中華デジタルオシロスコープの付き合い方

最近では、アマゾンでも普通に販売している中華デジタルオシロスコープです。デファクトとも言えるテクトロなどと同様なUIでとても安価で十分な機能を持っていると判断されて勤務先の高専でも活用されている。10年くらい前から安いオシロスコープとして秋月電子などで取り扱ってきたがSTN液晶だったり、TFT液晶に変ったり進化をしていたのを見ていた。4年前に産業技術高専で非常勤講師を始めたときにはPDS5022がTFTタイプとSTNタイプとが入り混じっている環境だった。

学生実験でオシロスコープを学ぶというのは高専では必修いや必須だろう。学生時代に岩通のSS5302の退役品を先生方が企業や大学から収集してきてくれたものを使い込んでアナログオシロで勉強した。起きた事象を子細に確認する遅延掃引の使い方を習熟することで、その後のデジタル信号を確認するときなどにも役立ったのを思い出す。「これを理解して使いこなせれば企業で困らない、なぜなら企業のものは最新型でもっと楽だからだ」と言われたのは実際事実だった。テクトロやHPのものでも違いはないし、就職先自体にも測定器部門があったのでそれらも同様だった。

測定器自体は、長く使う物なのでしっかりとした部品で構成されていることが必要なのだが安価な測定器として位置づけられた中華製オシロに席巻された時代では直して使うとか、よりも買い替えるという話に最近の学校ではなってしまうようだ。当初の世話人となっていただいた教官はそんなオシロを直して部品交換をしたりして使いこんでいこうとされていた。内蔵のリレーがおかしいと購入しようとしてもディスコンになっていて買えないと嘆いておられた。

当時中華マーケットでの部品購入が私としては普通に行っていたので検索してみると、当該の部品も見つけることができたので発注しておいた。しばらくして届いた部品は中古品でいわゆるジャンク基板が取り外した物がマーケットに出回っていたのだったが動作確認すると使えそうだったので、それに交換したりしてしのいだことを思い出した。ロボコンに参加する海外の大学生がジャンクから基板を取り外して部品利用したりする映像を見ていたので、こうした活力が日本でも必要だと感じたし、創立当時の高専の雰囲気は今の海外のそれに近いものだったと思う。

さて、非常勤勤務を続ける中でそんなオシロも10年近い歳月を経てリニューアルすることになった。とはいえ元々のモデルも組み込みの里の旧いテクトロに比べれば新しいものだったし、画面をコピーするのにプロッター翻訳機能付きのHPIB-USB変換で接続したり、フロッピーディスクにしまったりといった塩梅だった物とは異なって、USBケーブルでパソコンと直結して機器制御や画面コピーが出来るものだった。Windows-XP世代のパソコンにインストールされたそうした対応ソフトやドライバなどが複雑にからまり収拾がつかなくなりつつもあった。

リニューアルされたモデルはSDS1022という100MS/s 帯域20MHzというもので学生実験には十分なものだった。USBメモリに画像データとして保存する機能も付いたのでパソコンとの分離もできるようになった。すでにXPパソコンも時代遅れのスペックとなりSSDに交換してWindows10にまでは更新したものの内蔵RAMが1GBといったモデルなどがありこちらも交換必至だ。なにより内蔵電池が使えなくなってきている。

昨年からこのモデルを使ってきていたので、同様なモデルを里でも一台購入したUIは同一の上位モデルだ。1GS/s 100MHzという帯域なので里のテクトロよりも良いものだ。学生達は新しいマシンになってUSBメモリを介して自分のパソコンで実験解析をexcelで行ったりしている。道具がよくなったからと言って基本を学ぶ学生にとっては、躓くことも多くてレポートを見ていると見よう見まねで実験を実施して最後レポートの段階で落とし穴にはまるケースもあるのでフォローや資料整備が大切である。

使い込んだ学生も出てきてオシロスコープにカーソルを出して解析データに使いたいのだが画面コピーが出来ないという問題が発せられた。カーソル機能を使うと、拡張ノブを用いて垂直・水平の計4本のカーソルを選択して移動させるのだが、このモードでcopy釦を押して画面コピーを実施すると退避ファイル名入力のUIが出るものの拡張ノブでソフトキーボードの移動が出来ずに元々のカーソルが動いてしまうのだった。バグだ・・・。対応策はcopy釦ではなくて、メニューからcopy機能を呼び出す手順でするしかないようだった。

自宅に置いてあった上位モデルを確認したところ同じバグが再現できたのでメーカーである中国OWON社のサイトを確認してソフト更新などがあるのかと検索してもどうも見つからないのでQA手順から問い合わせをしたところ、該当機器のシリアル・バージョンと再現動画を送れという話だったので携帯で動画撮影したものをOneDriveで共有したリンクを送りなおしたところ当日の夕方には対応したという新しい版のソフトが届いたのでインストールして修正が確認された。

続けて学校で用いているモデルでも同じ現象が出るので直してほしいという連絡をしたが、手順としてシリアル・バージョン・再現動画という3点セットを要求されたので金曜日に夏休みの学校を訪れて一時間ほどかけて再現動画採取と各セットのシリアルとバージョンを調べて送付した。1週間ほどで対応ソフトが届いたので、また土曜日に学校を訪れて動作確認をした。問題の点は治っていたようだが、こちらの確認手順が悪くて少し混乱した動作になり問い合わせを送ったところ再現動画を要請されて、また月曜日に学校で確認してみるとソフト更新の結果で設定がリセットされてcopy釦の動作自体が詳細データの保存という機能になっていて画面保存のUI動作にならずに書き込みが始まっていたことが分かった。こちらの落ち度だった。

中国メーカーの対応は真摯で迅速なもので現行商品の性もあるだろうが適切に対応してもらえるのはとてもありがたいものだった。このような形に測定器のモノづくりが置き換わっている状況をみて、従来のメーカーでの対応とはまったく異なってきているのではないかと感じる。自分自身も21世紀になってから携帯ソフトのサポートをしてきたものと同様な形でサポートがなされていることについては、改めて中国のモノづくり現場でのサイクルがかわっていることを再確認した。

中華メーカーの製品だから、この程度のものとタカをくくって使っている方がいるとしたら今一度そのメーカーと向き合ってみたらというのが私の感想だ。今回のメーカーはOWON社だった。オシロスコープのUIはどうもAndroidで出来ているようだ。ライセンス不要で使い倒すという仕組みとして活用しているのは逞しい中国メーカーだなと思う。測定器を立ち上げてWindowsロゴをみることもなく使いこなしているのがこれからの時代なのだろう。

思い立ったら組み込みの里で実験しよう

赤外線リモコン開発に挑戦中

日曜日にはバイトがないというN君は、思い立って土曜日に組み込みの里に連絡を入れて、作業をしたい旨を伝えてきた。赤外線リモコンの開発をしたいということを伝えて使いたい設備はオシロだと伝えていた。

日曜の来訪に備えて、たぶん使うことになるロジックアナライザ(ロジアナと略す)を使えるようにまずは、使用ソフトをインストールしていたマシンのWindows更新を進めておき、また必要なロジアナのドライバーも更新してすぐに使えるようにしておいた。

使うはずの赤外線受光部と赤外線LEDも用意しておいた。

昼過ぎにやってきたN君だったが、オシロとロジアナを使えるようにしてみせて、まずはざっくり波形をアナログのオシロで見て確認してからサンプリング時間などの設定をするように伝えてロジアナで実際に見てもらった。トリガのかけ方と表示範囲の設定や取り込みメモリ容量の設定などを伝えたのだが、実際には使い方を次々と発掘してCSV にデータを吸い上げて解析を進めていたようだった。やるねぇ高専生・・・。

現在は、アパート生活をしている専攻科生のN君だが、部屋のインフラとしてスイッチなどが無くてリモコンだらけなのだという。これを解決するソリューションとしてArduinoで学習リモコンを作ってカスタム仕様のスイッチを付けたいというのが彼の発想だったらしい。

持ってきたリモコンのうち、一つはニトリの掃除ロボットのリモコンでこれだけは、赤外線ではなくて2.4Gの無線制御だった。これについてはいろいろと調べていたようだが結局スタートキーだけをハードハックしてArduinoからスタートが制御できるようにするというのが彼の判断だった。

ニトリのリモコンの開封が一つのハードルだつたがなんとか達成して、里のワイヤストリッパーも堪能してもらい分解に必要な手業としての低温半田による組成変性で半田を溶かすということも体験理解してもらって分解に成功してリューターも使ってもらい線の引き出しに成功した。

赤外線の信号の動作確認がロジアナで取れるようになったので、まずは部品選定を進めなければならないスイッチハックの制御について実験をしていたようだ。彼の理解は、フォトカプラだったが実際にスペックを確認して無理そうだと理解したようだ。提案したのはトランジスタ、FET、最後はリレーだった。2SC1815と2N7000と3Vのリレーだった。実際にはFETはほとんど学んだだけで使ったことはないらしい。実際に馬力をあげて次々と確認していき、結局リレーに落ち着いたらしい。

とりあえず、こうした部品がすぐに手当て出来るのも、里のオープンラボの所以である。ホームセンターや秋葉に行かずともそろって実験が出来るのだ。

アイデアと腕さえあれば、彼のように次々と挑戦して新たな道具と対峙してキャッチアップして自分の思索を深めていくことが出来ますよ。

彼のデバッグは、まだ続くようです。里で見かけることがあれば声援してあげてください。

[Perseus] RFのスペクトル体験環境の整備

PerseusWindows10へのホスト環境移管で更新に手間取ったRFスペクトル体験のSDR受信機だが、実際には従来使っていたVAIO-Xというマシンを専任で設置していたので、今回の移管では設置場所も含めた使いやすさには問題が残っている。

VAIO-XにはUbuntuへのシフトを任命したので、サイズの小さなマシンを棚に突っ込んでディスプレイだけを見せるというのもできなくなってしまった。Perseusの環境としては一台専任で稼働させておけば、残りはリモートアクセスということも出来るのだが、当面マシンの手当てと場所がない。

USBのデバイスサーバーをアンテナ収容口近くにあるアクセスポイントと含めて整備して、そこにUSB機器をいくつかつないでおくことで自在にシェアが出来ればよいと考えていますが、はたしてどうなることやら。この種のマシンのドライバーがきっと未署名でWindows10に対応するには、ZdiagなどのWinUSBへの対応ツールが必要になるのだろうとは想定内だが・・・。製品は既にどれも終息状態のものばかりで流行らなかったようだ。

http://buffalo.jp/product/wired-lan/device-server/ldv-2uh/

http://zadig.akeo.ie/

 

 

[Windows10] Perseusの再稼働

土曜日に、訪問してくれたラジオ製作の子供たちに電波を見せてあげようとPerseus(イタリア製のSDR)を稼働させようとしていたのだが、今までは、あまり使い道のないATOMの2GBマシンのVAIO-XがWindows7で仕事をしてきたのだったがWindows10移行時代でUbuntuに宗旨変えしてもらっていた。そして、ペルセウスのソフト自体もあいにくとWindows10の壁にあたり準備がかなわなかった。AM放送やアマチュア無線をモニタするのと表示帯域幅でのリアルタイム表示などから目的によっては保有しているスペアナよりも見やすいものとなっているので、当日使ったPCスペアナで見せたニッポン放送などのブロードな波形では刺激が弱かったと反省している。

imageMFTにいき一旦自宅に戻っての補給体制に入るので、ペルセウスも持ち帰りWindows10で動作確認することを進めたところ、問題点はDriverの署名が必要となり同梱されていたzadigというツールで処理できた、またPerseusのライセンスファイルがUbuntu化してクリーンインストールしたVAIO-Xの中で消失したことも含めてPerseusのソフト更新(V5)と合わせてライセンスファイル購入をイタリアのmicrotelecom.itにお願いした。

必要なのは、PAYPAL の支払いアカウントでした。私のPAYPALアカウントでの住所入力は日本語化されていたので日本語表記にしていたが、外国とのやり取りで製品サイト側で確認するという目的で正しくコードがわたる気がしないので、ここをROMA字表記に変えることにした。あいにくと、県名フィールドは漢字でのリストからの選択しか出来ないのであきらめた。

Perseusのアプリケーションでライセンス申請を行う箇所では、英語しか受け付けなかったので心配だったが、ライセンス申請ファイルを生成して、メール添付して送付するともに、paypalで送金を行い、イタリアの月曜明けるのを待った。

2016-08-08日曜深夜にも関わらず手続きをしてくれたのか、朝にはライセンスファイルが送付されてきた。ドライバーは既に、サイトから落としたものを署名付与ツールに基づいてインストールして名称もPerseus RcvrとしてPCに認識されていたので、届いたライセンスファイルをPerseusのインストールされたフォルダに置くことで稼働することができた。

従来のV4までのUIと大きく異なることはなさそうだが、以下の機能が追加になっているようだ。

V5 software main features:
  • Resizable application window up to a HDMI screen resolution of 2560×1400 pixels
    • 2016-08-08 (2)確かにでかい画面で見ることができるし、一望できるレンジが広がった形になっている。

 

 

  • New, faster Digital Signal Processing engine
    • 処理速度も画面に応じた形であげられているようだ。
  • Much faster spectrum/waterfal screen refresh rate up to 120 lines/second
  • Much improved waterfall quality
  • Dynamic spectrum averaging for a more comfortable spectral view
  • Revised tuning options with better man-machine interface
  • Full support for XP/W7/W8.1/W10 Microsoft Operating Systems
  • Future support for split spectrum/waterfall display operations.

里に持ち込んで、アンテナが接続された状況で、使えるようになるだろう。

 

(Solved)怪しい電子部品 DS18B20

スペック割れの嫌疑をかけられていた中華市場のDS18B20ですが、問題解決いたしました。
結論は、使い方のスペック割れで1Wireのスペックを満たしていないソフトウェアで利用していたことが判明しました。オリジナルのソフトウェアではリセットパルスが333uSで480uSの規格を割っていました。この問題は、おそらくシステムクロックの動作速度変更を行った段階で、1Wireのタイミング修正を行わなかったことに起因していると思われます。システムクロックの周波数からソフトウェアタイミングが自動的に算定されるようなdefineを指定することで解決されるはずですが、組み込み案件では、こうした問題で実機確認で終わりがちなので注意が必要ですね。
2016-05-07 (1)

あいにくと8952(8051)のコンパイラでフリーで使えるものにはコードサイズの生成制限などがあり、とりあえず逆アセンブルしてHEXファイルからパッチすることにしました。

当該の1WireのバスラインはAT89S52のPort1のビット0を使っているので書かれているMCUかからイメージファイルをHEX形式で吸い出して、それからD52.EXEでリバースアセンブルして二箇所の修正ポイントを割り出して、リセットパルスとタイミングパルスのコードをバイナリで修正しました。結果は解決となりました。ただしくロジアナも解釈メッセージをつけて、デバイスが応答しているのも確認とれるようになりました。
2016-05-07 (2)

HyGain DX-88 バーチカル復活プロジェクト (3)

image一点、接続点の同軸コネクターのはんだ付けを確認する必要があり外皮とのはんだ付けが外れているようだったのでガス半田ごてを用いてはんだ付けをしたが、トーチにしてようやくはんだ付けは確認がとれる段階になった。

トータルでの導通は得られずやはり断線が起きているようなので、今回はアンテナ側からの測定を試みた。ラップトップにUSB接続のネットワークアナライザーを用いて野外で行った。

2016-05-03 (4)結果から、アンテナ側から8.144mとなり総長から考えると、埋設区間の地下ということになるらしい。昨日の結果と合わせると誤差も含めてケーブル交換したうえで断線個所の確認を再度行うべきかと思われます。

HyGain DX-88 バーチカル復活プロジェクト (2)

image アンテナベース部品は、出来上がっていたので天候もよく、アマチュア無線をされている知人の来訪もあり手伝ってもらいながらアンテナ再設定を行った。

再構築完了後、中華無線機に接続するも思ったように受信ができない。アンテナの不具合のようだ。

バーチカルの給電点はマウントで絶縁されていて内部で同軸のM座コネクターに配線されているのだが、内部のはんだ付けが外れていると考えて再度倒して確認したところはんだ付けが外れていた。ガス半田ごてを用いて苦労しつつも再建をしてコイルで外部終端していることからM座コネクターの点で導通があることも確認できたので、内部問題なしと判断した。

 

image

ところが、解決改善をみないのである。給電点で導通確認をしたので、ケーブル端でも確認できるはずなのだが、こちらでは導通が取れない。同軸が断線しているようだ。

5DFBを20mほど引き回しているので、ベクトルネットワークアナライザーを用いてケーブル長確認を用いて断線個所の判断をすることにした。

2016-05-02 (17)やはり、ケーブルが途中で断線しているようだ、およそ16mの点とのこと。地中埋設部分からの立ち上がり部分での問題のようだ。