VOL162 FFAで3GPPワールドカップに参戦

第三ステージの第三世代がやって来た。FOMAとCDMA2000に続く欧州規格のW-CDMAである。インフラリーグに参戦しているのは、北欧メーカー二社と国内メーカー一社である。都内の清掃工場のそばにある相互接続性試験の現場には、これらの端末機器メーカーも加わり国際的な顔ぶれが集って試験を進めている。昼時にもなれば、周辺の食堂には国際色があふれてくる。無論、ワールドカップ状態である日本にとっては普通の光景なのかも知れないが、町の食堂のおばさんの方が先に気分を満喫しているようすだ。そう携帯の3GPPワールドカップは来月から試験運用開始なのである。

国内で既に、始まっていた旧規格と何が異なるかといえば、ユーザーからは見えない部分である。無論、見えない部分であっても開発している技術者にとってはやり直し作り直しという事になってしまう部分も多いだろう。慌ててメンツのスケジュールに間に合わせた感のあるシステムには、修正部分も多いようだ。目まぐるしく変わっていく3GPPの規格と開発スケジュールを合わせて追従していくというかじ取りは大変であり、打ち切りつつ未確定の部分を仮定して開発した大変さは評価されるべきだろう、しかし実際の評価はユーザーから受け入れられるのかどうかという点でのみ決まるのである。

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業界独り言 VOL161 スペースが無い

携帯電話の各メーカーは、この春にスペースが手狭になったことも手伝い開発拠点を移動している所が多いようだ。知己の会社やお客様でも、そうしたインフラ整備などもあり移動されているようだ。無論限られたスペースで15パズルを解いているような運用をされている会社もある。「組織上は、移動しているのだが物理的には移動していないんです。」と語るお客様もいる。限られたスペースをいかす意味においても、不要な移動費用や看板の更新や名刺の改版なども出来るだけ押さえているのだという状況もあるのかもしれない。

無論、会社再編の流れのなかでの一時的な移動として捉えているのであれば不要な移動費用を捻出する必要も無いわけである。スペースを生み出すために移転するのだというのは自社敷地の再開発なども含めて計画されている勢いのある会社だ。自社ビルを証券化しているのがトレンドだったりする中においては余裕の資産運営とも映る。直線で100メートル以上とれるという廊下が売り物の会社もあるらしい。小学校であれば廊下で50メートル走の記録が男女別々に取れるのかもしれない。スペースが足らなくなった会社では二階にあった長い連絡通路を塞いで部屋や倉庫に使い人の移動は一階からのみとという工夫を凝らした処もある。

スペースが無くなると色々な工夫を考えるもので、箱庭文化と云われる日本人は整理に長けているのかもしれない。狭い国土に生きる者として身につけた技術かもしれない。そうした、海外に展開した工場跡地に開発拠点を移動した会社もある。移転した先の課題としては、残業食の施設が無いというのが課題らしかった。ソフトウェア開発というと残業ありきになっている姿がそこにはあった。こうしたお客様たちなので私自身の勤務時間も残業ではないのだが足を引っ張られる訳ではないが遅くになってしまう。残業という言葉から云えば効率が悪いのだというイメージしかない。会社が、食事を負担するという考え方は西海岸の会社にもあるようだ。この場合には、ランチがデラックスでフリーだという事である。

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VOL160 ブロードバンドを自宅で

ゴールデンウィークが終わり、今年の天候不順から既に梅雨入りしてしまったような様子である。もしやとは思うが一年の単位がシフトしてしまったのだろうか。自宅の隣家にある紫陽花もすっかり咲きそうな勢いだ。相対的にしか捉えていなかった事象を絶対的な尺度で計ろうとすると悩んでしまいそうだ。本当に地軸が乱れたりしているのでなければ、良いのだが。庭に池を置きたいという話が持ち上がり、細君はホームセンターを探し歩いたらしいのだが見つからなかった。何という商品なんだろうという疑問が芽生えてネット探索すると「ひょうたん池」というのが一般的な呼称らしかった。金沢区にメーカーがある事も分かり結構な値段のするものだということも判った。幸い、散歩をする過程で手近な倒産寸前と思しき店の店頭に在庫処分とあるのを発見し安価に処分価格で入手出来た。

最近は家電販売店に、行くと毎回趣向を凝らした新商品がお目見えしている。液晶とFLASHで何が出来るのかという自社の得意パーツを集めた集大成としてそこそこの動画クリッププレイヤーが登場していた。昼休みに昨晩のお気に入り番組を録っておいてきゃーきゃー云いながら見えるというのがねらいどころなのだろうか。64MBのSDカードに画像記録をしたり、他に飽きがきたら最後という感じのする楽しそうで短命な商品に映る。次々とメモリ容量が拡大して、MPEGの完成度も高まっていく中でどうなるのかは判らない。他方、デファクト狙いで登場するNancyCodecのような技術も登場する。確かに日本市場で見ればカメラ携帯を牽引しているキャリアが採用すればデファクトに成りうるのかもしれない。狭い日本という視野だけで見ればそうした考え方も出来るだろうし、まだまだアプリケーションがそこまで進んでいない国から見れば非標準の亜流と見られてしまう。

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VOL159 GWに日本への旅行?

虫取り網を抱えて、野に山に蝶を追いかけるという絶好のシーズンである。やがて来る梅雨には紫陽花の上のカタツムリや、軒先の遠足バスの心配をてるてるぼーずとお話をする子供達。そんな健康的な生活を想像してみても、最近の実態はかけ離れてきているのだろうか。プレイステーションのゲームやベイブレードに興じる子供たちと虫取りをしに行くには自然が無くなり過ぎているかも知れない。また、そうしたことを付き合ってあげるだけの余裕が親達には無く、兄弟達のいない世代の子供たちがいったい何をしているのか考えると不安になる。実兄は、虫取り少年がそのまま大人になったような人であり、実際に世界中の採り子たちを衛星携帯電話を使って指示するフィクサーなのである(?)。そうした昆虫の収集をして標本にして生業としている。しかし採り子の人たちは、蝶や虫をとっても買ってくれるなどとは信じていないらしい。薬になるのだといって信用させているようだ。

実兄の通ったあとにはモンシロチョウも飛ばないという逸話があるそうだ。実兄はハイテクには疎いものの、ローテクであるガリ版の時代からタイプオフセットとなった現在までもミニコミ週刊誌を発行しつづけている。昆虫中年という世代になるのかもしれない。20年以上も書きつづけているミニコミ誌は、一般の雑誌でも追いつかない領域の偉業といえるのかもしれない。では弟は何をしているのかという気が付けば週間MLと化している組み込み業界で書き物を綴っていて、やはり兄弟とは似たようなものなのかもしれない。また追いかけているのは虫ではなくてバグである。Quad社の世界でも優秀な開発技術者たちが書き起こしたコードの虫を提供したお客様のシステムビルドアップの支援を通じて追いかけているのである。無論、お客様側の虫もあるしQuad社サイドの虫もある。ITシステムの上で成立しているこのサポートの環には更にITシステム自身の虫もあるのだから致し方ない。

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