組み込みソフトセミナーの教材を更新した(1)

昨年から始めたCQ出版さんが開催する組み込みソフトの入門セミナーを教えている。
元々特定のお客様からの要望で実際にブレッドボードに回路を組み上げて周辺ICを付けてドライバーを書いてアプリを構築させてシステムとして動作評価するという積み上げ型の指導を8日かけてというものだった。

今までのセミナー教材

ある意味新入社員教育の修行のようなものだが、これ一般向けセミナーとして圧縮したいということでの始まりでした。あらかじめすべての回路を組み上げた状態の教材をセミナー部門の方に作っていただくというものになりました。

 

 

組み上げるのも、受講者の方が持ち帰るのも大変ということになり一年経過して基板化するということになりました。ターゲットマシンとなる評価用ボードを、実習教材の基板にコネクタで実装するという

基板化したセミナー教材

形で決着しました。ターゲットボードの端子はすべてピンヘッダーとなって表面にあるので、ここからジャンパー線で測定信号などの取り出しはすべて見えるので組込みソフトの開発では十分なものかと思います。

今回は企業の夏休みあけの8/26-27の日程で開催されます。場所は、都内巣鴨のCQ出版社セミナー室です。
詳細はこちらに

消火器を収納したい

家庭用消火器の保存期限はとうに過ぎていたのだが、玄関においてあって邪魔になっていたこともあり更新と併せて収納場所を作ることにした。以前のものは、壁に付ける樹脂の置台がついていたのが更新で同一のものも手に入らないようなのでホムセンで廃棄引き取りを行ってもらい新調したものには置台はついていなかった。

火事が出た場合に想定されるのはキッチンなのでキッチンに収納できるようにするにはシンク下の脚につけるということになり30角の柱に取り付けるように3D設計をして樹脂での強度確保と実際の取り付けでのねじでの締め方などにも考慮をして次のようなものなった。2つのピースに分かれてナットを埋め込んで柱に締め付けるように工夫した。三方向からねじで締めています。

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早着した収まり具合はこちらです。樹脂はPETGで厚みは10mmほど分割している部分は5mm厚になっています。

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粉体移動実験という珈琲豆の加工(1)

知り合いの方に相談を受けて、コーヒーの引いた豆の分包作業を簡易化したいという話について電子工作で出来ることを実験することにした。

金魚の餌やりのような話を持ち込んできた小学生や、イノシシの罠への餌のフィードをしたいという高専生などのことは以前にもあり、イノシシの餌では螺旋フィーダーを3D設計したりすることはあった。引いた豆のフィーダーでは計量もしなければならないのと200g程度の豆を挽いて10グラム程度を精度よく計測しつつ分包作業を支援するというものらしい。無論立派な分包機などは薬局やら規模の大きい珈琲焙煎事業者向けのものはお高いものがあるらしい。

フィードと計量という観点でいえばロードセルを使ってコンマ1グラム程度の精度で計測することは可能だと思われる。フィーダーとして螺旋スクリューでは清掃の課題やらコンタミネーションなどが課題とも思われスッキリとしたフィーダーが良いのかと思える。

プロ用の機器を調べてみるとスクリューと並立して振動フィーダーを用いている事例もあるようだ。小規模なものを実験で試してみるのには振動方式が良いのかとも思いつつ、振動方式で重量計測方向への振動がかかるようでは本末転倒にもなりそうだ。無論フィードバックを振動印加、停止、重量測定・・をくりかえすとか、重量測定を移動平均取りつつ求めていくといったこともありそうだ。ちなみに振動周波数は120~180Hzとのことなので振動実験で実際にフィードが果たせるのかどうかの実験が先なのだ。

0.1グラムの精度で図るということと振動でのそれとの間には大きなギャップがあるのは承知している。いったんカップで計量してフィーダーとの振動問題を先送りにするのもありだろう。

いずれにしても計量カップでの作業を自動化進めようとすると静置したカップに計量しつつフィードして停めるというのが最も確実な法式といえる。

しかしながら、珈琲焙煎をしてまとめて封入したいという人にとってボタン操作をしたら、計量された粉が払い出されるという形を求めるのも確かだ。計量機構と払い出し機構のメカニズムの配線引き回しも影響しそうだ。少しずつ実験をしていこう。

[3Dプリンター活用]端子が壊れた電源を直す

現用だった?中古測定器を譲り受けてきたのだが、端子が折れていてマイナスが取れない。GNDとマイナスが繋がっているわけでもない。20V-3Aの立派な電源なので活用したいところだ。

同様な端子を見つけてきたが、筐体側の回転止めのカップラーをあつらえる必要があり折れていた端子の部分から採寸して設計した。

仮に一つだけを交換して使えるようにはなったのだが、サイズをもう少し見直した部品が見つかれば3つともに交換することにしよう。

3Dプリンタ解説指導学習会

木更津の子供たちを支えるコミュニティ作りにも取り組んでいる寛傳知さんが法人格になり機材整備も進んできました。最近の物づくりに欠かせない3Dプリンターとレーザーカッターなども装備されてスタッフの方やこちらを活用される人たちの為に機器の指導を行うことになりました。大型の3Dプリンターは組み込みの里の物よりも大きく高速ですし、laserカッターも大型のものです。こちらの機材を活用していく上ではスタッフや子供たちを指導してくれるシニアあるいは地元高専の人たちが参加してもらうことでサイクルが確立していくのではないかと思います。
8/14に関係の方を集めて行いますが、内容については動画収録したものを公開していきたいと思っています。指導員としてアルバイトをしたい地元の学生さん、シニアの方がおられたらお知らせください。

QIDITECH Ⅰ 3Dプリンターの修理整備(3)

コネクタからヒーター24Vへの給電においてゴミなどがショートを起こした模様

焦げたコネクタとターミナルが痛々しい、修正した基板が先方に届き故障にいたった基板が取り外されて写真が故障個所がクローズアップされて入手できた。隣接するFETの様子からは、炭化するような状況でHBDが加熱できなくなったらしい。コネクターでの末端処理が解れてゴミでショートが起きてこの事態になったらしい。

 

対策として行ったこと

  1. ターミナルとコネクタを外してパターンが生きているかどうかを確認
  2. コネクタ付け替えを実施しパターン損傷した箇所についてブルーワイヤ処理済
  3. ヒートベッドの動作確認実施
  4. 2系統のエクスルーダーの動作確認実施
  5. サンプル印刷を実施したところY軸動作でしばらく印刷後異音がしてズレが生じた。Y軸の駆動ベルトが正しい位置にいないようだ。

再度Y軸の駆動系統を組みたて直すことで歪をとることが対策と思われるので今週対処予定。

 

3Dプリンターの修理と整備(2)

QIDI社製のプリンターはMakerBot Replicator(ATMEGA2560)のオープンソースに基づいて開発されてきたようだが、Xシリーズ(X-One, X-Pro)からはSTM32マイコンに置換されてきている。以下の基板は、左上がX-Oneの物で、左下がX-Proの物です。右下がTECH1(AvatarⅣ)の物です。
X-Proと基板自体は共通で設計されているようですが実装されている部品は異なります。X-Proでは互換機の系譜で始まったビジネスと少し付き合う形の結果としてこれらの基板が残っているので整備して使えるようにしておきたいと思っています。

 

 

同一メーカーなのでセンサーやヒータへの結線コネクタは共通
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アマゾンでも可能

Xシリーズは、保守サービスの一環や試供品などのモデルとして提供されたもので当時流行ってきたコンパクトなシングルノズルの低価格な路線や筐体に樹脂と金属高級感を出そうとしたりといった流れが出てきたものだ。

X-ProとX-Oneではタッチパネルが搭載されて、32ビット化の恩恵でslicerから造形品のアウトラインがハンドルされて表示確認が出来るようなSailfishという世代のソフトに置換されている。また、X-ProではWifiモジュール(ESP1)によりremoteシリアルポートを介して印刷できるようにもなった。slicerソフトの改版とこうした機器側の改版とが相まって若干の矛盾が生じていたようにも思い返す。

TECH1の整備と併せて、これらの2機種用の基板についても改修整備をしておこうと思います。Wifiモジュールが搭載されていたのかどうかは不明ですが当時の設定情報などについて中華メーカー担当者とやり取りをさせていただき確認をしたので引き続き進めたいと思います。Wifi印刷は便利そうな反面USBメモリでバッチ処理をさせたほうが安心かなという気もしています。

 

3Dプリンターの修理と整備(1)

組み込みの里ではQIDITECH社の3Dプリンターの修理整備を多数扱ってきた。もともとは、購入して使い勝手の意見などをメーカーに送っていたことからの派生だった、さて、そのQIDITECH 1(FlashForgeのさらにClone)は現在、購入したオリジナルの物と里子に出して子供たちにSTEAM教育をされている知人の所で活用してもらっている。ほかにもX-One, X-Proなどのモデルも扱ってきたがTECH1でのフィードバックが活かされてきたのか品質はとても良くなって修理整備サポートも終焉していた。

里子に出していたモデルは活用されていたようだったが、ヒートベッドが加熱できなくなったという連絡があり修理か購入を考えているという相談が届いた。添付された写真からは、ヒートベッドへの引き出す配線端子が焦げているようで埃から発火したのか、電流が流れるところとは言え線材処理でほつれた髭でもショートしたのだろうか。

Messengerでやり取りをしたうえで修理整備を委託されていた時代の部品の残りがあるかどうかを里に来てから確認した。予備の基板は見つかった。これが不良なのか、正規動作をしていたのかどうかも確認する必要がある。購入して現在はオフラインにしていたQIDITECH1を稼働させて動作確認をすることにした。うまく動作していれば、動く基板を送り、予備基板の動作も付け替えて動作確認をする。

MakerBot社のOpenSourceだった時代のハードを中華メーカーなどが次々とボードを作り直したりして出来ているのが実情だ。8ビットマイコンのATMEGA2560が搭載されているものだった。オリジナルのReplicator1はATMEGA1280だったそうだから、実際にはメモリ領域については幾つか課題があるらしい。ブートローダーの配置領域とアプリケーションの配置のコンフリクトだ。Arduinoで伸びてきたATMEGAなので共用活用されていると思われる。

2つの基板を動作確認するとそれぞれ問題が分かった。

故障品 稼働品(?) 予備品
問題 ヒートベッドが加熱しない。それ以外は動作しているようだ 実はヒートベッドが加熱できなかった メインボードが立ち上がらない
状況 HBD接続端子が焦げ付いている写真を見せていただいた HBD用FETを交換した後があり、はんだ付けが途中のように見えた。 5V電源が出力されていない。

ヒートベッドコネクタが違う

見立て・対処 引き出し線の所でショートしてFET(PSMN7R0-30YL)が壊れたのではないか。
FET交換と端子交換で対処予定
FETの半田付けで復旧

OK

スイッチングレギュレータ制御チップの手配(L5970D)。
回路図を基板からトレースする中で周辺回路の電圧がおかしいことから、表面実装の抵抗の半田付けを修正したところ立ち上がった。OK当該のターミナルはコネクタ型に切り替えた。OK

予備品と本体が動作したため、本体に入っていた基板を送付して交換確認していただくことにした。故障した基板については返送送付していただき、こちらで稼働本体を使って検証することを予定している。検証確認が出来たら、こちらの機材も活用していただくように引き渡しする予定である。

制御基板は24V電源で動作していて、過熱系統はFETを介して、24Vを用いていて、モーター制御オンボードで5Vと3.3Vを作り出している。

取り出した基板の確認をするために、24Vの電源がないことに気が付いたが、正負電源があったので±12Vにして24Vを作って実験稼働させることが出来た。予備基板はおそらく初期不良で半田付け不良が見つからなかったのかと思われる。

故障基板が帰ってきたら検証を再開します。

手配した部品
PSMN7R0-30YL 3Dプリンタ FET
L5970D 1A スイッチングレギュレータ

 

 

 

 

ワイヤリングペンを3Dプリントで更新しました

 

PLAで作成しています。精度が必要なので収縮の激しいABSはだめですね
市販のミシンのボビンを使いました
ノズルは内部にM6のネジが切ってありますが3Dプリンタの癖があるのでノズル側は少し拡大するか、印刷時にネジ直径方向に拡大する設定をslicerですると良いです。

ノズルは同時に2個印刷するのが秘訣です

横置きで寝せて出力します。ネジがあるのでサポートが必要です。
公開サイトには、内部ネジのみ5%大きくしたデータ(WiringP4.stl)も上げてあります。
ボビンを固定するピンも寝かせてフィラメントを出すことで強度が出ます。

 

 

設計データはこちらで開示しています。

入口の標識をリニューアルしました

組み込みの里の標識を3D印刷で更新しました。
文字は1ミリ厚で、ベースは2ミリ厚です。
スライサーのQIDI Printの後処理指定で2mm点でフィラメント交換の為のpauseを入れるようにしています。

以前の木材にlaserで焼いたものは読めなくなってしまいましたが、今回のものも日焼けして色が抜けてしまうかもしれません。