X-ONE 3Dプリンターのモータードライバー調整

QIDI社のX-ONE 3Dプリンターは、低価格モデルだがしっかりとした作りとなっているものだ。

少し大きな底面積の造形を行ったところトルク不足が起因と思われるズレがY軸方向に見られたので、各軸のモータードライバーの電流設定を行うことにした。以前サポートに問い合わせをしたところこの調整方法については開示してもらえなかったので搭載しているモータードライバーを制御基板を外して確認した。

コストダウンの目的でモータードライバーも基板に実装されていて交換は不能となっている。また制御CPUはSTマイクロのSTM32F103ZEで大型フラッシュ内蔵だ。

A4988などのレファレンス通りに作られていると仮定するとポテンショメータの中点がレファレンスとなるはずで、どこかに電流測定用の低抵抗がシャント抵抗として実装されているはずだ。

大きなヒートシンクを外すとR100と書かれたチップ抵抗が二つ見つかり、これがシャント抵抗0.1Ωだ。チップのマーキングからA4988だということも判明。

パターンを追いかけたところ、ポテンショメーターの中点ではなくて右下側がレファレンス電圧ということが分かった。

X-Y軸のステッピングモーターはNEMA17の42×38サイズのものなので定格電流は1.7Aなので7割くらいで使うとして、レファレンス電圧で1.00Vにしてみた。1.25Aだ。QIDIグループで得た情報では、X-Y軸の設定電圧は0.62-0.66Vということだ。0.775-0.825Aがお勧めというのはトルクは抑え目で発熱などのトラブルを回避したいということのようだ。

πDuinoの部品サポートとか

RaspberriPiに接続してI/O拡張しようとするπDuinoがトランジスタ技術の付録基板で添付されている。揃えにくいパーツもありセットで斡旋してくれる業者さんも有難いし、パイゼロを持ち合わせていない人には実は少し手に入れやすいかもしれない。もとより組み込みの里では、地元の学生さんの便宜を図ろうと電子部品の在庫を始めたような経緯もあったので少し偏った在庫かもしれない。今回の雑誌記事の指定でいえばパイゼロと接続する高さのスペーサだったり、コンタクトをとるためのスプリングコネクタピンだったりする。コネクタピンは従来は試験冶具などを作る際に必要なものと考えていたのだが、高密度基板にコネクタもつけられず接触ランドのみを用意しているというのが新しい点だった。何か別の記事でもパイゼロで使っている事例を見たので今回は手配を試みた。といってもこの種の部品は数量が少なくてはとりあってもくれなかったりする感じの値段だったりもするのだが、最近はモノづくりの主戦場が中国になっているので実は中華市場の通販では結構やすく買えたりするみたいだ。

購入をきめてはみたものの春節のシーズンに入ったので物流や店の対応が停滞しているのでようやく出荷されたという表示になったので来月には届くのだろう。パイゼロとの接続のこのコネクタピンを除いては揃えることが出来たので、必要な人は製作の場所提供とパーツの提供とを合わせて可能となっている。里までの交通費が嵩むというかたもいるかもしれないが・・・。材料費と一日の使用料で2500円ならばいかがですか。

ArduinoがMakeの流れの冒頭にあったものであり、組み込みの里の開設もそうした流れの中で自然発生したので、知己のちっちゃいものくらぷさんから分けていただいた「なのぼーど」・「ちびでぃーの」などが五年前からの付き合いとなっていて、当時のキットセットなども買い込んでおいたのがストックとなっている。基板の改版もつづいていたようなので、実際のところ持っている基板に必要なパッチ記載などの基板識別は難しかったりするし、作られた方の記憶からも揮発しているので怪しいパッチは導通確認して確認してから行ったりという流れだ。

今回のπduinoの位置づけはRaspberriPiのセンサー強化シールドのようなものになっているのでI2Cセンサーなどが各種繋がるGroveコネクタが装着されている。このコネクタもちょっと特殊だ。出しているメーカーはSeeed Studioで2mmのPHコネクタに似ているがちょっと違ってロックが出来る構造だ。最近のフィジカルコンピューティングではセンサーとの接続の標準の一環になっているようなので千石、スイッチサイエンス、マルチなどで買えるのだが、気を付けないとPHコネクタをつかまされるかもしれないので注意しよう。

左がPHで、右がGROVEでこちらにはロックがついている。ケーブル側にはロックのないものもある。

 

 

 

 

上から見ると互換性がないことはわかる。似たようなコネクターにはFaboのものあるが、こちらも互換性はない。

VS 2015 CommunityがDドライブにインストールできない

道具作りの必要に駆られてVS 2015 Community(旧Express)をインストールしようとしたのだが、秋の少ないCドライブではなくてDドライブにインストールできないという事象となった。インストールパスがグレイになっていて選択できないのだった。

調べたところ既にインストールしていたAtmel Studio7が Visual Studioベースとなっていることから、影響されてしまっているようだった。まずはAtmelをアンインストールしてVS関連をさらに取り去ることで、VS 2015 CommunityのインストールでスムーズにDドライブを指定できるようになった。Atmel7もこの後に再度Dドライブにインストールしなおすことにする。

ASUSのこのマシンは256GBのSSDをパーティションを二つにして使っているのだが整理しながら整備しています。

バッファローアクセスポイント問題

今週から、都内某所で組み込みソフトウェア開発の仕事を手伝っているのだが、こじんまりとした会社で小さなオフィスビルのフロアをいくつか使っているという雰囲気で主に計測器の製造開発をされているのだが・・・。オフィスが坂の途中にありエントランスは二階になっていて、技術のフロアとして使っているのが地下となっている。途中の一階には別のテナントが入っているという次第だ。地下での作業となると携帯の電波はとても弱くなり、いわゆるWifiオフロード作戦となって会社のWIFIをお借りする次第となった。

組み込みソフトウェア開発環境といっても昔のようにHP64000が鎮座しているようなクロス開発マシンの時代ではなく、ノートパソコンにUSBで接続されるマッチ箱程度のJTAGプローブでターゲットにつなげば、完成してしまうのが実情であり携帯チップビジネスに参入した時代から考えても隔世の感がある。セレロンのマシンに開発環境用のUSBドングルを刺してネットインストールするわけだが、有償開発環境のそれはEclipseでGCCでツールをそろえていて幾つかのデバッグの助けになりそうに思われるカタログ訴求ポイントを排除した無償バージョンも提供されているようだ。

問題は、使われていたバージョンが古かったのでGCCのバージョンが気になり、コードサイズも気になったので合わせて無償環境の最新版もインストールしようとしたのだが、どうにもインターネットがおちまくるのだ。正確にはアクセスポイントが問題となるようで、有線LANで接続してまずはそれらの対応を済ませて、二つの環境の構築と管理されていたソースでそれぞれビルドができて、実機にJTAGで書き込み制御できる点まで確認をしたうえで、改めてコードの精査とハードとシステムの学びを行っていた。

二日目には、リーダーがアクセスポイントの予備機を持ち込まれて安定化したものが設置されたのだが、気になるのは不安定な環境はどこかで里で使っている世代のB社のアクセスポイントであり、持ち込まれたアクセスポイントは家で使っている世代のB社のさらに古いものだった。何か壊れているのだろうかという思いだけで記憶にとどめていた。

週末になり、里にきて仕事場と同様の無償環境ベースで環境構築をしようとしたところ、異様にネットが遅い。なんとなくデジャブだ。ONU側の富士通のルータが悪いわけでもなさそうだし、そしてアクセスポイントはバッファローだった。speednetで測定してみても上りは50Mbpsでるのだが、下りは13Mbpsという状況だ。アクセスポイントの設定を開くには例によってFirewallを各種止めないと設定ポートが開けないという事態だったが、アクセスポイントのIPアドレスの整理が途中だったこともあったので再整理して静的割り付け範囲に置きなおした。

解決しないので、遅いなりの環境下で調査をしてみるとバッファローのACアダプター問題というスレッドを発見した。問題のスレッドによると、どうもACアダプターが2Aの提供が出来なくなっている問題があるらしいし、それとは知らずに買い替えてしまった人などの被害もあるようだった。幸い12V2Aのほかの電源アダプターがあったので差し替えてみたところビンゴだった。speednetでも40Mbps程度出るようになった。明らかに電源劣化していてアクセスポイントをドライブできていない様子だった。

となると、今の会社のアクセスポイントも同様なのだろう。中身を見てみたい・・・。
まあ、里を開設してから4年が経過していますので寿命なのでしょうか。