3Dプリント安定への道

image組み込みの里では、二種類の3Dプリンターが稼働している。それぞれ時代を表す代表選手といえるだろう。Robo3DはMarlinファームが搭載されている大きな出力が可能という売りで3年前に登場したモデルで、オープンなフレーム構造が売りであるとともにABS出力では収縮などの影響を受けやすく使用する環境にシビアなモデルだ。KickStarterで登場した段階で手配して長い付き合いとなっている。

 

 

 

image今年になってからプラダンで保温カバーを作ったことで、ABSの出力が安定化した。変形という点では収縮事故はなくなったようです。

それでも印刷が止まる事象は発生していて、その課題はフィラメントスプールでのフィラメントの絡まりが原因となっている。フィラメント表面の滑り具合によっては、これが起きやすくなるし、またフィラメントを取り出して前後左右に移動するエクストルーダーの動きが絡み合いを引き起こすようだ。(Robo3D)

フィラメントスプールの向きを変えることで対応できそうなので現在、整備中で追って報告したい。

imageもう一台はReplicator2x互換のモデルで出力プレートが上下動しかしない。また大きなメタルケースに収容されてABSなどの印刷中の室温などの影響からも受けにくく高い価格でも各地のFabなどに導入されている理由を再確認できるものだ。

Dualヘッドの構成で水平が保証しやすいことが長所でもあり今回Delta型を見送った理由でもある。DELTA型でDUALヘッドにする場合にはスイングするエクストルーダーを三基のモーターで構成することからDualヘッドの水平保持に課題が起きやすいようだ。

フィラメントは背面に配置されていてPTFEチューブを介してエクストルーダーに供給されていて絡まりの問題はRobo3Dよりは少ないようだが、フィラメント次第で、まだ課題があるようだ。

image双方のプリンターで起きる問題点として最近認識したものにスプールへのフィラメントの巻き具合で枠からフィラメントへの巻きしろがないタイプの場合に、フィラメントが外れて絡まりやすいようだ。

対策として写真のようにスプールの縁を延長する、ふち子さんを作成して対応しようと思っている。

 

[続]3Dプリンターを使うとPC以上にparts改修が増える

image今週の工房作業に間に合わなかった薄型モーター(NEAMA17 24mm)が届いた。従来品(NEMA17 40mm)と比較すると半分近い感じだ。

ダイレクトドライブでフィラメント駆動をしている最近のモデルに比べればモーターのトルクは弱くとも3:1のギア比でトルクは十分なものになるし、もとよりExtruderブロックの重量が軽くなることで高速化などへの対応も期待できそうだ。こちらはRobo3Dのパワーアップの決め手になりそうだ。

image新型のReplicator2x互換モデルもエクスルーダーブロックでの配線がすべてターミナルサブ基板またはSMコネクターで接続されるようになりノズルの交換などの作業で大掛かりな配線全体を取り外すという作業が必要なくなり、進化した互換機モデル(FlashForge社のCreator Pro)と同等な保守状況になったといえる。

 

image圧着タイプの中継コネクタでロック付きというSMシリーズを2/4pinを揃えたのでこれでモーターセンサーの配線は交換対応できるだろう。ヒーターブロックへの配線もとりあえずSMシリーズで適用しているのだが電流容量からするとLシリーズコネクタだと余裕がありそうだがエクストルーダー部分はかなりの移動を繰り返すので軽めのSMシリーズで様子をみることにしている。

当初はPHシリーズの基板用のコネクタペアで代用していたのだが、温度センサーのワイヤーは半田性が悪く振動移動を繰り返すこのアプリケーションでは接触不良を引き起こす元凶となり、配線中継タイプのSMシリーズを用いることで解決をみた。

ちなみに、接触不良を起こすとフィラメント供給のための熱源制御が停止して3Dプリントが失敗することになり、LCDコンソールにはそうしたトラブルがレポートされて配線を確認するようにというエラーメッセージが出力されて、大きなボリュームの印刷途上で発生したりすることで、嫌気がさしてしまうことにもなる。

3Dプリンターの肝は、こうした振動や移動を繰り返すブロックについてセンサーでの温度計測フィードバックループが安定して構築できることが必要なので、安易に考えて保守性のみを考えると私が陥ったような失敗を繰り返すことになる。製品としての安定性を考えると丈夫な強度を持ったセンサーのワイヤーは十分な長さでプリンターの制御基板とエクストルーダーブロックを結ぶことが最も信頼度が高い配線構成としてとらえているのがオリジナルのMakerBot社での設計なのだろう。

 

 

3Dプリンターでの工具環境整備例

image imageimage組み込みの里では、3Dプリンターを活用して工具のフックを作っています。実際の工具の形に合わせて作りこんでCADの練習にもなっています。

 

 

 

 

 

樹脂でソフトタッチで噛みこむウォーターポンププライヤーの口を間違った使い方で欠けさせてしまったのですが、こちらもABSで作りこみました。

 

 

 

 

 

これは、中華半田ごての握りに穿かせる防熱カバーです。

コネクタピン引き抜きツールを装備しました

imageLシリーズやSMシリーズのコネクタを利用していくとピン引き抜きなどが必要になる事態が生じます。QIコネクターやPAP/PHシリーズではロックピンの爪をハウジング側で外せるのですが、これが出来ないタイプのコネクターとなり治具が必要でした。

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左端はLシリーズ用のもの、右側のツールはピンの幅に合わせてハウジングとピンの爪側に挿入してロックを外すものです。

モノタロウで購入しました。

3Dプリンターを使うとPC以上にparts改修が増える

image3Dプリンターが二系統そろったので、懸案事項の対策に乗り出した。古いプリンターの大規模改良に取り組み始めると、新型の保守でメカ的により安定動作が期待できる耐久性の高い措置が求められると予備に次の基板を作成してターミナルで接続するようにしておいた。

imageしかし、さっそくそれを投入しないといけないということが判明して3Dプリンターにとってのextruder部分に掛かる配線系統へのストレスもかなり存することが判明した。それだけに古いプリンターに適用する軽量化などは機械的にも重要なファクターになりそうだし、配線系統についても再考がもとめられそうだ。

 

 

image三つのパーツに分けて作成したExtruderマウントもうまく使えるようだ。以前課題となったE3Dの放熱フィンへの送風ファンのシュラウドが溶けるという課題があり、アルミで作成していたのだが、予備の樹脂カバーが残っているので暫く様子をみつつアルミ製のシュラウドを再度検討する。懸案事項は増えていく。

 

 

image搭載予定の現行モーターは厚み(40mm)があって、入らないことが判明していたが、確かに無理だ。NEMA17のモーターは最近は奥行き24mmのものが出ていて、これを発注しておいたのだが、金曜配送予定のFedexは遅れて平日配送のみのビジネスなので結局持ち込めなかった。

 

 

 

 

imageNEMA17の規格が3Dプリンターではdefactとなっていて進化もしていて、既に奥行き34mmのものは一般化していてAmazonでも購入できるようだ。このタイプは新型プリンターにも搭載されているので予備品にも充てられるので手配することにした。

サイズ的にもbaseを再設計すれば乗りそうなので、MESHMIXERで加工して新型プリンターで出してみた。GTベルトの位置を左から右に移動してみた。

写真では奥行き40mmのモーターなので、実際にはあと6mm短くなる予定で何とか整備確認の手順を踏めそうだ。

 

細君に言わせれば、パソコン以上に未完成の機械なのねということになるのだろう。

おもちゃの病院横浜出張所 東京タワー編

image昭和33年生まれの細君にとっては、同年生まれの東京タワーには思い入れが強いようで、マイコン搭載の多彩なLED照明が点滅モードを変えるこの東京タワーが点灯しなくなっていたのが、不満だったらしい。

すこしかさばるので里にまでもっていくのも憚られておもちゃ病院横浜出張所の開設となった。必要な診断はすでに行われていて、タクトスイッチが不良になっているらしいことまでは判明していたので、里からタクトスイッチを持ち込んでいたのだが・・・

 

 

image当該の不良タクトスイッチは真ん中のもので里に在庫していたスイッチは左右のものだった。あいにくと、おもちゃ病院横浜出張所には、温調半田ごて、ニッパー、ラジオペンチ、鉛フリーのはんだ、こて台くらいしか手術用品がなかったために、まずは、壊れているスイッチを外して、背の低い交換スイッチのリードをカットして高さを合わせて基板にはんだ付けするという荒業で対応した。タクトスイッチはこうしたボタン長の種類が多いのでアソートセットを手配するか、必要そうな在庫を持つしかないようだが、とりあえず強い押圧が必要ではあるものの、東京タワーは営業を再開してくれた。

必要な長さに近そうなタクトスイッチはいくつか手配することにしたのだが、高さ4.9mmくらいで一応5mmのタクトスイッチ(6X6X5mm 4-pin DIP)があったので中華マーケットから手配した。100個で本日のレートでは118円とのことである。

段ボール折り曲げカッター

MFT2016において、気になる工具を見つけた。

image回転型カッターで、段ボールに破線の切り込みをいれるものである。

この破線を切り込むことで、段ボールが自在に折り曲げができるようになり素材として活用できるようになります。

 

 

 

image工具室の棚にかけてあります。

[更新] OpenSourceは自己責任で使いこなす

オープンな世界は自由なのだが、使いこなしは使うユーザーに掛かっている。進化しつつあるパッケージがオープンソースになっているからといって、結局持て余すようなものに手を出して収拾がつかなくなったりしてる事象を吠えている人がいたりもする。

組み込みの里では、最近では使っている3Dプリンターのファームウェアのカスタマイズなど見える範囲で必要に迫られてやっているのだが、3Dデータのように公開されているものについても、よく活用させていただいているので、私自身も新たにカスタマイズしたり、起こしたのものについては上げるようにしている。

3Dプリンターと向き合いだして三年以上になるのだが、プリンター本体の精度も機構もパーツも次々と進化していくのをトラックしてきて、ようやく使いこなせているかと思いきや、最近では、購入当時のフィラメント長者(使わないのにまとめて買いこんだ)として選択していたものが思いのほか品質が良かったことが再認識されるに至り。最近購入しているフィラメントの性質などからフィラメント表面の状態などから「からまりやすい」という事態が生じていた。

imageフィラメントを送り出すスプールの取り付け方法の工夫で、どうやらスプール幅のセンター位置に合わせて取り出すということが一つの解決策のようで、新たに購入したプリンターにも、そうしたガイドをつけて解決をみていた。

 

 

 

image古い進化をしつづけてきたプリンターについてはスプール受けとして単純な構造のものをつけていたのだが、このフィラメントの表面の癖・抵抗といったことからフィラメントの送り出し方向とRobo3Dプリンターのスリットが合わず抵抗を助長しているという認識が失敗の履歴から見えてきた。すでにセンタリングガイドをつけてはいるものの、フィラメントが角に引っかかるという点では、配置方向が間違っている点を直さないと解決しないわけだ。

 

 

 

そして、その解決にはスプPreviousールの取り付け方向を正面に向けたオープンリールのような形にすることであり、そうしたスプールは一時取り付けて気に入っていたのだった。

うまく使えていたスプールを使わなくなった理由は、強度だった。かなり大きな構造だったので当時のプリンターではABSでは出力できずにPLAで作らざる得なかったし、また設計データをSTLレベルで強化しようというアイデアにまでは至らずに丈夫そうな簡易な構造のものに移ってきたからでもあった。この構造だとちょうどセンターに取り出し口がスリットとしてできているのでセンタリングも不要なのだった。

今は、MESHMIXERのimage活用でSTLの直接編集にも習熟してきたこともあり肉厚を高めるための方法や、ほかの改良点なども含めて再度挑戦する価値のあるものとして肉厚と高さをそれぞれ大きくしたものを作り昨日の夜から印刷している。今晩には終了する予定だ。使っているほかのボルトやベアリングなどの機構部品も残っているのでそのまま使えるはずだった。

 

 

今回は前回の記録が残っていなかったので、再度THINGIVERSEのサイトから作者のデータをダウンロードして必要な改造を施して作成を開始した。印刷も終盤にはいり、どうも出来上がりの結果と適用するはずのボルト径とがあっていないように見えて、中断して確認をしたが確かにM8のボルトで設計されているはずのものがM10のサイズになっている。サイトの説明ではM8になっているのだが、経緯については記憶がなく、今回は確認ミスとしてアダプターを作成してしのごうとしている。なにしろ一晩以上出力した結果を無駄にはできないのだ。

2016-08-23 (20)こんなアダプターを作ったりしてのを見てもらうのは恥ずかしいが、対応策としての事例として紹介しよう。

 

 

 

 

 

imageなんとかうまく下駄が出来たようです。
ベースはPLAでしたが、下駄はABSで作りました。

丸一日出力にかかりましたが、物理的なボリュームでRobo3Dでないと出来ないかと心配もしましたが、Replicator2互換機でもなんとかだせました。

今後の使い分けは、大きなボリュームのものを荒くだしても良いものにはRobo3Dで0.3mm厚みの層構成で出力対応で、Replicator2互換機では0.2ないし0.1mm厚みでの出力対応で行うということになりそうです。

3Dプリントでは、強度を考えて分割設計する

image里で作って使っているフックだが、積層方向と強度の観点から部品は二つに分けている。

 

 

 

 

 

 

2016-08-23 (18) 2016-08-23 (19)取り付けの螺子穴とフックの嵌合穴とを作りこんでいる。とはいえ、この辺りは3Dソフトでの論理演算で作れるから実際は簡単だ。

 

 

 

 

力がかかる方向に積層が出来ないようにしている。

難しい3D造形(STL)を簡素化して利用作成する

2016-08-233Dプリンターの良いところは、難しい造形も3D設計して印刷すれば出来上がることであるのだが、安価なFDMタイプのプリンターでは変形や積層はがれなどいろいろな課題がある。

さて、表題の材料は、左の三次元データである。よく調整のとれたプリンターで支持材を指定すればできるかもしれないのだが、このままでは完成には、おぼつかない。

 

そこで、凡そ三つのパーツに分解して、はめ合わせて接着するほうが各部品の仕上がりならびに積層方向に基づく強度も高まるはずだ。

そこで使える道具はAutodesk社のMESHMIXERだ。面カットとシェル分解で切り分けていく。オブジェクトブラウザーで対応のパーツのみにしていくのが進め方だ。最終的に結合して以下の三つのパーツになった。

2016-08-23 (2) 2016-08-23 (3) 2016-08-23 (4)

imageそして出来上がったのがこちらだ、勘合部分は、ちょうどよかった。ABS接着剤で接着した。