業界独り言 VOL368 使えないものと侮るなかれ

最 近ハマっているのは、SSDである。120GBで3万円ほどで買える物が登場したのだが、ノートにインストールしてみるとこれが使えないものである。イン ストールが極端に遅く、なにがSSDなのかと勘繰ってしまうのだが、こうしたプチフリと称する現象が発生するのは細かいアクセスを期待するWindows の動きなどとメディアからシステムに昇格させて使い込むには性能評価が不足していたということになる。売っているほうも確信犯と思われるのだが、自己責任 であることに違いはない。調査不足でもある。まあ持ち歩きのメディアとして120GBのデバイスHDDを持ち歩く危険性を考えれば安心だし、なにより SATAデバイスであるにも関わらず、USBコネクタもついているのである。

300GBのHDDを携帯していた事態からの改善ではあったのだが、ノートが発熱しなくなったような気がする快感からは逃れられず、結局さらに価格 が倍ほどもするインテルのMLCではあるもののスマートなキャッシュコントローラが搭載されている160GBのドライブを7万円ほどで購入することになっ た。今度は、何のストレスもなくスムーズにシステム移行も完了して、いったいあのSSD騒ぎはなんだったのかということになる。MLCではあるものの小規 模書き込みのベンチマークなどからみても10-15倍ほどの速度が出ているのは素晴らしいものだった。

使えないという最初のドライブは、システムドライブとしてのWindowsのふるまいとの相性でもありシステム性能という観点でファイル領域に使う 限りにおいては、何の支障もなく活躍している。SSDにより発熱はしなくなったというのは若干の嘘があるように思われる。確かにHDDの発熱は格段に減る のだが、今度はIO待ちが減りCPUの負荷は高くなってしまったようにも思われるのだ。使っていて快適なのは、大容量のメールアーカイブを使った outlookな世界が快適になったことである。私の場合には過去の4-5年分の必要なメールは残してあり、サイズとして8GBを超えるのだがこれらの中 の検索が圧倒的に速くなったのである。DB化されたOutlookではあるものの、SEEKの物理速度の改善が飛躍的なシステム性能の向上になったという ことらしい。

SSD化の流れは、マシンの更新よりも、システム性能を向上させる武器になるということである。70,000円の個人投資は、パソコンのリニューア ル以上の性能改善をもたらしてくれて、システム安定化も含めて現状はとても満足している。自宅のデスクトップの最近の問題は、ファンの故障というか騒音の 増大であり、放熱周りのペーストを更新したりと対策をしたのだが、静音で大容量の風量対応が出来るPWMなファンを探し、さらに内蔵の3.5インチの 250GBのHDDも、今度はCORSAIRというメーカーのインテルよりは性能が劣るもののプチフリ知らずという安価なデバイス90000円を投じて改 修した。この組み合わせで、私のQuad COreなデスクトップも静かで快適な環境に変貌した。

チップの歴史も同様に様々な進化を遂げている、5年前ではARM9からARM11に移りつつあったのだが当時の主力はARM9だった。 Clock150MhzのARM9とDSPの組み合わせでテレビ電話を作っていた時代の後追いでベースとしてそうしたものを活用してアジアな人たちが日本 メーカーの下請けで活躍して物づくりを学んでいた時代だった。当時のODMベンダーは、日本のメーカーの不用意な物づくりの展開をチャンスとしてとらえて 着実にものにしていったのである。今では、そうしたベンダーがレファレンスデザインを早期に使いこなすというのは悲しい現実である。

チップセットビジネスの進展において、昨今のアンドロイド事情は、より追い風にも映っているようだ。組み込みの世界の方々もUbuntuにアンドロ イドで実践したいというような流れが出てきているようで、皆さん真剣に手弁当での検討開発が進められているようだ。アグレッシブなこうした草の根の方々と アンドロイドイネーブラーとなるべきキャリアやメーカーの方々の温度差は、まだまだ深いようだが、結局のところいったい幾らでどれだけの期間で仕上がるの かという競争原理において実績を出したところがのし上がってくることに相違はないだろう。システム全体を見渡して端末としての完成度を高められるかどうか については、私自身も興味深々であるし、Quad社が期待もされていることなのだろうけれど・・・。

アンドロイドにうつつを抜かしている人もいるし、地道にローエンドモデルを作り出そうという人もいる。ローエンドをロープライスで開発するために腐 心している人などは潔いともいえるだろう。むろん、ローエンドモデルがイコールシルバーモデルではないだろうし、実際問題、いま一番コンスタントに売れて いるのはシルバーな需要だろう。突出した日本の要求を培ってきた感性を支える人口は激減しつつあり、実際に購買力もあるシルバー世代にとっては尖がった機 能などが役立つのかどうか意味不明だともいえる。10年前に、VAIO-Pがあったら嬉しかったと思うのだが、現在の視力ではこうした細密な画面で利用で きるのは無理だといえる。

シルバー世代が必要とするのは、親身になってコミュニケーションを支えてくれる技術だろうし、そうした技術は4Gになっても何の解決策も提示はして いないのである。速度や通信価格の戦争は終わっていると思うのだが、世の中にはそうした認識がまだまったく無いようにみえる。冒頭のSSDの如き話に似て もいるのだが、5年ほど前に流行の兆しのあった簡単UIの開発ツールなどは、現在のチップ性能の更新などから見直す段階に入ってもいるようだ。ただし世の 中はさらにインターネットベースのAdobeな世界に入ろうとしてしまい、地道に物づくりとしての実現を進めていくことについての話題にはなっていないよ うだ。でも、戦略的に意欲的な割り切りをもって利用するというトップ方針などがあればオセロのコーナーをとるような事態も考えられる。

どんな技術も侮ることなかれ、事情が変われば、判断も反転してくるものなのである。