3Dプリンター Y軸スリップの要因考察など(1)

里にある最新の3Dプリンターは、1ノズルのこの機種だ。2ノズルの上位モデルよりも下位機種のこのモデルはコントローラもCortexMで強力で表示もカラー3D表示を行いタッチパネルでATMEGAの上位機種よりも高機能となっている。

いずれにしても、3Dプリンターの性能としては安定動作が続くのかどうかが課題なのだが、そうした点では、まだコストダウン競争のせいなのか未だ及第点を出せるようなものではないような気がしている。

 

      先日、従弟からいただいた革の小銭入れにレーザー加工でイニシャルを入れたところ、細君も気に入ったようで、細君の温めていた自作の作品が出てきて、イニシャルをいれることになった。

前回は、フォーカス距離を適切にしなかったこともあり今回はシャープな文字を出そうと考えたのだが・・・

 

彼女の作品は、厚みがさらにあってレーザー加工機のヘッド保持機構が挙げられないことが判明した。

その保持部品はアクリルでレーザー加工されて作成されているのだが、5mmのアクリル板を加工できる高出力な加工は出来ないので、3Dブリントで作ることにした。

この部品のスリットになっている部分を上に20mmほど伸ばして、取り付け位置のビス穴は現在のままで全体の高さをこちら側だけ延ばすことになる。

ノギスで穴径サイズや長さなど主要な項目を測り3Dデザインのソフトで2次元の図を描いて、5mmの厚みに押し出すわけだ。適宜角を丸めたりもするのだが・・・。

簡単な加工で直ぐに出来るつもりだった。

 

しかし、印刷途上で各層単位でずれて斜めになるという現象が生じた。ずれた方向はY軸だ。考えられる要因の一つは、レベル設定がとれていなくてY軸において水平がとれていないことが考えられた。調整を取らずに始めたことを思い出して、レベル調整をしたうえで、トライしなおしたが同様な斜めの結果となった。

 

3Dプリンターの切り分け方法の一つとして印刷速度を下げて見るということがあり、80mm/秒で出力していたのを60mm/秒まで下げて見た。

今度は、斜めになることはなくて、ある程度の段階で大きくずれるという現象となった。印刷速度以外に、ノズルから樹脂を出さないトラベル速度というものがあり、これが100mm/秒となっていたことを50mm/秒に下げるということを設定して現在トライしなおしている。

3Dプリンターでのこうしたトラブルは、コネクターの圧着不良だったり、移動するヘッドに搭載されているモーターへの配線材料の可撓性が悪かったり、配線の保持に無理があって移動を繰り返す際にストレスがかかったりして断線を引き起こしたりもするようだ。最近の3Dプリンターでは、フレキシブル配線に切り替えたモデルもある。なにせ中華材料での線材の品質としては柔軟性には少し疑問が残る点もあり、見直すべき点とは思う。

しかし、今回のケースはY軸のモータへの配線がおかしいか、Y軸のモータードライブ能力が不足しているかの点であり、実はY軸のモータは固定されていて移動しないタイプの実装となっているので、その点からは配線材料の問題ではないと考えられる。トラベル速度を低下されることで解決になるとすれば、モーターの駆動トルクが不足していて長い距離を高速で移動した際の慣性を十分にコントロールできないということが理由かとも思う。

ステッピングモーターの保持力は、ドライバ基板での電流設定で決まるので、その設定値を確認することが次の対策となりそうだ。いずれにしてもモーター配線ケーブルの品質については何度かトラブルになっているので交換しておくにこしたことはないのだが・・・。

とりあえず課題認識したうえで、別のマシンで出力して、目的の皮作品へのネーム入れは出来るようになった。

 

 

 

 

 

 

サークル時計のケースを作ってみた

残り物のABS材料で足りるかと思ったが足らなかったので余っていた中途半端なフィラメントで息継ぎをしたところ、結局サイズ間違いが見つかったので作り直しになった。

 

 

 

 

 

新しいフィラメントで気を取り直して出力する。ABSなので取り扱いは、楽だ。

PLAの保管箱の乾燥剤のメンテナンスは必須で、吸湿してしまったフィラメントはボキボキと折れてしまい使うものにならなくなる。

さて、サークル時計の上側の基板は欠きとって目覚まし時計の雰囲気になった。

 

 

 

データは、Thingiverseに上げてあるが、時計キット自体が似たようなものでも差があるので、ビスの穴位置は手持ちのキットに合わせていただく必要があるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

残りも

BeagleBoneでガイガーカウンター

新年早々の寝袋ハッカソンは、理科大博士課程の学生さんが久しぶりに里を訪ねてくれたことにより始まった。テーマは何をするのか聞くとセンサーの勉強がしたいというので以前彼がトライしていたBeagleBone BlackにシーエーさんからいただいたGeigerShield (BlueV1)をつなぐことで始まった。

最初の障壁は、BeagleBoneの環境を整えることだったがBeagleBone用のHDMIケーブルの探索から始まった。USBキーボードと接続して、表示が出て彼のBoardが動作しているのは確認できたのだが、彼はパスワードをロストしていた。もう二年前の話なのだから仕方ないか

パスワードのリトリーブはあきらめて、最新ソフトでフラッシュしなおすことにしたのだが、ここも間違いの始まりだった。4GB以上のSDカードが必要だということで4GB/8GB/32GBのカードがあったので必要な環境をPC側にダウンロードした。SDカードのイメージ、SDカードのイメージライターなどだ。

書き込んだ、マイクロSDカードをBeagleBoneに装填してシステム更新を進めるのだが、手順としてのS2スイッチを押しながら電源を入れるということなのだが、USBで電源供給していたので先に電源が入り、スイッチを押してもブート書き換えが始まらないという顛末だった。

手順が再確認できたところで、スイッチを押しながらの電源挿入で書き換えの手順が始まったようだ。しばらく時間がかかるので書き換え後の処理についてのホワイトボードで説明しガイガーカウンターシールドが生成する所謂ガイガー管内を放射線が通過する際に通電が起きて、そのパルスを出力するというのがシールドの機能であってそのパルスの時間当たりの回数として計測して評価するのがガイガーカウンターなので、サンプルソースコードのArduinoのソースコードを見てもらい、シールド側のパルス出力端子の確認、ビーグルボーン側のGPIOのパルス検出の方法も確認してもらっていた。

しかし、書き換えが正常終了しないのでSDカードの確認をすると容量が3.3GBに減っていたりするし色々まさに要領を得ない。SDカードの規約規格からなのだろうが、サポートできるサイズが規定されていた過去との互換性などから能力としてのサイズではなくて見た目の最大容量を書き換えてみせることが出来るようなので、こちらについては課題ではないことが判明した。

時間経過で過去のことが再現できないのは困ったので現在やっている作業を見直してみるとBBB自体がeMMCの容量拡大というモデルが出てきていて彼がとりくんでいた最新のビルドは4GBのモデルでないと動作しないイメージだったことが判明した。泊まり込みハッカソンとして来ていたのでこんな時間を使ってもまあ楽しんでいるということだ。電子工作に興味をもつ理学部博士課程の学生さんであることを申し添えておきます。

さて泊まり込みハッカソンで帯域保証しない、否、品質保証はしない食事付という中で、基本的に自主勉強・実験されるのが目的なので彼は満足されたようだ。翌日はお汁粉を作ったりという割り込みをかけつつもBBBに搭載されているCloud9環境での作業が出来ることを確認したのでガイガーカウンターシールドにソケットをはんだ付けしてガイガーカウンターからのパルス接続を行う過程で、デバック方法としてのスイッチ配線やその結線などのレクチャもして彼の理解を深めるようにした。

半田付けも、数年前に彼が来た時にラジオ作成をしていらいだったのかもしれないのだが、すっかり金属接着剤のような取り扱いになっていたので、鏝先の濡れ性確保と部材双方の加熱と半田の添えという手順を再度ポイントで伝えて、またたくさんのピンのあるソケットで残りを満足のいくまで仕上げてもらった。

こうした分野を異なる学生さんも、いまどきの興味として電子工作から入る、電子回路などの実験を行える設備として、これからも週末の開放は続けていこうと思うしだいです。一日で終わらないことは土日か保管させていただいて次回の訪問でというパターンもあります。だんだん家庭の工房も充実してきた方もいらっしゃいますが、のんびりと田舎で電子工作するのは楽しいようです。