業界独り言 VOL115 新技術の追っかけは好きですか 発行2001/7/26

じりじりと暑い日々が続いている。最近は、帽子を被り首筋の日焼けをガードしているのだが、リュックを背負っている、その姿には採集網が似合うと言われている。ゆりかもめの週に続いては、品川港南口でのトレーニングセミナーが二日続き、叉サンディエゴからは仲間達が支援に駆けつけてくれた。HDRのセミナーだった。

最近のQUAD社の製品展開は、必ずしも日本のキャリアのスケジュールにマッチしている訳ではないが着実に製品を出してきている。マイペースと映るかもしれない製品群によっては山ほどのお客様に対して広いホールを借りてのセミナーもあれば、こじんまりとしたセミナーを会社の会議室で行ったりもする。

規模に限らず出来る限り日本語でセミナーを実施したいというのが私達の思いではあるのだが、支援してくれる仲間は逆に日本語で説明している間に繰り出された、質問についてのキーワードのみが耳に引っかかり気になってしまったりもするようだ。しかし、この二年間の間にお客様のトレーニング対応力も随分進展したようだ。

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業界独り言 VOL114 携帯業界は夏休み?

東京ビッグサイトの一週間が明けた。月曜日の設置以降、3日間の立ち尽くしの日々であった。展示会の中での説明員という立場で過ごすのは、この会社に移ってからは初めてのことである。携帯を中心とするこの展示会は、携帯電話業界の現状を映しているのだろう。掛け声のみが空回りしているような雰囲気が感じられる。

展示会はトレードショーを標榜しているのだが、実際のところお土産狙いでカタログコレクターになっているのが日本人の姿の多くのように映る。QUAD社のチップを契約して利用するのは、限られた製造メーカーの方であり、そもそも展示する意味があるのかどうかという本質的な問い掛けすらあるのだが・・・。

そうした対象となりうるお客様の訪問も当然あるし、モバイルブロードバンドという時代に向けてPCやPDAの業界の方が開発の対象として捉え始めているのも事実ではある。そうした時代の要請として、3GPPが推移してきたはずなのだが、二年間あまりの推移を見直してみると果たして狙いどおり進行してきたのだろうか。

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業界独り言 VOL113 真夏のビッグサイト

ワイヤレスエキスポの季節がやってきた。独り言の発端にもなった展示会でもある。あれから三度目の展示会には、日本事務所として説明員として動員されることになった。昨年はと思い返すと、どこかの顧客の支援作業を進めていたようにも思い出す。こうした展示会も雨後の筍如く登場したものの沙汰止みになるのではないだろうか。
 
最新の情報を収集するのに使うというよりも各社の学芸会的な様相を呈してきていて出資を求めるベンチャーは手の内を美味しそうに見せることに終始しているのが実情だろう。火中の通信キャリアは、全てが順調の様に振舞うだろうし、追っかけをしている通信キャリアも、手を変え品を変え臨んでくるだろう。
 
サンディエゴからマーケティングのメンバーが来たので昼食時でもあったので近くの弁当屋まで案内した。一人はハワイ出身で片言日本語交じりでの会話もする。風貌からは、日系だと伺える。梅雨が明けたらしく、夏空になっている。高層ビルから出た都心の蒸し暑さは、さしずめサウナの如き状態だ。弁当屋には寿司や弁当が並んでた。
 
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業界独り言 VOL112 ワールドカップに向けて

次世代携帯が、華やかな情報と昨今の回収問題との狭間でゆれている。期待に満ちた動画ケータイが投入されてめくるめく魅力的なコンテンツが出回るのだろうか。試験運用からシステムの運用上の技術的な課題が解決されて、端末のプライスも安く抑えられた「すごいケータイ」が登場する筈なのだ。顧客は、皆待っている筈なのだ。

さて、次世代ケータイのターゲットは、当然ワールドカップなのだ。中村俊輔のフリーキックの瞬間を誰かが録画した内容が「俊輔くーん」と叫びながらメールに添付されて、送付されたりするのだろう。メインスタジアムの最上段で観戦している人たちにとってはフェンス越しに誰かが撮影したMPEGの瞬間ムービーが、あれば超嬉しい。

面白いコンテンツが増えて今までよりも高速にダウンロードが出来ても、その請求書をみて更に縮こまってしまうのでは、致し方ない。ワールドカップの開催会場である韓国で使えるようにWCDMAに乗り換えてくださいというのはメーカーの勝手な言い分である。しかし、横浜国際スタジアムで利用できるような動画インフラは無い。

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業界独り言 VOL111 ベンチャー気質の仲間達

株主総会の季節を迎えた、各社各様の迎え方をしているようだ。駅前から、会場までの道案内が出たりしている会社もあったようだ。会社の方針が大変更になりハードからソフトに切り替わった会社もあるし、カリスマトップが逝去されて会社の方向性が取りざたされている会社もあるようだ。トップに限らずカリスマ技術者もいるらしい。

オーバーアクションなパッション一杯の技術者がいる。「これが判らん奴は来るな」と迄言い切る彼の言動には、今までの技術者としての実績に裏打ちされているようだった。一億円で一部開示、三億円でパッケージとして開示、十億円で移籍すると断言する彼の説明には小気味よい響きがある。部門としてのベンチャー気質を感じた。

ハードとソフトの境界がはっきりしなくなった昨今ソフトウェアで実現する性能差別は容易に他社がキャッチアップ出来ると思われがちだが実像としては、提供されている数々のフィーチャーのインプリメントに追われているのが実情のようで、既に各社がインプリメントしたフィーチャーの数は各社の開発能力のバロメータとなっている。

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