業界独り言 VOL302 夕焼けの水平線に サンディエゴにて

忙しさの変容からか、また独り言のペースが高まっている。あるいは、独り言を通じて誰かとメッセージ交換をしていると考えている人もいるかも知れない。確かに、あても無く独り言を書き連ねていくのは寂しいものだが、かつての同僚らと会社を超えて業界同士の範疇で互いに叱咤激励しているという部分もあるだろう。「これからも元気をください」というメールが届いたりするのは、まだ善しとすべきだろう。自分自身の得心を得たいが故に、異論反論をいただきたいという思いも独り言の源泉でもある。複数の通信キャリアとの付き合いやら、異なったOEMとしての視点あるいは競合他社の視点いろいろな問題が、携帯電話という膨れ上がった爆発寸前の業界には山積しているのである。キャリアからキャリアに移る人もいれば、3rdパーティからOEMに移る人もいる。それぞれの部分での課題の壁を打ち破りたいという想いなどがそこにはあるようだ。

携帯業界は、そうした状況を反映してどんどん狭くなってきているように感じている。しかし狭いとはいえ、変わらないのはそれぞれの会社としての歴史や集うリーダー達の意識などによってたつことなのだろうか。最近では八方美人の如くさまざまなキャリアや端末ベンダーに対して、垂直統合戦略に基づいた展開をしているQuad社なのだが、どんな気持ちで付き合っているのかは、みな様々な違いを見せている。太平洋にしずんでゆく夕日を見ながら帰途につく人たちとシャニムニ働いている反対側の人達の意識の差は立場の違いからか肩にちからが。自分たちの文化と異なる人達とのコミュニケーションで障害を起こしているのは、東アジア地区の中でも日本に多いように見えます。最近ではすっかり国際企業として自社ブランドを確立しはじめた隣国の会社などを見ていると何か日本のみが失ってしまった時間があるように思えてなりません。

まあ少しでも未来に期待をつないでいくというのが、仕事の支えになりますので自身のモチベーション改善ということも含めて新技術などの伝道のようなアクティビティを仕事の中でも意識して取り組んでいるところです。ベンチャーの知人も自身のビジネスモデルの刷新の必要性ということを感じ取っての取り組みとして同様なことをなされているようです。広がり行く変容しつつある状況の中で、端末ビジネスも変わっていかざるを得ないのでしょう。単にMNPが始まり、パイの取り合いが始まるというような狭い観点だけでなく携帯電話のインフラを使ってどのようなサービスに利用していくのかということを考えていくことが必要です。無論コスト削減が必要だということも事実でしょうし、海外メーカーなどを使って国内インフラが何処も端末購入をすることになりました。日本人の感性に合うものが作れるのかどうかということもあるでしょうが、少なくともキャリアからの仕様に差異は無いはずです。華美な余計な機能を取り外し、魅力的な端末が構成しうるのかどうかという点も興味深いです。

最近ではリファレンス実装として、3GPPに合致するあるいはGCFに適合するといったことは当たり前のことになりつつあり、さらに踏み込んでキャリア仕様までもパッケージングしようという動きすら見られます。そうなるとメーカーが取り組むことは何があるのでしょうかと悩む人がいるようです。言い換えると今までは、どうもその事を実装できるかどうかということでメーカーの方達が自社の存在理由の一部としているような節がありました。チップセットとソフトウェアをそろえてインテグレーションしていく流れの中でキャリア対応の完成パッケージが存在するようになれば開発コストは一段と下がることでしょう。そのインテグレーションが大変で今までPCの世界ほどにまではプラットホームが完成していなかったと評されているわけでもあります。端末実装の世界で通信プロトコルの世界とアプリケーションUIの世界とを切り分けてきた背景には、それぞれの主体が異なるということもありました。

究極の世界として、最適なOSの上で通信プロトコルもアプリケーションも一体となって自在に実装出来るような環境が出来ればそれに越したことは無いわけですが・・・。製品レベルとしては意外なことですが、組み込みという世界で大規模なシステム構築をしていくために必要な機能分割単位での独立動作が保証されるようなOSの仕組みまでは提供されていなかったようです。モデムとアプリを分けることが前提となったビジネスモデルが、そうした姿を生まなかったともいえます。最高性能を実現しようとするならば、MMUもつかわずに全てモノリシックな状態で実行するというものが、ある意味で究極の組み込みだという意見もあるかも知れません。しかしそうした姿では大規模なシステムを構築していくことが困難になるということも一方ではあり、仮想的な環境としてJavaを動作させるといったこともひとつの解決策だったかも知れません。そんな世界から整理された権限を個別に与えられたOSに移行しようすれば、良いはずなのですが・・・・。

理想的な姿をまず描いて、その実現の機能検証を実装して評価しようというある意味で前向きな研究開発が進められました。昨今の状況でそうした研究を実際に行えるようなメーカーがいないと思われるのですが、垂直統合を標榜する故のことでもありました。理想系として研究開発された結果実現が確認されたのは、現状のスーパーバイザモードで動作する超組み込み状態で開発されてきたシステムとLinuxのシステムをひとつのカーネルの上で独立して動作させることがひとつの成果でした。これによりスーパーバイザモードで開発されてきたコードをUserモードで動作検証することや、そうしたカーネルによるオーバーヘッドの評価などが出来ました。Linuxが動作することにより3rdパーティのOSが動作することを許容する枠組みが確認できたことになりました。理想系として開発したもうひとつの成果はモノリシックな構造を書き換えてモジュラー化された構造の上で全てDLLで動作するような枠組みとしての実験でした。自在に必要なモジュールをローディングして動作させることが確認できました。

ある意味で壮大な研究を実証実験を通じて行った成果、大規模な携帯電話の枠組み(Platform)を刷新していくロードマップが規定提案できるようになりました。大きなメリットとして挙げられるのはカーネルを除く全てのシステムをユーザーモードにおく事でセキュアな環境が構築できることや独立して動作するまったく別のシステムを稼動させうること、あるいはつまらないメモリリークなどに繋がるエラーなどが容易に検知しうることなどが挙げられます、ドライバーにしてもアプリにしても許可されたメモリやIO空間に対してのアクセスしか出来ない状況が作り出されるので安心することが出来ます。またドライバー自身を別のプロセスとして動作させることも可能となり、3rdパーティによるドライバー開発といった仕組みも提供することが出来るようになりそうです。当然いいこと尽くめとはいかずに管理することのオーバーヘッドから性能劣化が数%ついてしまうのはいたし方ないことでもあります。しかし、最近のマイコン性能向上の枠組みを利用すればそうしたことも問題がありません。なにしろソフトウェア開発効率向上のためにチップを分けようという原点を正すことなのですから。

さて、そんなすばらしい環境に飛びこんでいけるのかという新たな障壁が生まれました。やはりユーザーにとっては大規模なシステム開発の根底となる部分の差し替えには賛辞もありますが、不安もありました。前向きな不安という意味で面白いと感じたのは現在使い込んでいる自社あるいは3rdパーティ製ソフトウェアが内包しているだろうバグの問題です。(無いのかも知れませんが・・・)今までは見過ごしてきた問題が、新たなOS環境のもとでは白日の下に晒されてしまいソースを自社部分は直すための工程を組めば済むことですが、3rdパーティとの協業作業については想定外だというのです。多くのメーカーが新機能についての差分開発をする形で蓄積してきた今までの環境を再検証するということが必要になるということなのです。無論新しい枠組みは検証も容易になりますので良いことなのですが工数見積もりも含めて想定外のこととなるのです。この程度のバグは許容してほしいという思いは差分開発をしている現状のユーザーの素直な悲鳴でもありました。

こうしたユーザーの前向きな不安を払拭する意味での対応策は、垂直統合を標榜するソリューション提供者としては新OS環境で検証するリファレンスを提供しつつそして枯らした機能を旧OSの枠組みでもしばらく提供を続けることがマイグレーションの道筋のようです。超組み込みの世界からの脱却という、新世紀突入という章に迎えるにあたっては今後のOEMや通信キャリアが考えるサービスの根幹を替えて加速させる意味を持つものの今まで以上に啓蒙活動をしていくことが重要となっています。しかし、こうした枠組み提案も含めて全方位戦略をとっているQuad社としての取り組みには別の批判もあがっています。全ての通信キャリアに技術提供している立場から言えば、こうした新しい技術を前向きに早くに使いこなしたほうがメリットがあると思いとは裏腹に、先人の苦労は積みたくないというのです。逆にいえば新たな技術提供を別の通信キャリア向けに提供してもよいのかという問いかけには別の答えも返ってきそうです。

インテグレーションされたパッケージに魅力的なサードパーティのコンポーネントが勝手に乗り込みだしていくとすると、通信キャリアが考える端末戦略自体とは別次元で顧客の心をつかみ出してしまうかも知れません。通信キャリアの競争ではなくて、本来の端末メーカー自身の競争になっていく時代なのかも知れません。こうした動きのベースにあった背景自体は、護送船団のように開発費用までも通信キャリアから補填を受けなければ端末開発がままならない状況に危機感を感じたこの業界を支える端末メーカー以外からの動きでした。しかし、そうした展開の行く先に待ち受けているものが、シンプルな通信キャリアとしてのサービス競争であり、端末メーカー毎の魅力という本来の姿に移るのではないかと感じます。通信キャリアがそうした業界自体の有り様に協力こそすれ、反発していくようではまだまだ携帯電話ビジネスの将来については面白い展開が待ち受けているのかも知れません。

新たな端末プラットホームを垂直統合で構築しようという野心的な取り組みがなされているメーカーがあるのは、同様な大規模化したIT化した家電機器のソフトウェア開発もまた大きな課題なのでしょう。機能が膨らみすぎて、その機能をUIとしても表現しきれていないような商品も出始めているようです。もっさりとした使い勝手なども含めて、PC化されていく端末機器に毎日のようにパッチ適用やアップデートを掛けていかなければならないような時代になってしまうのであれば、本来の製品購入をした目的を果たせないで無為な時間を過ごしてしまうパソコンユーザーのような気持ちを全員にしいてしまうのがIT化が描く未来なのでしょうか。セキュアなソフトウェア設計を果たしていくために組み込み端末機器の設計にも、OSからアーキテクチャーに至る変革の時期に直面しているのでしょう。メーカー自身で全てが捌けない事態を理解したうえで、正しくオープン化されてきた流れを受けて自らが手を動かして考えて本来のシステムエンジニアとしての役目を果たす時代になってきているようです。

サンディエゴ湾から、みえる綺麗な夕焼けの向こうに広がるのはアジアの端末機器メーカーの未来なのでしょう。リーダーとなるメーカーがぜひ東方の国から出てきてもらいたいものです。

業界独り言 VOL301 とっておきの仕事?

楽しくて仕方がないと思っている仕事も、人手がなければ始まらないということにもなる。どれだけ楽しいのか伝えられなければ、伝道者としての仕事も落第である。伝道者としてユーザーを掴む、仲間を増やすいずれにしても結果は・・・と問われて成果が出ないのであれば努力不足ということなのでしょう。たとえば、究極の実装として、ワンチップでプロトコルからUIまでが複合的な構成でリアルタイムとアプリケーションが共存しうるといったテーマを面白いでしょうと説明してみても、意図が伝わらない現状もあるでしょう。モデムとアプリとして個別ありきの常識に固まった人たちにしてしまった戦犯は、どこかに潜んでいるのかもしれません。最近ではマルチコアでクロックを下げて実装するのが低消費電力と高性能を両立する要だという意見もありますから、その意味でモデムとアプリを分けるのだという人もいます。ちょっと意味が違うと思うのだけれども、そんなことの本質まで議論するような閑のある人も理解している人もいないようです。突き詰めていくとCellのような構成になってしまうのかも知れませんね。

CPUの構成としてハードウェアアーキテクチャーとシステム実現のためのソフトウェアとしてのアーキテクチャーの視点を持つことが必要ですね、という話の延長線上にマイクロカーネルベースの環境の上に複数のOSを搭載してリアルタイム性能とアプリケーション管理の視点の両方に対応するといったことも検討の遡上には挙がってはマルチチップなどの影に消えていったようです。モデムチップとアプリチップの双方に乗り込んで設計を推進していくといったアクティビティに繋がらないのは、現実的な仕事の中で検討する余地などが日本メーカーに見られなくなったからだろうか。アーキテクチャーを新たに起こしてプラットホーム整備をするなんていう仕事を現実に興せる環境が限られているのは、そのことに必要な開発リソースや将来に向かった展開までが描けないからでしょう。よしんば描けたとして様々に変化していく状況の中で開発のテーマあるいは事業として維持していくことが出来るのかどうか・・・課題は山積している。

エンジニアにとって楽しい仕事も、使っているキャリアにとってみての視点はまだ別のものがあるようだ。高止まりでウインウインと重機がうなるような状況が続くはずもない状況を理解したうえで、得られた資金をチップメーカーに投資して解決をプラットホーム整備を行い解決を図ろうとしている状況もあるようですが・・・。結局トータルで幾らになるのという現実的な目的を果たすことが出来ないままに描いた食えない餅では成り立たないのはお察しの通りです。隣の芝生が青く見えるのはメーカーに限らず、通信キャリアでも同様らしく他のキャリアのやっていることをとっておきの仕事と捉えて同様なことにチャレンジしたがるのものです(実は相手がその逆に思っているのかも知れないのですが・・・。)。互いに環境が異なることを認識しないままに評価しているために、自分たちの開発チームの足を引っ張っているような状況もままあるようです。ソリューションベンダーとしての仕事では、実現した製品を作ってもらって何ぼの世界ですから、秘蔵っ子の楽しい技術も、実際にメーカーやキャリアの状況の中に写像してみると綺麗な画像にならないこともあるのですが、割り切りと考えていくのは世の常です。

携帯電話という消費電力重視の世界で特殊化されてきたものも、プラットホーム化が果たせるほどに潤沢なリソースが使えるようになってきたのはシリコン技術の進歩があるのでしょうね。本来の端末構築の目的を忘れて、目先の競争に走ると相手よりも強いミサイルや兵器を欲しがるようになるものです。具体的なテーマも考えずにリソース拡大を図っていくような進め方は自然の摂理からみても、間違っているのですが何故か携帯電話のグリーンプログラムを課したりすることは考えていないようです。リサイクルマークが付けられたりして困るのはチップベンダーとしてのQuad社もビジネスに影響があるでしょう。リサイクルしても製品として出荷することに対して課徴金を掛けるというわけにも行かなくなってくるでしょうから、iPODよろしくダウンロードしたくなるようなコンテンツの開発やら枠組みを提供していくことにもっと軸足を置くべきかもしれません。一年置きに買い換える人ばかりではないですし機能追加があとから出来るような仕組みなども含めて使いやすくするといったことも視野にいれるべきでしょう。

組み込みの仕事という観点では、実際の現場仕事が出来るのは日本ではなくなっていくのではという危機感も手伝い、ベンダーの方々やソフトハウスの方々などが梃入れをしてOEMに対して渇を入れたりしようとするようになってきました。腰が引け気味の業界の中で前向きな仕事を推進していくべきチップベンダーであるべきというお声も頂戴します。確かにリファレンスを作って仕上げはOEMさまにお願いしますというビジネスモデルも引き合わなくなっている時代のようです。一式使えるようになっているものを持ってこないと話にならないとまでいわれるとOEMさまの存在理由はと問い返したくなりもしますが、お客様の声には違いありません。ワンチップでマイクロカーネルを動作させながら、ソースデバッグを実現させたりすることにほくそえむような感性を持てる職場は、どうもお客様の場にはなさそうです。ロケット開発の現場にいる人たちと製品としてのミサイルとして購入して戦争をしている人たちの差なのでしょうか。組み込みという仕事を楽しいものとして味わえる感じられる職場であることをもっと訴えれば求人活動にも繋がるのでしょうが、どうもこうした感性を持ち合わせている人がいないということなのでしょうか。

XMLを組み込みで活用することで日本のコスト高情勢であっても、機敏に対応していくことで商機を導くことが出来るのではと考えたりもします。日本のOEMメーカーの方が元気になるような技術を提案してビジネスモデルの刷新などを提案していくということも最近の私の楽しい仕事のひとつです。こうした意気を感じ取ってくれる先輩達も周囲に増えてきているのも事実なのですが、もう少し追い込み有無を言わさぬところまでの充実整備を図ることが必要なことのようです。優れた技術を匠の感性で仕上げを加えていくというのはグローバルな会社でいろいろな感性の人たちが集まっている会社ゆえの楽しさでもあります。荒削りに物事を仕上げていく段階も必要ですし、細やかに完成に向けて感性を高めつつ確認を進めていくという人も必要です。合理的にテストを導くための方法論を論理的に考えてツール立てを作っていくひとも必要ですし、ソリューションベンダーと呼ばれる姿に求められる範囲は考えれば考えるほど深くなっていくものです。

先日、知人の方の紹介で若手の技術者の方を紹介していただきました。未だに人が集まらないで悲鳴を上げていることを知ってのことのようです。ご自身の会社の人材が活用されていないと嘆き、さらに紹介されるというアクティビティにまでとられているなんて、大きな信頼を寄せていただいているのはありがたいことです。実際に会ってみると、若いなりにはよく物事を理解しているという感じのする好人物でした。日本のメーカーが行うインプリンティングというシステムにより技術者の多くの方たちがカルガモ状態になっているのは確かです。彼自身も自分の境遇を客観的に見るということまでは出来ていないようでしたし、彼自身が作りこんでいる現在の仕事の意義についての理解や将来性についてはというところには視点を持っていないようでした。インプリンティングも含めて社員教育がなされていることのメリットは、そうした人材が何らかの事象で切れてスピンアウトした際に有効に活用できるということを私たちは上げています。最初から外資系の会社に入った人たちにはそうしたピンとした部分が足らないように思えます。

落ち着いてて仕事が出来るような環境でないということがあるのでしょうか。どうなるかわからないという状況であたふたと仕事をしているという風景が透けて見えてきます。外資系という枠組みでありがちなストックオプションが効率的に活用できることを期待してきっちり五年間仕事をする人もいるのかも知れません。外資に移ってしまうと尻軽と見られるのか、半年もたたないうちに引き抜きの電話やメールが入ってくるようになるのはなぜでしょうか。名刺がどこでどのように活用されているのかは知りませんが・・・。自分に納得の出来る仕事がじっくりと出来るそんな職場にいるという自負がありヘッドハンターの電話やメールには逆に切り返してこちらで募集していることを伝えたりしているのですが、その返事が返ってくるというような見返りがないのは、何かフェイクな話だということでしょうか。自身が楽しく仕事を前向きにしていることを伝えているつもりなのですが、よほどライバルメーカーなどの求人に掛ける意気込みで年俸の30%といったヘッドハンターの取り分が魅力的なのでしょう。なかなか減りません。

技術者もある意味で旬があると思われます、素直に育つ時期と悪い癖を掴んでしまうようになる時期とです。素直に育っている天然なエンジニアが良いのか、酸いも甘い知った癖が強くなったエンジニアが良いのか意見が分かれるようです。最近人事の方からは前者で優秀な若者を探し出すようにと明示されるようになりました。インターン制度まで活用してはどうかという意見も出るような状況なのでQuad社を目指す若者が輩出することも期待しているのですが、いつもそうやって学校を訪問しようとすると既に夏休みに入っているのですね。今後に向けてという価値観で夏休み明けにでも学校を訪問するというオプションも考慮に値するようです。ぴっかぴかの技術屋の卵を学校からインターンで探し出すべきか、ヘッドハンターに懸賞金を付けて探し出すか、面白いテーマや仕事の話に反応してくるような人材を地道に探し出したいという思いに舞い戻りつつ気持ちのせめぎあいが続くようです。日本人をあきらめて日本に住むエンジニアを選択してみてはという声もあるのですが、まだまだ日本人に期待は持てるはず・・・。

業界独り言 VOL300 次代の人たちへ

組み込み技術者にとっては、最近の携帯電話の機種開発という事は、全貌を捉えることは難しく、担当機能ブロックに閉じた形での接点しかなくなっているという状況でありシステムエンジニアとしての感性などを持つことはキャッチアップする術すらないということなのだろうか。即戦力という謳い文句で活動している教育現場や再教育を指向している会社での最前線などにおいて基本を抑えるという枠組みに、あまり時間が割けないということにもなるようだ。現在、ベンチャーのCEOなどの職にある知人達の世代が経験してきたリソース不足の時代で学んできたパフォーマンス追及などの工夫といったことを現代の状況で経験し教えていくことが難しいということのようだ。外部の環境として、マイコン草創期から長らく開発に携わってきたという得がたい実践を結果として体系的に経験していくということが出来たというのは、一握りの世代に限られてもいるようだ。

教育現場に立ち返り、教職の道をとるという選択をしている知己もいる。あるいは悠々自適の段階に入る中で、専門学校でクラスを持ち自身で経験してきた内容をベースにしてシステムを理解させる目的でリアルタイムシステムOSの開発を課題としてコースを起案実践されている人もいる。歴史の中を生きてきた人の経験と、教育で得る経験は違うのかも知れないけれど少なくとも経験して理解したことを教育を通して理解してもらいたいという思いは強いのである。先日、ベンチャー社長のYさんとお会いして食事をした際にも、苦労して性能を出すことに邁進したZ80の経験が大きなベースとなっていますというのである。実際の社会に出てから取り組む「お化け」のように肥大化した携帯電話のシステムに遭遇する前に、全貌が把握できる範囲のマイコンシステムを一人で全て構築してみるという事は有益なのだと思う。

世の中は技術進展により素晴らしいツールが揃い原理原則を理解せずとも、仕事が出来るようになっている。上述のZ80などのマイコン開発経験もシミュレータなどを用いて行なうことが出来るのだろう。だけれどもマイコンは是非自身で半田ごてやオシロスコープあるいはロジアナでも良いが裸一貫でデバッグする経験を是非積んでもらいたいものである。そうした環境までもシミュレーションできるようにすべきだという声もあるのかも知れないが・・・。マイコンのデバッグにポートに接続した一個のLEDでデバッグするようなことから初めて貰いたいものである。基本を理解した上で、効率改善の目的で開発されたツールを使うのは良いことなのだと思う。かつて他社マイコンのシミュレータをチームとして開発したことがあったのだが、目的は、時間を止められるチップと同じ動作をするマイコン環境の構築だった。そんなことが他社マイコンの公開されている資料だけで出来るものかという意見もあるだろうが・・・。

そこまで原理を理解しないままにツールを使い問題解決をしていく人たちが、ツール原理とシステム動作の狭間で稚拙な理解のままに問題解決が進まない状況に遭遇しているケースが多くあったからでもある。実際に動作しているシステムを止めることなど出来ないながらもマイコンデバッガーで恰もブレークを張っておき止めた所から再開していくといったことを実践しているシーンなどがそうした背景でもあった。高精度なシミュレータを開発する為に一年半近くもリソース投下して実践して一連の成果を生み出したのだが、果たしてそうしたツールが自社チップでもない物が対象だったことも含めて、プロジェクトへの思いや、その成果活用が図れているのかどうかは今となっては不明である。ある会社という枠組みの中で、そうした事への挑戦が必要と認められて何かしらのプロジェクトに貢献することが出来たのは確かだし、会社としての新規事業を起こすという事にまで繋げる必要も無かったのはチップセットを事業とするものではなかったことにも起因している。

アプリケーションとしてシステム設計開発を進めている流れが巨大化したバベルの塔の如き状況に直面する中で、自身でフレームワークを新規に構成することにまでリソースを割けるかどうかの判断は現在では皆無に近いようだ。プロジェクトを推進していく上で自前のプラットホーム開発をしている別チームの動きなども知りつつも現実的なスケジュールでの実現をするために使えそうな外部プラットホームを利用していることもままあることである。一度決めたプラットホーム戦略の変更は大きなイナーシャで動いている会社全体のプロジェクトに対して少なからずインパクトを与える。ある意味で切り替えて微細な改善を図ったりすることよりも変えずに失敗したとしても、それなりの経験を積めればよいと考えているのではないかと思っているのでは伺えるほどである。プラットホーム整備に各社が傾注しているように見受けられる昨今とは別に、溢れる開発要件を消化する目的で社外のプラットホームに長けているODMベンダーを活用するというのも一つの傾向にある。

次代を担う若い技術者たちには、是非組み込み業界の実情を捉えていただいた上でブリッジエンジニアに終わることなく原理原則を押えた上で深い専門を持つ志向を持っていただきたいものである。とかく昨今のエンジニアをとりまく環境は消耗品としてエンジニアを捉えているのではと思えるほど余裕がなく、今や人材育成の旗頭を掲げているメーカーなどはことのほかないものである。国策として掲げているエンジニア拡充という施策の中に、国外のリソース活用などを主眼としている現状の仕事としての枠組みとなってきたブリッジエンジニアという事の起草自体が国策と矛盾しているように私自身は感じるのである。現場から乖離したままに、実際の開発を知らぬブリッジエンジニアが跋扈している状況で製造力設計力を向上していくという仕事になるとは思えないのである。状況の矛盾に気づきつつも製品開発を余儀なくされるメーカーにとっては弥勒信仰に陥ってしまったり、効率改善の流れで追求すると自社リソースの削減という矛盾に落ち込み悩んでいるのも国内メーカーの実情である。

コアな技術に注力しているという自負を自身を世の中に問うて考えられる技術者やベンチャーならば、その人あるいはその会社の価値を会社や業界が認めている故に仕事の心配などどこ吹く風だろう。そこに疑問が生じた時にとるアクションは自己開発であり、新機軸の事業創造となるのだろう。外資の会社ではドライに切り捨ててコスト効果最大の答えを選択するというのが世の常であり、国内メーカーでは、いまだ達し得ない部分がそこには厳然として存在する。それゆえに自己矛盾が解消できないというものでもある。革新的な技術提供により、ビジネススタイルを刷新できればリージョナルに解決すべき課題や強みが見えてもくるものでもあると信じている。そうした事に気が付くのかどうか常に自分自身あるいは自社ビジネスの弱みを認識していることが最大のポイントになる。エンジニアという自分自身を活躍させるかどうか、ベンチャーとしての自社を躍進させるかどうかは常に主体としての自分やCEOなどの意識にかかっている。

残念ながら、日本という市場で仕事をしているエンジニアにとっての足枷は常に付いて回る状況である。世界的に見ても突出した最先端の機能を要求されるのはキャリア相互の競争が熾烈になっているからだろう。一極集中したキャリアの状況がある意味で革新を生み出すことになったのは、運命だったのだろうし、各メーカーが試行錯誤を繰り返しつつデータ主体の通信へと拡大してきた経緯でありアプリケーションが整備されてきた。これも交通インフラが整備されている状況が有効となり、ちょっとした暇つぶしや電車などの通勤通学などの時間までも開拓することに成功したわけである。他方残念ながら日本という国情から物価が高い中で暮らさざるを得ない状況で、生産性の低い取り組みをする限りにおいてはソフトウェアビジネスという事業がコストダウンの観点からも将来が危ぶまれているわけである。そうした事を是として将来はブリッジエンジニアしか存しないと規定したわけでもないのだろうと理解したい。

いま、世界が漸く日本と同じような土壌に立ちプラットホームの整備がかない始める状況になると、公正な競争に勝ち抜いていくための独創的な技術が求められるのは日本のコスト高の国情ならではとなる。組み込みの仕事をしたいのでインドや中国に行かざるを得ないと結ぶのは余りにも悲しいのである。日本で同じ仕事をする限り魅力的な仕事に映るはずも無いのである。ドカタ商売で物づくりが出来なくなって久しいとはいえ、インテグレーションのノウハウを各メーカーが負担することすら覚束なくなっているのも事実である。中継ぎの技術としてレディメードのプラットホームを利用してある程度仕上げた後は、自前のプラットホームに移行するという美しいプランを掲げるメーカーもあるだろう。各メーカーの戦略がミートするかしないは数年立たないとわからないものの、投資がなされてモチベーション高い仕事に取り組むことが出来ている人たちは幸せな状況といえる。世の中の動きを理解しつつ、状況が暗転した場合においても自力を蓄積することには活用できるように努力していく意識は大切である。

野望を持てとまでは言わないものの、自分の夢を描けることが必要なのだと思う。人により人生観も異なるだろうから、単なる職業としてのみ技術屋をしているというのであれば、モチベーションを高く持つこともなく失敗しても後腐れなく次のテーマに入っていけるのだという人の生き方も一つの道かもしれない。ただ日本に求められる技術者の仕事がより創造的な仕事を求められるようになってきていることを理解すべきだと思うのである。今までの延長線で済むというようなドカタ仕事などは無いのである。自分の夢の過程として現在の仕事をマッピング出来る様に考えられるかどうかで、仕事へのモチベーションは大きく変わり成果も変わってくるはずだ。自立したエンジニアに向けて、成長していけるエンジニアとは好奇心旺盛な若い状況で、恵まれた上司のもとで仕事の指針を正しく与えられて進めることが出来るかどうかにかかっていると感じている。成果としての成功失敗に関わらず、そうした中から何を学び次に対しての戦略を考えていけるのかどうかそんなまとめ方をしてくれる上司であるべきだ。

 

業界独り言 VOL299 想定の範囲?

携帯電話業界では、最近、端末におけるプラットホームの開発が流行している。いままで通信キャリアが提示してきた端末動作仕様なるものを実現するために必要な機能を網羅設計することの難しさを共通化して肩代わりしたいということが底流にはあるようだ。とはいえ、今まで端末メーカーが自社のノウハウとして蓄積してきた部分も含めて未経験の通信キャリアが仕様を書き起こしてきた側から、実装を検討する側に回って開発するということには大きなギャップがある。昨年から起こってきた流れには端末開発のベースとなるOSプラットホームの選定といった段階では解決できない部分にミドルウェアとして通信キャリアの仕様を網羅する部分を作りこむというのが業界全体としての動きであった。プラットホームの部分をOEMメーカー自身が開発していくという昔ながらのスタイルもあれば、通信キャリアが開発費用負担をして自ら取り組もうという大英断をしたスタイルもあるし、通信キャリアが基本設計のガイドライン提示を行い各OEMが実際の実装を行い結果としての成果物を流用展開できるようなインフラまでも用意するといったスタイルまでもある。

OEMの実装状況や開発のボトルネックを考慮しないままで通信キャリアが、他の通信キャリアとの競争からスペック競争のみに走っていくことでは追従できずに疲弊して破綻してしまうのも実情である。通信メーカーが新たなプラットホームを選択して実際に通信キャリア向けのプラットホームとして仕上るまでには一年以上を要するということなのだろうか。無論、そうした難しい端末仕様となっているのは国内通信キャリアに多く見られるようでAsIsで使えるようにしてくれればという欧州のキャリアも多いようだ。まあUI仕様程度の話から、プロトコルやUIMサービスといった部分で選択する多くのオプションなどの差異吸収といったことまでも様々ある。標準といわれるブラウザ技術などをバイナリー提供しているベンダーなどではさまざまなOEMやキャリアの要望に応えるべくソースがFEATURE定義だらけになってしまったという話もある。一つのソースであるかも知れないのだがカスタマイズするための技術として適切なものといえるのかどうかは不明である。通信キャリアのスペックとOEMメーカーの独自性の狭間に晒されるベンダーとしては苦渋の選択といえるのだろう。

そんな端末開発に100億円以上が必要となるといわれる所以は、のりしろを繋ぎこむインテグレーション技術に投下するために必要な費用を各OEMメーカー自身が負担しているからに他ならないからだろう。とうぜんそうした費用を負担しきれないメーカーは、開発レースから落ちこぼれていくしそれにより、今まで開発に投下されてきた外部リソースという意味でのソフトハウスが仕事を切られてしまうという事態は想定の範囲でもある。アプリケーションエンジンを開発しているメーカーも端末が出来ないのであれば、売上が成立しないので困ってしまう事態となってしまうのである。自らの手で端末開発を手がけているわけではないので、こうした転機にあってはビジネスモデルの改革を考えていかざるを得ないのだろう。積極的に自らの製品範囲を広げて通信キャリアサービスに対してコンプライアンスな環境を提供できますというコンサルティング的なビジネスも視野に入れ始めているようだ。多くのチップベンダーが提供するプラットホームにあわせた形での提案が広告やイベントを通じて発表されているのが最近の事例でもある。

Quad社で始めてきたバイナリー環境も、ある意味でそうしたOEMメーカーとしての取り組みを昇華させてプラットホーム技術として展開してきた技術を、端末事業撤退後ソリューションビジネスの一環として展開拡張しているのだ。国内の元気ある通信キャリアが、CDMA2000で展開している流れにおいて、この技術をJava対抗といった切り口で利用してきたのは一概に誤りとはいえないまでも本来の意味においてJavaとは異なる意味でのプラットホーム技術の一つであることに違いない。各OEMメーカーがRTOSの上に工夫を凝らされてアプリケーション環境を構築してきた流れを統合されて通信キャリア指導でプラットホーム一本化という動きの中で最近発売開始されたモデルが注目もされている。とはいえ今までの各OEMが蓄積してきたノウハウと核となるアプリケーションを通信キャリアがどこまで取りまとめられるかという事は一つの挑戦だったといえるのだろう。

どの通信キャリアも悩みながらプラットホーム整備を行っているので、互いにやっていることについての興味と自社で進めている現場チームへの猜疑心などがあいまって時折トップからのお達しからおかしなシチュエーションを想定してしまうことがないともいえない。プラットホームの整備は互いに利用してもいない環境の中で、人伝に聞く内容に右往左往されたりしているのは仕方が無いだろう。プラットホーム整備の最大の目的は端末開発コストの削減に他ならない。端末開発にあたり通信キャリアの仕様を満たすための工夫が、ミドルウェアとして達成できるのであればアプリケーションの流通が可能となるというのが狙いであり、期待されるのは試験コストの削減などとなる。無論、ベンダーとしては各OEMにカスタマイズ対応する図式からの開放が期待できることから賛同が得やすいとも思われる。

しかし、プラットホーム構築において通信キャリア指導で進めていくには、各OEMのノウハウが必須でありIPRとして通信キャリアが提示してしまう中には、その費用分担についての調整が想定されもする。仕様自身がIPRであると言われないのであれば、自力で構築する芽もあるのだろうが、誰かが資本投下してくれるのであればプロジェクトとして推進したいというスタンスが見え隠れするソフトハウスでは、なかなか踏ん切りがつかないのも事実である。鶏と卵の議論になってしまい、プラットホーム構築が出来ればコストダウンとなり、そのプラットホームを前提としたビジネスで自立も可能になるというすごろくのストーリーは中々スタートしない。競争を最大に感じている、通信キャリア自身が資本投下して行った事例が続く中で、想定の範囲を越えるリアクションも出てきたようで興味深い。

端末が売れれば桶屋が儲かるといった図式の仕組みが携帯電話端末には、いくつかのIPRがある。そうしたIPRを握っているベンダーがサイクルを回すことに注力するというのは考えるべきストーリーの一つだったのだろう。実際問題、Quad社自身も自社が保有しているIPRにより端末が展開されることによる見返りを十二分に考えるケースでもある。スムーズに端末を生み出していくということをビジネスに積極的に捉えようという動きは、そうしたIPRを保有するアプリベンダーが主導して発動されている。しかし、不思議に思えるのは本来OEMが蓄積してきたプラットホーム化に向けた端末構成技術のノウハウを利用するには、従来のような下請けとしてではなく自社ビジネスとしてアプリベンダーが発案行動していく流れには、何か大きな先行投資としての動きが感じられる。PDCで構築してきたサイクルからの大きな転進に向けて色々な形で動きが発生しているのは戦国時代の様相がますます深まった最近の状況でもある。

プラットホームが整備されることにより、次に起こるのはPC化の流れであり、果たして国内メーカーが最先端技術を積み上げてきたビジネスモデルの大転換期が近づいていることは皆認識しているはずである。開発コスト削減が果たされる中で次に各メーカーが考えるのは自社が保有しているIPRによる端末コストのBOM算定における相殺優位性となる。GSMのライセンス費用やマルチメディアのライセンス費用など自社が保有する強い技術が無ければそうした部分についてのコスト差は厳然としてメーカー毎に存在する。無論機敏な経営手法などを旗頭として取り組むというオプションもあり、新たな技術に積極果敢に取り組んでいくというメーカーなどは早くに消化することでビジネス商機を広げようということでもあるらしい。商才に長けた東アジアの仲間達も利用可能なプラットホーム戦略の中で、結局国内OEMが保有する何らかのアドバンテージが必要なのだが、それはブランドイメージなのだろうか。

XML化技術が世界を救うとは言わないまでも最近の日経エレクトロニクスでも注目しているのはXML技術の組込み世界への応用であるらしい。Quad社が最近手がけているのも、XML化技術の応用としてUI表記言語としてのXMLでありこれに基づく物づくりの方法論を一つのパッケージとして開発プラットホームの味付けに一役買わせようという魂胆でもある。携帯電話の物づくりの難しさが、開発プラットホームの整備で解決されてタイムリーに端末を供給していく中で、端末をキャンバスと見立ててXMLでアプリケーションとしてのuiを書き起こせるというストーリーを提案している。これは端末をメディアとして提供するといった時代の到来といえるのかも知れない。端末技術の進展の中で良い時代になろうとしているともいえる。端末開発現場の方々の理解が追いついているのがどうかは別問題かも知れない。気がつけば自分達の仕事の価値が薄まったり存在理由について問われたりする時代になるのかも知れない。