあと、ケースに組み込んで改善内容について学ぶことが出来た。

NC加工をしてみる(5) oriminで角穴を

タイトルと離れているのは承知の上だが、作った基板の部品実装強度に問題が出てきたようだ。課題はテンションのかかるDCJACKとUSBコネクターでどちらも給電用に用いたものなのだがスルーホールでなくて、フィットした角穴でもない大きな径を合わせただけのランドへのはんだ付けがピンポイントになるのは自明の理でさすがに強度不足だわ。

対応策として現在のツールチェーンでの折り合いを図ることにした。

CAD自体は、試作目的ではPCBEを用いているのだが外形に限っては角穴が出来そうなので、大きな角ランドに角穴をあけるという方向性でパラメータを振ってみてツールとして穴加工に合意する点を探した。

この基板では、切り欠きやインシュロックを通すための角穴は付けていた。そこで分かったことは、Oriminでは外形線として角穴は許容するものの斜め線や多角形は許容しないらしい。縁に出来るだけ近くに寄せた角穴を最後に切り落とすという作戦にした。

角穴ということの定義は描画時点で穴になっていないといけないらしく少なくも0.2mm以上の間隙が出来るようにしないと切削線が重なっている状況では許してくれない。また、そうした際に外形加工の刃物径とも関連してきていて今回の調査では刃物として外形0.5mmのオリジナルマインド社謹製の土佐昌典FTを利用して所謂一本使いで粗く仕上げる作戦なのだが、加工パラメータにはあえて嘘を入れて0.1mmの刃物ということにした。こうすることでこのツールパスを許容してくれたのだ。Oriminでは加工判定後ツールパスを描画してくれるので、こうした設定がうまく使えるのかどうか予め確認できる。

NC加工をしてみる(4)

今回のお題は、市販の防水樹脂筐体に収めるある程度数を作ることを想定したモノづくりのお手伝いだ。里の加工で出来ることはしれているのだが、そこはベンチャー会社の人たちにしてみたら他に頼むことよりも出来るだけ作れるものなら最初にどこまで作れるのかは知りたいということらしい。

基板手配は、当初の課題だったが、サイズの問題などからEAGLEからKiCADに移行して新しい機能などを覚えて試作品としてOriminを用いたUSBCNCで削り出して試作評価というフェーズが簡単に崩れてしまった。良くも悪くも今までの使い方がCADというよりもアートワークを手で引いているようなPCBEだったりしていたことから制限を外して挑戦しようということでもあったのだが、試作用もう少し融通の利く環境構築も必要のようだ。

基板がとりあえず、KiCADのアートワーク状況を手コピーしてPCBEのスクリーンにプロットしていくのだがPCBEの柔軟な運用としてプロットポイントを自在に原点調整やピッチ変更が出来るのが幸いしてほどなく出来るのだが、あいにくと強度が必要なUSBコネクタやDCジャックの類の角穴などは折角モデルを使ったのが仇となっていたので丸で近似するしかなかった、作図は簡単だがはんだ付けの苦労はありそうだ。

これやArduinoの基板をスペーサーで保持するのだが、その設置用の穴開けが課題になりそうだということは先週のトライアルで分かった。穴あけ位置を指示する樹脂製のテンプレートを作成してそれ越しに穴あけをすることにした。これを作るのは今回は3Dプリンターで少し垂直のガイド性もつくようにした。

結局Arduino以外も含めて全体のテンプレートが丁度3Dプリンターで作れそうなので穴のサイズごとに色指示のシールを貼って効率が上がるようにしてみた。
Arduino UNOには使えないコーナーピンが一か所あり、設計上は3mmのビスを使うことになっているのだが実際にあたってしまいネジ締めが出来なかったりもしているので、ここは2.6mmのネジを一か所だけ使うようにした。そんなこともあったれして実はバタバタとしたNCデータの流用だった。転写する段階で読み間違えたりしてサイズ位置が合わなかったこともあったので、もう少しレビューを落ち着いてしたほうが良さそうだった。問題のUNOのマウントには樹脂製のスペーサーを使わないと背面のパターンも当たってショートしそうな感じもしたので手持ちのジュラコンのパーツを見つけ出してくみ上げてみた。

明日、全体試験をしてもらって来週はいよいよ顧客先で稼働評価試験となるらしい。

NC加工をしてみる(3)

あまりこだわったことがない、基板加工にも今回は、取り付け位置の制限などから外形加工をする必要があったのだが、使ったP板CADはKiCADにしたところ、基板加工機CIP100に付属してきたOriminでは対応できないことが分かり、急遽今まで使っていたPCBEで加工データの位置を取り込んで穴加工とその配線を通すという形になった。昔でいうところのアートワークを引いている感じだ。

作りたい基板サイズは45×105ほどなのでCIP100(Max 160×100)としては二枚取りが出来そうなあんばいなので外枠の一部は今回基板の縁に添わせる形で刃物の摩耗も防ぐことにした。取り付ける部品を押える目的のインシュロックを通す必要もあって角穴データは溝切の一環で外形データと通すことが出来たのだが、基板自体は四角にしかすることが出来ず一部を切り込んだ形にはできないことが判明した。対策は簡単に切り落とせそうな角穴をその位置近くに置くという代替案だ。KiCADで通らなかったデータにはDCジャックのランドパターンもあったようだが、これは少し大きめのパッドで逃げることにした。

本番の基板とパターンと部品配置だけを似せた状態でのデバッグということになる。試作動作完了となれば、基板発注という展開になる。

NC加工をしてみる(1)

実用的なNC加工を直接試みようとすると現実的には、素材の固定やサイズなどの制限がありまた工夫が必要となります。里にあるNC加工装置は、オリジナルマインド社のQT100とCIP100あとはsmartDiysのFaboolLaserMiniです。

今回IoT装置となるものは、配電ボックスなどに用いられるタカチのケースなのですが、搭載部品となるArduinoや専用シールド基板などを内部のベース板に取り付けるための穴加工が必要となります。ほかにもいくつか取り付けるパーツはあるのですが、精度が必要なのは前述のものたちです。樹脂でできているベース板なのですが裏側にリブがあったりして実寸の穴位置加工図面を貼り付けてボール盤でトライしてもらいましたが、うまくいかないというのが経緯です。

この板自体は安いものですが、本来は現地でブレーカーなどを止付けたりするもので精度の必要な穴位置が要求されたりはしないものなのでしょう。一応メーカーサイトには加工受付のリンクもありましたので、クライアントの意向もあって見積もり問い合わせをしてみました。ざっくり追加の穴加工16箇所と材料込みで一枚の場合には7000円なりということで中間マージンもあるのでしょうが、さすがにクライアントさんの要望範囲ではなさそうなので丁重にメーカーさんにはお断りを入れつつ、数量的には100台くらいの加工までをしなければならないので再度見積もりはお願いしました。

精度の必要な穴加工を実現するための冶具作りをNCで行うのが現実的かと思われましたのでガラエポ基板かアルミ板を加工してブロック単位でゲージを作り、さらに必要であれば垂直精度を助けるためのガイドパーツを3Dプリンターで作ろうというのが今回のNC加工トライアルとなります。大きなサイズのNCフライスがあればよいのですが、あいにくと160×100がサイズ制限となるので精度の必要な基板取り付け部分などのブロック単位で冶具を作ることにしました。

この週末は、その報告ができるかと思います。