最近視力の低下・・・いや老化が著しい、また老眼の度が進んだようである。忙しい合間に見つけた日曜の半日を費やして購入してあったアマチュア無線機のキット製作に取り組んだ。最新部品で構築された無線機に搭載される部品の品名を読み取るのは最早ルーペなしでは仕事にならない。パソコンでのソフト開発であれば、おじさんフォントにしたり、大型ディスプレーにするというオプションがあるのだが、組み立て現場ではそうもいかない。アナログ屋さんや無線屋さんといった方たちとの接点を意識する意味でもこうしたキットを通じて感性を近づけておくことは必要なことと認識している。私小説を書き起こすことになった、99年七の月から四年が経過して世の中も変わり、予期したこと予期しなかったことなどの経緯を確認したりするこのごろでもある。
中年となった私自身が相応な年齢になっていることから、いわゆる同期や知己たちが会社での職制から見ると要職についている。そうしたことから、お客様として付き合う責任ある方々との真摯なバトルには、ある意味で仲間あるいは後輩とのやり取りと感じることも少なくない。また現場の方々として付き合う若い技術者との接点が私の感性を維持させてくれているのかもしれない。まあ精神の若さと肉体の若さは別物ではあるが、髪の毛や髭の色はすっかりグレーゾーンに突入している。ロマンスの香りはないにしても、ビジネスの領域では、溌剌としたテーマにしうる部材を預かり多くのお客様の開発を通じて異なったインプリメンテーションという楽しみを同時期に平行して評価できるという、言い表しようのない楽しみに浸かっている時間に続く次のストーリーを用意する必要もありそうだ。