3D設計と3Dプリンタ出力に必要な環境など

組み込みの里では三台のプリンターがあります。QIDI社のTECH1, X-ONE, X-Proです。これらのプリンターから出力を得るためにはSTLファイルやOBJファイルといった3DモデルのデータをQIDI社から提供されているQIDI printなどのスライサーと呼ばれるソフトウェアを使って行います。

ご自宅であらかじめ、3Dモデリングなどを行われる場合にはAutodesk社が提供するFusion360やTinkercadなどのフリーのモデリングソフトを用いるのが、情報収集含め良いかと思います。むろん有償の良いソフトも多くありますが初めの一歩としてはふーな環境が始めやすいですよね。

ご自宅のマシンの環境がMacであったりWindowsであったりする場合にもこれらのソフトウェアは対応をしていますが、Windowsの32ビット環境ですといろいろと制限がございます。造形設計を行う場合、旧来あった123Designは32ビット環境で動作していましたが、サポート終了となりダウンロード先はなくなりました。後継のソフトとしてはTinkercadがオンラインソフトではありますが32ビット環境でも動作します。ネット接続とアカウント登録が必要です。

組み込みの里の古いパソコンは32ビットのものもありこちらで動作確認しています。

続) 細かくて強度のある適当な精度の必要なもの・・・を沢山作る

問題解決にはならなかったという報告から始めます。

前回、精度よくABSでサーボモーター用のホーンが作れたという報告などをしましたが、実際に利用いただきましたところ「使えない」ということになりました。

青いパーツが前回ABSで製作したものでしたが実は対象のサーボモーターのギアとの収縮率が異なり温度依存でかみ合わないのです。

結論から言えば、ナイロンで作り直すことになりました。噛みこみ部分のギア側をみても少し工夫が必要なようです。21歯のギア作成から作ってきましたがピッチはそのままに三角で近似することにしました。

拡大に使用してきたUSB顕微鏡がハード的に使えなくなり環境側の問題も出てきたりして対応に時間を割かれていましたが、さらにヒートベッドの温度センサーも故障したようで、とりあえずヒートベッドの交換手配をしています。こちらも届いたら故障側のものも見てみる予定です。現在は計測温度が0Cとなっています。

 

 

 

 

3Dプリンターを使うとPC以上にparts改修が増える

image3Dプリンターが二系統そろったので、懸案事項の対策に乗り出した。古いプリンターの大規模改良に取り組み始めると、新型の保守でメカ的により安定動作が期待できる耐久性の高い措置が求められると予備に次の基板を作成してターミナルで接続するようにしておいた。

imageしかし、さっそくそれを投入しないといけないということが判明して3Dプリンターにとってのextruder部分に掛かる配線系統へのストレスもかなり存することが判明した。それだけに古いプリンターに適用する軽量化などは機械的にも重要なファクターになりそうだし、配線系統についても再考がもとめられそうだ。

 

 

image三つのパーツに分けて作成したExtruderマウントもうまく使えるようだ。以前課題となったE3Dの放熱フィンへの送風ファンのシュラウドが溶けるという課題があり、アルミで作成していたのだが、予備の樹脂カバーが残っているので暫く様子をみつつアルミ製のシュラウドを再度検討する。懸案事項は増えていく。

 

 

image搭載予定の現行モーターは厚み(40mm)があって、入らないことが判明していたが、確かに無理だ。NEMA17のモーターは最近は奥行き24mmのものが出ていて、これを発注しておいたのだが、金曜配送予定のFedexは遅れて平日配送のみのビジネスなので結局持ち込めなかった。

 

 

 

 

imageNEMA17の規格が3Dプリンターではdefactとなっていて進化もしていて、既に奥行き34mmのものは一般化していてAmazonでも購入できるようだ。このタイプは新型プリンターにも搭載されているので予備品にも充てられるので手配することにした。

サイズ的にもbaseを再設計すれば乗りそうなので、MESHMIXERで加工して新型プリンターで出してみた。GTベルトの位置を左から右に移動してみた。

写真では奥行き40mmのモーターなので、実際にはあと6mm短くなる予定で何とか整備確認の手順を踏めそうだ。

 

細君に言わせれば、パソコン以上に未完成の機械なのねということになるのだろう。

[更新] OpenSourceは自己責任で使いこなす

オープンな世界は自由なのだが、使いこなしは使うユーザーに掛かっている。進化しつつあるパッケージがオープンソースになっているからといって、結局持て余すようなものに手を出して収拾がつかなくなったりしてる事象を吠えている人がいたりもする。

組み込みの里では、最近では使っている3Dプリンターのファームウェアのカスタマイズなど見える範囲で必要に迫られてやっているのだが、3Dデータのように公開されているものについても、よく活用させていただいているので、私自身も新たにカスタマイズしたり、起こしたのものについては上げるようにしている。

3Dプリンターと向き合いだして三年以上になるのだが、プリンター本体の精度も機構もパーツも次々と進化していくのをトラックしてきて、ようやく使いこなせているかと思いきや、最近では、購入当時のフィラメント長者(使わないのにまとめて買いこんだ)として選択していたものが思いのほか品質が良かったことが再認識されるに至り。最近購入しているフィラメントの性質などからフィラメント表面の状態などから「からまりやすい」という事態が生じていた。

imageフィラメントを送り出すスプールの取り付け方法の工夫で、どうやらスプール幅のセンター位置に合わせて取り出すということが一つの解決策のようで、新たに購入したプリンターにも、そうしたガイドをつけて解決をみていた。

 

 

 

image古い進化をしつづけてきたプリンターについてはスプール受けとして単純な構造のものをつけていたのだが、このフィラメントの表面の癖・抵抗といったことからフィラメントの送り出し方向とRobo3Dプリンターのスリットが合わず抵抗を助長しているという認識が失敗の履歴から見えてきた。すでにセンタリングガイドをつけてはいるものの、フィラメントが角に引っかかるという点では、配置方向が間違っている点を直さないと解決しないわけだ。

 

 

 

そして、その解決にはスプPreviousールの取り付け方向を正面に向けたオープンリールのような形にすることであり、そうしたスプールは一時取り付けて気に入っていたのだった。

うまく使えていたスプールを使わなくなった理由は、強度だった。かなり大きな構造だったので当時のプリンターではABSでは出力できずにPLAで作らざる得なかったし、また設計データをSTLレベルで強化しようというアイデアにまでは至らずに丈夫そうな簡易な構造のものに移ってきたからでもあった。この構造だとちょうどセンターに取り出し口がスリットとしてできているのでセンタリングも不要なのだった。

今は、MESHMIXERのimage活用でSTLの直接編集にも習熟してきたこともあり肉厚を高めるための方法や、ほかの改良点なども含めて再度挑戦する価値のあるものとして肉厚と高さをそれぞれ大きくしたものを作り昨日の夜から印刷している。今晩には終了する予定だ。使っているほかのボルトやベアリングなどの機構部品も残っているのでそのまま使えるはずだった。

 

 

今回は前回の記録が残っていなかったので、再度THINGIVERSEのサイトから作者のデータをダウンロードして必要な改造を施して作成を開始した。印刷も終盤にはいり、どうも出来上がりの結果と適用するはずのボルト径とがあっていないように見えて、中断して確認をしたが確かにM8のボルトで設計されているはずのものがM10のサイズになっている。サイトの説明ではM8になっているのだが、経緯については記憶がなく、今回は確認ミスとしてアダプターを作成してしのごうとしている。なにしろ一晩以上出力した結果を無駄にはできないのだ。

2016-08-23 (20)こんなアダプターを作ったりしてのを見てもらうのは恥ずかしいが、対応策としての事例として紹介しよう。

 

 

 

 

 

imageなんとかうまく下駄が出来たようです。
ベースはPLAでしたが、下駄はABSで作りました。

丸一日出力にかかりましたが、物理的なボリュームでRobo3Dでないと出来ないかと心配もしましたが、Replicator2互換機でもなんとかだせました。

今後の使い分けは、大きなボリュームのものを荒くだしても良いものにはRobo3Dで0.3mm厚みの層構成で出力対応で、Replicator2互換機では0.2ないし0.1mm厚みでの出力対応で行うということになりそうです。

難しい3D造形(STL)を簡素化して利用作成する

2016-08-233Dプリンターの良いところは、難しい造形も3D設計して印刷すれば出来上がることであるのだが、安価なFDMタイプのプリンターでは変形や積層はがれなどいろいろな課題がある。

さて、表題の材料は、左の三次元データである。よく調整のとれたプリンターで支持材を指定すればできるかもしれないのだが、このままでは完成には、おぼつかない。

 

そこで、凡そ三つのパーツに分解して、はめ合わせて接着するほうが各部品の仕上がりならびに積層方向に基づく強度も高まるはずだ。

そこで使える道具はAutodesk社のMESHMIXERだ。面カットとシェル分解で切り分けていく。オブジェクトブラウザーで対応のパーツのみにしていくのが進め方だ。最終的に結合して以下の三つのパーツになった。

2016-08-23 (2) 2016-08-23 (3) 2016-08-23 (4)

imageそして出来上がったのがこちらだ、勘合部分は、ちょうどよかった。ABS接着剤で接着した。

[注意] STLファイルの加工について続報 Meshmixer

既存のSTLファイルを加工して利用する場合についてデータ出力で問題となる場合がわかった。

imageこの写真の例では、左端のデザインをベースにして一部の脚のみを分割して伸ばしたいというものだったのだが、真ん中の事例は、そのままやったことが明確なままに部材も分断されて出てきた。

右側の事例は、そのことが判明したので対策をしたものです。Meshmixerで面カットなどで分断した場合で別の部品や拡張した形で接続しようとする場合に起こりました。

Gcodeベースで確認すると違いは次の通り。

スクリーンショット (55)結合しただけの状態で出したSTLファイルは実際には内部は結合していませんでした。Mattercontrolでgcode生成した場合の第一層の写真です。

 

 

スクリーンショット (53)結合した後にMake solid(固体化)というアクションをとることで作ったSTLファイルでは綺麗に内部が固体化されたのが確認されました。

 

 

必要な手続きをMeshmixerで再確認すると

スクリーンショット (44)これが内部で固体化されていないSTLファイルを読み込んだ状態でObject Browserを開きました。

スクリーンショット (45)

 

Edit->Separate Shellを実行すると内部に三つのパートがあったことがわかり分解されました。
Object Browserで三つのパートを再選択して、Combine(結合)します。

 

 

スクリーンショット (46)Object Browserでも一つになりましたが、これではもとに戻っただけですね。

スクリーンショット (49)

 

 

Edit-> Make solidを選択するとメニューが出てきますので、固体化する際の精度などを選択できます、ここではsolid accuracyを最大の512にしました。そしてacceptを実行すると

 

 

スクリーンショット (50)Object Browserにもう一つのデータとして名前に(solid)が付加されたものが作られました。

 

 

 

スクリーンショット (51)固体化していないオブジェクトを一旦Object Browserでゴミ箱に入れて

 

 

 

スクリーンショット (52)このオブジェクトに対して、Edit->Separate shellを実施すると出来ないよとアラートが出ますので、これで固体化が完了しました。

 

 

スクリーンショット (54)Object Browserで、固体化したオブジェクトを選択した状態でFileメニューからExportを選んで、STL形式で出力することで完了となります。

 

 

 

 

 

[作業メモ] STLファイルの加工について Meshmixer

3Dプリンターを使い始めると、パソコン創成期のように自分で改造していくということが頻繁に発生するようになる。完成品というには、似つかわしくない進化する道具といえるだろう。カスタマイズが共通だったりする場合も、オプションが異なる場合なども含めて共有されるカスタマイズパーツのSTLファイルはthingiverseなどのコミュニティに提供される共有フォーマットとしては有用なのだが、加工をベースにした場合には123Designなどで開いても加工できないケースが多い。

今回は、Robo3Dプリンターに保温カバーを取り付けるという長年の懸案事項に踏み込んだ為にスマート液晶コントローラの取り付けパーツを変更することが必要になった。

2016-07-20 (1)左側の3Dデータが、従来使ってきたものだが、今回取り付け位置を右にずらす必要から、右側のように3Dデータを変更してパーツを作成する必要がある。

踏み込んで使えるように、今回はMeshMixerというAutodesk社のツールを用いて、こなしつつ学ぶことにした。

 

行うべき手順は、取り付け部分のパーツをカットして、スライドしてということなのだが、実際には、それだけでは済まなかった。

Plane Cutという機能で切断面を当該部分の根元に当てようとすると、角度の調整が難しいのである程度あわせて切断面を前後に移動させながら角度を追い込んで適当な位置を求めた。
2016-07-20 (2)写真の下のほうでカバーの一部が、この切断面で切れてしまうことが分かったので、あらかじめ、このケーブルカバーを根元で切断して保存しておき、あとで結合することにした。

 

 

2016-07-20 (3)切り出されたオブジェクトはObject Browserに追加された。この部分を非表示にしておいて、本体の部分のカットに取り掛かる。

 

 

2016-07-20 (4)ある程度のところで妥協すると断面は、すこしスカートが残ってしまうことになった。このままスライドしてもつながらないので、それは断面をextrudeして伸ばして面に接地されるようにしなればならないが、適当な厚みで重なっても問題はない。

 

2016-07-20 (5)切断するとこの動かすべきパーツがさらにObject Browserに追加された。

 

 

 

2016-07-20 (6)移動させてみると断面がおかしなことになっていることが判明したので、これを修正する。

 

2016-07-20 (7)

修正には、Analysis->Inspectorで断面をFlatFilでAuto Repair allを実施してまずはベースの修正を完了したので、このパーツを非表示にして移動した部品の断面を伸ばすことにとりかかる。

 

 

2016-07-20 (8) 2016-07-20 (9)案の定切った断面の前処理が必要なのでベースと同様にAnalysis->Inspectorで断面をFlatFilでAuto Repair allを実施し処理してみる。

 

 

これでこの断面を伸ばすことに取り掛かれる。

 

 

 

2016-07-20 (10) 2016-07-20 (11)selectの画面で、左クリックする少しずつ領域が選択されるので、繰り返し残りの領域を選択して全面あるいは少なくとも周囲を押さえることが必要だ。

 

 

まじめに全部選択してみた。

 

 

 

2016-07-20 (12)Edit->Extrudeでメニューがでるので、ここで長さを調整する。おそらく3mmもあればかぶるので適当なところでAcceptをする。

2016-07-20 (13)

 

非表示にしていたメイン部品を表示にすると重ね合わせが出るので少し長いが問題ないと判断するか調整をするか

 

 

2016-07-20 (14) 2016-07-20 (15)三つのパーツがそろったので、Object Browserですべて表示させて、シフトおしながら選択して、EditからCombineを選択して結合させる。

 

 

Object Browserでも一つになったことが分かるので、これで一応目的は達成した。最後に出来上がったファイルをSTLフォーマットでExportして完了だ。

Robo3DにもABS保温カバーを作ろうPart2

imageさて、左のRobo3Dプリンターに保温カバーを取り付けるとなると、課題がある。どこかというと

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そう、制御コンソールの取り付け位置が保温カバーのそれと当たるのである。

 

 

 

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背面にある取り付け部品をずらすことが必要なのだが、複雑な形状のSTLデータの削除は大本の3Dデータのものがないと難しいのだが、STLファイルを直接いじるツールも存在するが使い勝手というと、粘土をいじる感覚のような使い方を念頭にしているようで正確な部品を作るといったことには向いていないようだ。そんなMESHMIXERを使うことにする。このソフトもAutodesk社から提供されている。

 

2016-07-17左側のSTLファイルを必要な角度で面でカットして(Sliceする)、当該のパーツをトランスフォームのメニュから移動させて右側の形にして、STLファイルとして保存した。足元のカバーの長さも若干カットが必要だ。